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『見ちゃダメ』じゃなくていい!親子で育む多様性の視点

『見ちゃダメ』じゃなくていい!親子で育む多様性の視点

子どもは好奇心旺盛。
「なんで空が青いの?」「なんで夜は寝なきゃいけないの?」そんな疑問と同じように、街で知らないものやことを見つけたら質問してきます。
はじめて車椅子を見かけたら?
はじめて隣に外国人が座ったら?
はじめて手話で話す人を見かけたら?
きっと興味を持って質問してくることでしょう。さて、そこでなんと答えますか?

「触れちゃダメだよ」ではない

咄嗟に質問されると、相手に失礼のないように「そんなこと言わないの」とか「見ちゃダメよ」とはぐらかしてその場をやりすごすことがあるかもしれません。
ですが、そのような対応をすることで子どもたちは「見てはいけない、触れてはいけないことなんだ」と思ってしまいます。
こういう時に子どもの「知りたい」の芽を摘まず、伸ばしてあげることができたらいいですよね。

ではどうしたらいいの?

子どもに「世界にはいろいろな人がいる」ということを教える絶好のチャンスなのです。

どうしてこの人は目が青いの?
→ 世界にはいろんな人がいるんだよ。
ここからさらに肌の色や髪の色、言語の違いなどにも触れられたらいいですよね。
→ 「とてもきれいな色だよね!」と声をかけることで、違いは素敵なことだと伝えられます。

どうして車椅子に乗っているの?
→ 歩くのが難しい人は車椅子を使うこともあるよ。
→ 「とってもかっこいいよね!でも、困っていたら声をかけてあげられるといいね。」とポジティブなクッション言葉を交えて伝えることで「触れてはいけない」存在ではないと認識してくれます。

我が家の場合

我が家の次女は生まれつき聴覚障害があります。そのままでは音が聞こえにくいため、人工内耳という医療機器をつけています。

補聴器は知っている方も多いと思いますが、人工内耳はまだ認知度が低いです。耳掛け型の機械に丸いコイルがついていて、頭部に装着されています。耳掛け型の部分はマイク、丸いコイルは磁石で、体内に埋め込んだインプラントに信号を伝えています。

起動中は緑色に光るので、公園や遊び場で「これなあに?」と聞かれることがよくあります。
そのたびに「聞いてくれてありがとう!かっこいいでしょ?この子は音が聞こえにくいから、この機械をつけて聞きやすくしているんだよ」と伝えています。

さらに興味を持ってくれた子には「声に気づかないこともあるから、話しかける時は肩をトントンしてくれると助かるよ」「お顔を見て話してくれると嬉しいな」と、少し具体的にお願いすることもあります。

子どもたちはとても素直で、「そうなんだ!」とすぐに受け入れてくれます。そしてお世話をしてくれたり、一緒に遊んでくれたりするので、その姿を見ると心がほっこり温かくなり、とても嬉しくなります。

聞いてくれると嬉しい!

親御さんにとっては「こんな質問していいのかな?」と心配かもしれませんが、聞いてくれることはむしろ嬉しいものです。素直な疑問をぶつけてもらえるとありがたいという方も多いと思います。

「触れてはダメ」という雰囲気こそ気まずさを生みます。子どもたちには小さいうちから「さまざまな人が暮らす世界」を知ってもらい、互いに助け合う力を育んでほしいのです。

耳が聞こえない子がいる
→ 手話という話し方もある
→ 人工内耳や補聴器という機械がある
→ 耳だけではなく、目が見えない人や体に不自由な部分がある人もいる
このように会話を広げあらかじめ知っておくことで、街で見かけた時の反応も自然なものになるのではないでしょうか。

肌や瞳の色も人それぞれ

次女は聴覚障害だけでなく、父親が外国人ということもあって珍しく青い目をしています。外国の方を見たことがない子どもには驚かれたり、「目が青くてこわい!」と言われることもあります。

最近では外国にルーツのある子やご家族を見かける機会も増えましたが、それでも初めて出会う子には驚かれることも多いです。そのときは「世界には髪や目や肌の色がたくさんあるんだよ。みんな違うけれど、それぞれ素敵だよね」と伝えるようにしています。

子どもが好きなアニメや絵本にも、さまざまな髪や肌、目の色のキャラクターが登場します。日常の中で「違い」をポジティブに意識しておくと、実際に会ったときにも自然に受け入れられるのではないでしょうか。

街にもきっかけがたくさん

スロープ、点字、点字ブロック、エレベーターの車椅子ボタン、信号の音、英語や外国語のサインや音声案内…
これらを見過ごすのではなく、お子さんとぜひ話題にしてみてください。
「これはなんのためにあると思う?」とクイズから始めると会話が広がります。
親子でのやりとりが、やさしい心を育てるきっかけになれば嬉しいです。

一人ひとりの違いを知ることは、世界を広げる第一歩。
小さな発見を大切にしていきたいですね。

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神奈川県

Akiko

Bonjour!日本在住日仏ファミリーです

旅行、お出かけ、お菓子作り、工作が大好き!ピアノとスイーツ作りが大好き長女(5歳)生まれつき重度難聴の次女(2歳)パンとチーズにうるさいフランス人夫の4人家族。

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