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子どもにどう伝える?死者の日とディズニーから考える“死”との向き合い方

我が家の長女は6歳を迎えた頃から「死」について質問してくることが増えました。「死んだらどうなるの?」「ママが死んだらいやだ!」「死ぬのが怖い」などなど…。6歳という年齢はまだまだ子どもですが、知識や経験も増えてさまざまな興味が湧いてくるお年ごろ。親としてどこまで死について教えるのが良いのか迷っていました。
東京ディズニーシーのディア・デ・ロス・ムエルトス
先日、家族で東京ディズニーシーに遊びに行った時のこと。ちょうどディズニー・ハロウィンが始まっていて、とても賑わっていました。ハロウィンの期間中、ロストリバーデルタで 「ラソス・デ・ラ・ファミリア(Lazos de la Familia)」 という、映画『リメンバー・ミー』の世界観をテーマに “死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)” を祝う特別イベントが開催されていたので見に行ってみることにしました。
私は『リメンバー・ミー』が大好きですが、娘はまだ映画を見たことがありません。それでも、このショーや装飾は生と死について学ぶ良いきっかけになりそうでした。

「ディア・デ・ロス・ムエルトス」とは?
「ディア・デ・ロス・ムエルトス」(スペイン語で「死者の日」の意)は、先祖を称えると同時に生命の継続を祝うお祭りで、毎年11月1日と11月2日にメキシコや一部ラテンアメリカの国々、アメリカのラテン系コミュニティなどでお祝いされています。悲しみよりも喜びが強調される「ディア・デ・ロス・ムエルトス」では、カラベラ(ガイコツ)やカラフルなパペル・ピカド(紙細工)、オレンジ色のマリーゴールドなどで街中が華やかに飾られ、先祖や愛する人の魂を迎え入れます。

陽気で明るい賑やかなお祝い!
会場もカラフルな装飾でいっぱい!日本のお盆とはまた違って、底抜けに明るく、しんみりとした様子は一切なし。まさに『リメンバー・ミー』の世界そのもので、感動しました。
メキシコではその昔、死者を悼むことは失礼にあたると考えられていたそうです。死は生の中の通過点であり、死者になっても家族の心の中に生き続けると信じられているのだとか。そう考えると、死というものを少しポジティブに捉えられる気がします。
イベントの中でも「賑やかにお祝いしましょう!」と声がかかり、陽気な歌や踊りが繰り広げられていました。娘もノリノリで手拍子をしたり合いの手を入れたり。「大切な人を覚えている限り、その人は私たちの心の中で生き続ける」というメッセージがとても心に響きました。『リメンバー・ミー』の曲も披露されて、思わずウルウル…。
ショーのあと娘と話してみると、「死んでしまっても、みんなの心はいつまでも繋がっている。忘れなければ心に生き続ける」ということがわかったと言っていました。以前飼っていた金魚の話も出てきてびっくり!「金魚ちゃんは死んでしまったけど、お墓にお花をあげようと思う!」とニコニコして話してくれました。

恐怖よりも希望
大人の私でも「死」というものは未知であり怖いことでもあります。でも、こうやって明るくお祝いすることによって、死を悲しむのではなく故人との絆を祝福し、命の美しさと短さを称えることができて、親も子もとても素敵な経験になりました。

イベント詳細まとめ
イベント名:ラソス・デ・ラ・ファミリア(Lazos de la Familia)
開催期間:2025年9月17日(水)~11月2日(日)
開催場所:東京ディズニーシー ロストリバーデルタ
主な見どころ:
“プエンテ・ブエナ・ヴィスタ”周辺でのマリアッチ演奏やダンスなどアトモスフィア演出
カラベラやパペル・ピカド、マリーゴールドで彩られた華やかな装飾
レストラン「ユカタン・ベースキャンプ・グリル」でのスペシャルメニュー(シーフードライスボウル、パン・デ・ムエルト、限定ドリンクなど)
“死”を知ることは、同時に“生きること”を学ぶこと。子どもと共に学びながら、恐怖よりも希望を感じられるような関わりを大切にしていきたいです。