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いちばん満足のいく作品は、誰にも見せたくない。娘から学ぶこと

夏休みの最後、幼稚園からの唯一の課題「夏休み中に制作した作品をひとつ持参してください」を達成するために、「どれを持っていこうか?」と話していた矢先。私のエゴが見え見えになったお恥ずかしいお話です。
「うちの子ってすごいんだゾ!」
と思われたい…という隠しきれない魂胆が、見破られた気持ちでした。
もともと工作好きな娘、カラーボックスの上、窓辺、壁、雑然と作品が飾られています。我が家は築年数30年ほどの賃貸のため収納も少なく、毎日「どれを、ありがとバイバイする?(直訳、捨てる?)」と取捨選択を迫られる日々。こちらが傑作だと思うものでも、娘にとっては駄作だったり、「どう見てもゴミやん!(失礼)」と思う丸めた折り紙が、娘にとっては意味のある宝物だったりします。

すぐに返却されるものの、園に提出した作品は数日間展示されるので、やはり私の目からみて、それなりに美しく、見栄えが良く、鮮やかで、時間をかけて作っていたもので…と言葉にせずとも絞られていきました。が、娘の気持ちはタイトルのとおり「いちばん満足のいく作品は、誰にも見せたくない」でした。
自己顕示欲とのたたかい
&あんふぁんのブログも例に漏れず、各種SNS、何気なくLINEで送る写真、日常的に撮る写真、自分自身だけでなく娘のことについても、誰かに伝える媒体には常々「ベスト」を求めてしまいます。本当のお気に入りこそ自分の中にとどめておきたいという娘の思いは、そんな自己顕示欲の塊だった私にズドーンと刺さりました。見栄張りな自分に気付かされて、これまでの自身の行為が「一体何のために…?」と振り返らざるを得ませんでした。
自分だけの宝物を増やす
誰かに伝えたくなるほど我が子が可愛く思えたり、天才!と思えたり、日々いろんな瞬間が訪れます。そのようなときに、誰かに共有したい気持ちをぐっと抑えて、自分の中で「最高の状態」でとどめておくことを意識的に行いたいと思った夏休みの終わりでした。
子どものいる暮らしは、ひとりで生きるよりも宝物が増えて嬉しい悲鳴です。
ただ「子どもの気持ちを尊重」と言うは易し行うは難し。
日々いろんな感情と向き合う世の親御さんに改めて敬意を表します。