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「お金あるじゃん?」息子のひと言にハッとした日

気づけばシンガポール生活もあっという間に9か月。強い陽ざしとムシムシの湿気に包まれながらも、毎日元気に暮らしています。
でも、暮らしているとやっぱりある日々のちょっとした驚きやハッとする瞬間。今回は、そんな日常の中でふと生まれた、「物価」と「価値観」にまつわる小さな出来事をご紹介します。
「牛丼が1200円!? 」物価の高さにびっくり
最近は日本でも「物価が高くなったよね」という声をよく聞きますが、シンガポールも負けていません。
ある日、街中で見かけた日本発の牛丼チェーン店。
レギュラーサイズの牛丼がなんと…約1200円!思わず「高い…!」と絶句。

また、子どもに「このジュース買っていい?」と聞かれても、「今日はやめておこうか」と声をかける回数が増えてきました。
買えないわけじゃない。でも、すぐには手が出ない。そんな、慎重さが日常になりつつあります。

タクシー1回で夫婦の価値観が真っ二つ!
ある日、外出先から急いで帰るためにタクシーを利用した私。お迎えの時間が迫っていたので、迷わず乗りました。
ところが帰宅後、それを聞いた夫のひと言。
「その距離なら歩けたんじゃない?この前の飲み会の日歩いたし」
え、それ言う? 私、急いでたよ!?
ちょっとした出来事だけど、お金の使い方に対する価値観のズレって、こういう日常にこそ出てくるなと改めて感じました。

息子のひと言に、思わずフリーズ
そんなやりとりの最中、横から息子がポツリ。
「日本帰ったら車買うって言ってたのに、お金あるじゃん?」
……まさかの冷静なツッコミに夫婦共に唖然。
確かに日本に帰ったら買う車の話もしていたし、ジュースやタクシーを我慢するほど困っているわけじゃない。
じゃあなんで、私達夫婦は「買わない」って言ってるんだろう?夫婦の価値観に、ふと疑問が浮かびました。

わが家らしいお金の使い方ってなんだろう? 夫婦で考えてみたら…
振り返ってみると、「買わない」理由は節約だけじゃありませんでした。
将来に備えておきたい
本当に必要なものを選びたい
家族全体のバランスを大事にしたい
そんな、わが家なりの考え方が、知らず知らずのうちに日々の選択に表れていたのかもしれません。

小さなやり取りがくれた、大きな気づき
ちょっとしたやり取りの中で、「ないもの」に目を向けがちだった私達夫婦。
でも本当はもう、十分に満たされているのかもしれない。そう思えたとき、心がすーっと軽くなった気がします。
これからは、「もっと」ではなく、「今あるもの」を大切にしながら暮らしていきたい。

そんな気持ちに気づかせてくれた、忘れたくない日常のひとコマでした。