公開 :
プルースト効果で残す、子どもへの“愛された記憶”とクッキーの香り

ふとした香りで、昔のことを思い出したことはありませんか?
我が家の娘たちは6歳と2歳。毎日バタバタしていますが、ふと「この瞬間の記憶、将来覚えていてくれるのかな」と考えることがあります。
愛されて過ごした幼少期の楽しい記憶は、子どもたちの心にずっと残ってほしい。そんなときに思い出したのが「プルースト効果」です。
プルースト効果とは?
プルースト効果とは、「特定の匂いを嗅ぐと、ある記憶がふと思い出される」という現象のことです。
私も特定の香水の匂いを嗅ぐと友人のことを思い出したり、潮の香りを嗅ぐと海外旅行の思い出が蘇ったりします。
その中でも、バニラエッセンスの香りは、幼い頃母が作ってくれた手作りお菓子を思い出し、懐かしい気持ちになります。
匂いは脳の「感情と記憶の部屋」(大脳辺縁系、特に扁桃体や海馬)に直結しているため、思い出が一瞬で蘇りやすいのだそう。
当時の感情や雰囲気とセットで記憶されやすく、何十年経っても鮮明に呼び戻せることがあるのも特徴だそうです。
私はバニラエッセンスを嗅ぐと、母が使っていた赤いボウルや古いレシピ本、白鳥の形のシュークリームなどの細かい所まで、懐かしい記憶が一気に蘇ってきます。
クッキー作りで「愛された記憶」を残す
娘たちにも、慌ただしくも愛おしい今の時間を忘れないでほしくて、定期的にクッキー作りをしています。
もちろん目的は3時のおやつですが、この香りを通して大人になったときに「今のことをふと思い出してほしい」という気持ちも込めています。
ふわふわ舞う粉をこぼしたこと。
姉妹で喧嘩しながらも頑張ったこと。
お気に入りのエプロンのこと。
卵を落として泣いちゃったこと。
そして親から愛されて過ごしたという記憶を、香りとともにタイムカプセルに閉じ込めたいなと期待しています。
(おかげで、子どもたちが失敗しても怒らず優しくしようと自分を律することができています。笑)

クッキー作りの理由と楽しさ
同じレシピで作ると、子どもたちも工程を覚えて自分でできることが増えます。
前回うまくいかなかったことが今回はできるようになったり、成長がわかりやすいのも嬉しいポイントです。
そして、型抜きの工程は粘土遊びのようで大好き。最後まで飽きずにやりきれるのも理由の一つです。

焼きたてクッキーの香りは格別!
焼きたての香りに負けて、ついつい熱々をぱくっ。
「あちちち〜」なんて言いながら「冷めるのが待ちきれないね」と話すのもお決まりです。
喧嘩もあるけれど、美味しいクッキーを食べるとみんなニコニコ。笑顔が広がるひとときです。

いい香りが、いい記憶に
子どもたちは「このにおい最高〜!」と幸せそうな顔をしてくれます。
香りとともに、家族で過ごした愛された日々が、記憶の奥深くに残ってくれたら嬉しいなと思います。
プルースト効果の不思議な力を借りて、子どもたちが未来で思い出すのは「愛されていた日々」でありますように。