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「ペイ or プレイ?」イギリスの保活が世知辛い!

私の住むイギリスには、何種類かの形態の保育園があり、3歳児は最初の進路決定の年となります。蓋を開けてみたら大変すぎたイギリスの保活事情、きいてくださいませ~(涙)。
保活の季節がやってくる…
7月、イギリスの学校も夏休みに突入します。日本の学校と違うのは、7月は学年末だということ。先日、長男の学校でも卒業式があり、「桜の季節の卒業もよいけれど、汗かきながらの卒業・終業式も乙なものだなあ」と思った次第です。
長めの夏休みの後は新学年が始まるわけですが、みんながそわそわしだす季節でもあります。
そう、学校(保育園)見学です。
3歳児は、次の年に控えた義務教育の始まり、プライマリースクール決め、そして2歳児はどのような保育園に通うかを決める年になります。我が家の次男、御年3歳ももれなく進路決定の岐路に立たされており、いやおうなしに保活の荒波に飲まれております。
できれば安くて良い園に入れたい!
これは我々庶民にとって切実な願いでしょう。
イギリスの保育園、預かり保育のある幼稚園は、公立・私立含め様々ですが、もちろん私立は高額なので、公立のできれば評判の良い園を目指すことになります。当然同じような考えでみな保活をするので、人気の園には応募が殺到します。
園児はどうやって選ばれる?
公立の園なので子ども本人の資質を問うような試験はないのですが、住んでいる場所(近いほど良い)、そしてキリスト教とのかかわり方を聞かれることがとても多いのです。
お国柄か、公立の園でもキリスト教系の園が多く、その場合は洗礼を受けているか、受けていなかったとしても、どこかの教会に通っているかが問われます。
もちろんクリスチャンでなくてもキリスト教系の園・学校に入学は可能ですが、そこでイギリス人が皮肉交じりにいうのが冒頭の「ペイ or プレイ」。
「ペイ or プレイ」ってどういうこと?
「ペイ=お金を払う」ではプレイは?
プレイ=遊ぶ(Play)ではありません。「プレイ=祈る(Pray)」のことなのです。
キリスト教系の園の申し込み用紙に必ずあるのが、「通っている教会」を記入する欄です。人気の園に入るためには、子どもが教会のミサに参加しているかどうかを問われるのです。
そんなわけで、熱心な親御さんたちはまだよちよち歩きの子どもを連れて教会通いをするのですが、クリスチャンでない家庭にはこれが地味につらい!
どの教会もジュニアチャーチと呼ばれるアクティビティが用意されており、子どもでも聖書の内容が理解できるように工夫されてはいますが、毎週日曜日の午前中(大体のミサはこの時間帯です)に家族で教会に足を運ぶのが…控えめに言って大変!
行ってしまえば子どもたちも楽しんでいるし、大人も勉強になることが多いのですが、「日曜日、朝早くから遠出しよう!」みたいなことは頻繁にできなくなります。
それが嫌なら、もうお分かりですね。「お金を払って(=ペイ)私立の園に行きなさい」ということです。
結局みんなどうしてる?
人気の園に入るためには、教会に通い、かつ園の近所に住むことでより入園が確実になるわけなので、当然園のそばに引っ越すご家庭も多いです。お子さんが入園時期に渡英が決まった日本人家庭は、先に通いたい保育園を決めてから家探しをする、なんてことも!
ここでお気づきの方も多いと思いますが、結局のところ、引っ越したり教会通ったりで、ペイもプレイもしているんです(笑)。でも私立の園に通わせることを考えたら安い?
難しいところです。
ちなみに我が家は、日本人ならではの選択肢、日系幼稚園を検討中です。いつでもウェルカム、そして日本語が通じる、親にとっても安心で環境も良いなあ、なんて考えています。
9月に向けて、さらに情報収集しながら保活に取り組んでいきたいと思います。
※2025年7月現在の体験をもとに記載しています
ちなみに「教会に通っているか」の質問、小学校、中学校とずっと続きます!