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忙しい子育て中にこそ読んでよかった小説「ありか」

仕事と双子育児の両立で本をゆっくり読む時間もありませんでしたが、久しぶりに読書がしたくなり本を買いました。
2025年4月に発売された、瀬尾まいこさんの新作「ありか」です。
子育て中の私にとって、思わず涙してしまう場面や共感できる点が多い物語でした。
忙しい今だからこそ読んでよかった。そんな一冊に出会えたのでご紹介します。
「ありか」はどんな本?
「ありか」はフィクションですが、作者の瀬尾まいこさん自身の経験をもとに書かれています。
シングルマザーとして幼い娘を育てる母とそれを見守る周りの人々との物語です。
子育て中の不安や葛藤、家族との関係性、幼い子どもとのくすっと笑えるやりとりなど、子育て中の私にとっては共感の嵐で、物語に深く没頭できる内容でした。
日常のいろんなひとこまが書かれており、自分自身や子育てを振り返る機会にもなります。
改めてわが子を愛おしく思えたり、ぎゅっと抱きしめたくなるようなあたたかい気持ちになる小説です。
忙しいママ・パパでも読める?
私は寝かしつけ後に少しずつ読み進め、5日ほどで読み切りました。
全体のボリュームは多すぎず、文章もやさしい内容で、会話文も多いためスッと物語の世界に入り込めます。
忙しくて全然本を読めていなかったり、子育て中で自分の気持ちを後回しにしがちな時にこそ読んでほしいと思う一冊です。
心に残ったシーン
主人公がわが子の出来事を「たいしたことない」と言うシーンがあります。
詳細はネタバレになるので伏せますが、「たいしたことない」出来事ではありません。
このシーンを読んでいるとき、ふと自分の気持ちと重なりました。
私も自分に起こった出来事を「たいしたことない」と言い聞かせてしまうことがあります。
例えば、双子育児のことです。
「ほかに兄弟はいないから」「三つ子以上の人もいる」など自分よりもっと大変な人がいるからと比べてしまうことがありました。
でも、他人と比べることなく自分が大変だということをそのまま受け止めていいし、誰かに頼ってもいいということを改めて感じました。
この物語の中でも、そんな主人公に対して「頼っていいよ」と声をかけてくれる人がいます。
そういった主人公の周りの人々のあたたかい言葉に私自身も救われるような気持ちになりました。
おわりに
私にとって双子育児は初めての連続で、不安や孤独を感じることもたくさんあります。
今はネットで調べればたくさんの情報が手に入りますが、心のモヤモヤに対する答えは自分で探すしかないのかもしれません。
この物語を読み、自分と重なる気持ちがいくつもあって、登場人物の言葉に救われた思いがしました。
毎日バタバタで今でも子どもとの関わり方に悩む日々ですが、「こんな風でもいいんだ」と思わせてくれたこの小説は、私の支えとなる一冊になりました。
たまには読書でほっとする時間を作れるといいですね
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