ブログ
3人の子を持つ働くママ。多趣味・多推しの物欲高めな一家。

公開

忘れられない【母の一言】

忘れられない【母の一言】

10年以上経った今も、母がポツリと言ったある一言が頭に残っています。

まだ子どもが長女1人で幼稚園に入る前だった頃、私は平日は実家・週末は自宅と、週末婚を地でいく生活を送っていました。日中は職場近くの保育園に長女を預けて仕事をし、夕方に迎えに行き、私の母と帰ることが日常。

平日実家、週末婚だった頃

保育園迎え帰りに、食品などの買い物をしていきます。

そんな中
長女「あ、あれほしい!」
私「似たのあるから要らない。」
母「目が欲しいだけね。」

どうってことないやりとりながら、【目が欲しい】という表現をそれまで耳にしたことがなくハッとして、印象に残りました。

【目が欲しい】=見た目が気に入った、かわいい
といったニュアンスと私なりに捉えました。

確かに、ショッピングモールや雑貨屋に行けば、『かわい〜、すごーい』と心揺さぶられるものがひしめき合っています。

だけど、それらを全て買えるわけではありません。

テンション上がってどれにしようか迷って買って帰り、家でそれに癒されたりウキウキしたりすることはあります。

でも実際、子どもって家に帰るとそういったのを忘れていませんか?
そんなことより「お腹空いた、ご飯。」で日常に戻ってゆく。

見なかったら欲しいとは思っていなかった。
本当に欲しかったらずっと家でも話すわけで、そうでなければ思い付きや何となく欲しいと思っただけというもの。

キラキラフリフリ誘惑に溢れる売場

【目が欲しい】という感覚

さらっと言われたけど、すごく私には響いた言葉でした。
フラッと買い物に行って、様々な誘惑に溢れる売場でも、【目が欲しいだけ】と予定していなかったものは買わない努力をしています。

努力していても負けることは多々ありますが…

さらに以前母は、
「子どもと一緒の時は、子どもが欲しがるものを売っている場所は通らないようにしてたのよ。」とも話していました。

「だって、欲しがるものを買ってあげないで我慢しろって、子どもにとって酷な話でしょ?」

そのとおり。
でもどちらかと言うと当時の私は、買ってもらえないと分かっているから欲しいとは言わないという意識が強かった記憶があります。

いとこの中でも1番下に近かった私は、あちこちから回ってきたお下がりが基本でした。だから無意識のうちに、自分が新しいものを買ってもらえる期待もしなくなっていました。

ただ一つ、お下がりでも嬉しかったのがありました。

お下がりでも嬉しかったのは…

お下がりでも嬉しかったアイテムは、靴下です。
靴下といっても何ともない白無地の靴下。

私の足の爪はどうやら普通の人より上向きなのか、親指だけすぐ薄くなったり穴が開いたりしていました。

なぜ靴下が嬉しいかというと、履いて穴が開くと祖母がその穴を繕ってくれたんです。
それは幼い私にとって魔法にすら見えました。

穴がなくなってまた履けるようになる上、おばあちゃんの手が加わったオンリーワンのオリジナル品になるわけです。
多分周りから見たら、ちょっと変わった子だったと思います。

だからその靴下補修が嬉しくて嬉しくて…(笑)
私が「あ、また穴開いちゃった〜。おばあちゃんに直してもらお!」とウキウキで人前でも言うのを、後に母は恥ずかしかったと話していました。

「靴下直してまで履くなんて当時でさえもういないのに、靴下も買えないみたいで…」と。

でも祖母も張り切って、
「またかい!ど〜れ、貸してごらん!」って言いながらも嬉しそうだから、やってもらっていたとも。

いや懐かしい…
そういった経験があるからか、私は手芸をはじめ諸々のハンドメイドが今も好きです。今年は小学校保護者ボランティアで活動する『ハンドメイド部』の部長です。長女の頃から在籍して、8年目。

我が子も親指ばかり穴が空く…

【贅沢は敵】なのか?

自分の親や祖父母世代は、【贅沢は敵だ】という意識を持つ人も多いイメージですが、皆さんの親御さんはどうでしょう?

私自身は特別貧しい家庭でもなく、普通だと思います。
この普通も主観が強めで曖昧な判断ではありますが…

『使えるものはとことん使い倒すのが正義』といった感じ。

だからお下がりで自分の好みでない服もありましたが、着せられるがまま、文句は言いませんでした。

私の実家は自営業のため、幼稚園から帰るのは家でなく店舗でした。だから母が出勤時に着替えを持ってきていてくれて、降園後に着替える訳ですが、たまに母が着替えを忘れる日もありました。

それが結構嬉しいんです。帰る時間まで制服のまま店で遊ぶことになるので。好きでない服を着るより制服でいる方がずっと好きでした。

いつも靴下を直してくれた祖母との七五三

選択肢はいくつある?

そんな幼少期の私とは裏腹に今我が子が、
「これは着ない!これじゃない!」と用意した服を跳ね除ける姿には、内心
『何なの!?このワガママ娘は!』と苛立ちしかありませんよ(笑)

その後は本人に選ばせる訳ですが、選べる選択肢があるなんて幸せね〜とやや妬ましくさえ思ってしまう。

何が贅沢なのかは、生活レベルや感覚・地域性も加味されるところです。

今、この一瞬一瞬が今しかないと思えば、どの選択肢も後悔ないものを選べるようになりそうです。
子どもにその選択肢を適切に与えてあげるのが、今自分に課せられた課題だと考えています。

そしてその選択肢を素早く賢く選ぶ判断力も、親子で鍛えていきたいです。
物理的にも心理的にも【目だけ】で不要な選択をしないよう、【頭で】判断できるようになると、良い選択ができるような気がしています。

私はまだまだ、【目が欲しがる】モノを日々制するのに必死です。
先週末もまんまと闘いに負けて、ガチャガチャのカプセルが何個も転がっている我が家…
もう少し修行が必要なようです(笑)

この記事を書いた人

通地陽子の画像

千葉県

通地陽子

3人の子を持つ働くママ。多趣味・多推しの物欲高めな一家。

インテリア カラーコーディネーター 整理収納アドバイザー 福祉住環境コーディネーター

同じ生年月日の夫・私・中3女子・小1女子・3歳男子の5人家族。子供中心に毎日振り回される日々の記録が多め。毎日が楽になるアイデアやアイテム探しが趣味です。

あんふぁんチームズ

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌