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次世代に伝えたい戦争の真実〜戦後80年を機に訪れた広島「原爆ドーム」「広島平和記念資料館」〜

全世界が震撼した1945年8月6日、広島の原子爆弾投下。あの日からもうすぐ80年。
広島平和記念碑(原爆ドーム)と広島平和記念資料館に行ってきました。
5歳の息子と行くにはまだ早いかと思ったのですが、現在も諸外国で続く戦争や紛争に不安が募る日々。
自分が幼い頃は湾岸戦争の様子がニュースで報道されており、しばらくトラウマでした。
よくわからないけれど怖いという感覚だったのだと思います。
なので息子が疑問に感じたことは共有して、親も説明することができるよう勉強したいという思いで訪れました。
沈黙の原爆ドームが物語る、当時の悲劇
原爆ドームはそこだけ時が止まっているような、無機質で空気感が違う印象を受けました。
保存工事は何度かされているようですが、原爆の威力によって溶けて吹き飛んだ建物がほとんどのなか、壁や鉄骨が残っていました。爆風が上方からほとんど垂直に働いたため、ドーム中心部は奇跡的に倒壊を免れたのだそうです。
原爆ドームは平和記念公園内にあり、川を挟んだ対岸には広島平和記念資料館や慰霊碑、記念碑などがあります。
橋を渡ると広々と開放的な公園。川が分岐している場所にあるため、水辺が多くて気持ちよく散歩することができました。

広島平和都市記念碑
広島平和都市記念碑の前では、私たちが当たり前に平和に暮らしていることに感謝しながら、戦時中に想像を絶するほど苦しい思いをした人々に追悼の意を表し、黙祷を捧げました。

原爆資料館の向かいにある大きな噴水は、水を求めながら亡くなった原爆犠牲者へ慰霊の気持ちを込めて建てられたもの。
こちらの「祈りの泉」は、原爆ドームと広島平和都市記念碑とを見通すことができる一直線上にありました。

厳粛で緊張感が走る雰囲気だった広島平和記念資料館
広島平和記念資料館にはインバウンド勢が半分以上いるように見受けられ、その関心の高さに胸が熱くなりました。
電子チケット購入が1番スムーズに入館できると、案内の方が教えてくれたので、私たちはその場でオンライン購入しました。
館内に入ってすぐ照明が落とされた中、すでに長い列ができていましたが、
特に列を作らなくてもいいとアナウンスされていました。展示を最前列で見たい人が列を作っていたようです。展示物は壁だったり、部屋のあちこちにガラスケースで保護されていました。
それにしても暗い部屋中みっちり人、人、人。
写真や被爆者の方々が描いた絵。
原爆投下時刻で止まった時計。
被爆時着ていた服や、中身が炭化したお弁当箱...
それは80年前にたしかに存在したものだということ。人々の痕跡が強く心に刻まれました。
原爆によってあまりに残酷に多くのものが失われたという事実を目の当たりにし、想像以上にショックを受けました。

小学校の国語の教科書でも読んだことのある、被爆した少女の写真パネルやエピソードを見て涙腺が崩壊。
親になった今、子どもを失くす辛さを想像すると言葉になりませんでした。

世界の平和を考える
資料館の常設展示は以下のようになっていて、順路通りに進むと理解が深まります。
・本館:1945年8月6日に投下された原爆の惨状や、放射線による被害の展示など
・東館:広島の復興と世界平和についての展示など
東館には、原子爆弾の威力や核兵器について子どもにもわかりやすくパネルで見ることができるコーナーもありました。
本館の暗くて人が密集した重々しい雰囲気から解放された息子は、安心したのか積極的にタッチパネルを触っていました。

正直とても気分が落ち込みましたが、命を落とした被爆者の遺品、被爆後の病気と闘いながら原爆の恐ろしさを伝え続けた方々の手記や絵などから、やはり過去に起こった悲劇を繰り返してはいけないという思いが一層強くなりました。子どもたちやそのまた子どもたちが平和で暮らすことのできる世の中であってほしいと願います。
息子は戦争の恐ろしさにあまりピンとはきていないようでしたが、「原爆ドーム行ったね、爆弾がドーンって落ちて全部吹き飛んでしまったんだよね。」と事実は理解したようでした。身近に戦争の実体験を語る人がいないので、親子共に貴重な体験になりました。これから特に夏は戦争の話題が出てくると思うので、親子で過去の歴史を少しずつでも学んでいこうと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

戦争と平和について、家族で考えてみませんか。
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