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グレーゾーンの8歳息子&3歳娘に翻弄されるワンオペママ

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生後3ヶ月で急な発熱&下がらない…原因はインフルでもコロナでもなく…!?

生後3ヶ月で急な発熱&下がらない…原因はインフルでもコロナでもなく…!?

2021年の春、我が家に第二子となる長女が誕生しました。それから102日後、生後3ヶ月で急に発熱した長女。緊急入院し検査をしたところ、インフルエンザもコロナウイルスも陰性。他にも可能性のある検査を行いましたが、どの検査も全て陰性。発熱の原因がわからず、解熱剤が切れると40度前後の高熱が出る日々…
あれから4年、4歳になった長女はとても元気に成長してくれていますが、現在も経過観察中の病気があります。
インフルエンザやコロナウイルスが爆発的に増えている今だからこそ、知ってほしい病気があります。
発症してからなるべく早期に治療を開始しないと、手遅れになることもある病気。けれど認知度は低く、医師でも判断が難しいと言われているこの病気。
多くの方に知って欲しいので、長女の実体験を元に記事にしたいと思います。

生後3ヶ月で発熱し緊急受診

生後100日のお祝いから2日後のとある平日。お昼寝から17時頃に目覚めた長女を抱っこすると、なんだか熱い?寝てたからね~と思いつつ体温を測ると38.6度。一度なかったことにして時間をおいて再度測ってみても、やっぱり38度後半の熱がある長女…当時は完全母乳でしたが母乳は拒否。いつもお昼寝の後は機嫌がいいのに何故だか機嫌も悪い。あぁ、これは病院にかかった方が良さそうだなと思いつつ、児童発達支援事業所を利用していた年中の長男がもうすぐ帰宅してくる…
生後半年の間は母親からもらった免疫があるから熱を出すことはほとんどない、と聞いていたのにも関わらず発熱した長女。何かがおかしい。なんとなくですが母親の勘?でそう感じ、時間も時間でしたが受診することに決めました。
隣の市に住んでいる私の両親に事情を説明し、急遽来てもらって長男をみてもらうことに。私は長女と共に夜間緊急の小児科へ。予想通り混んでいて賑やかでしたが、長女はぐったりして大人しく、これは一晩越さずに連れてきて正解だったと感じました。
初めて受診する病院でしたが、先生の対応も丁寧でしっかりと診てくださいました。その結果「今すぐにでも大きな病院に連れて行った方がいい」とのことで、急遽その日の小児を診てくださる大きな病院を紹介され、そのまま直行することに。先生からは繰り返し「一度自宅に帰って荷物を持ってくる、なんてことは絶対しないで。このまま真っすぐに紹介先の病院に向かいなさい。急いで。でも事故は起こさないように運転して。1時間以内に着くのが目標ね。」と言われ、背筋が凍りました。
たまたまこの日の当番病院が市内ではあるものの20キロ程離れた遠い病院で、具合の悪い長女の様子を見ながら懸命にハンドルを握り運転しました。

当番病院に到着、即入院

紹介先の病院に着き紹介状を渡すと、すぐさま防護服を着た方たちに取り囲まれコロナウイルスの検査をしました。コロナウイルスの流行の真っただ中だったので仕方がないとは思いますが、大人の私でも怖い異様な雰囲気でした。検査の結果は陰性、原因不明の発熱で長女の全身状態も良くなかったことからそのまま即入院となりました。
部屋は個室でナースステーションの一番近く。様々な機械に見る間に繋がれていく長女。一体長女の身に何が起こっているのか、頭も気持ちもついていきませんでした。
翌日からは様々な検査をし、入院に関する書類や検査に同意する書類等片っ端から様々な説明を受け、ひたすら記入。もちろんインフルエンザの検査もしたし、時間が早かったのかもとのことでコロナウイルスの2回目の検査もしましたが、どれも陰性。
解熱剤を使えば熱は下がるものの薬の効果がなくなればまた40度近い熱が出る。その繰り返し。原因がわからないことが一番ストレスで、また突然の入院となったため当時5歳になったばかりの長男のこともとっても心配で、私もどんどん病んでいきました。

入院した日の夜、右腕以外様々な機械に繋がれている姿を見てショックを受けました…

消去法でついた病名

疑わしき病気の検査を片っ端から受けていた最中。発熱、入院してから3日目の夜。長女のオデコと鼻筋のいわゆるTゾーンの辺りが赤くなっていることを発見しました。なんとなく目も充血しているような…?この赤みはなんだろう?夜勤の看護師の方にも聞きましたがわからず、翌日の朝には消えていました。
ただ申し送りはしっかりされており、翌日医師よりまだ断定はできないけれど『川崎病』の可能性があること、ただこの病気に当てはまる症状が長女の場合は少ないこと、けれど他の病気は見当たらず昨日の発疹から川崎病の可能性が急上昇してきたこと、今後の検査結果によって、他の病気が陰性なら川崎病の可能性が高いとして治療を進めていくこと等が説明されました。

入院時にいただいた川崎病患者専用のパンフレット(2021年当時のものです)、掲載許可いただいています

『川崎病』とは?

川崎病、聞き馴染みのない病名ではないでしょうか。この病気は全身の血管が炎症を起こす病気で、それにより発熱や発疹が生じ、発症後に心臓の冠動脈に瘤ができやすい特徴があります。瘤により血管が狭まったり血栓が詰まったりして心筋梗塞や狭心症になる可能性があるそうです。原因は不明で、現代医学ではまだ解明しきれていないこの病気。
診断には発熱が5日以上続くこと(現在は治療により5日未満で解熱した場合も含む、発熱の日数は問わない、とされています)、目が赤くなること、唇や喉、舌が赤くなること、全身に赤い発疹が出ること、手のひら、足の裏が赤くなり手足が難く腫れた後に指先の皮がむけること、首のリンパ節が腫れること、この項目の内5つ以上当てはまると『川崎病』と診断されます。4つ以下でも川崎病と診断されることがあり、この場合は不全型と言われていますが、長女はこの『不全型の川崎病』でした。不全型の川崎病は、主要症状がすべてそろわなくても長女のように別の疾患が否定され、心エコーなどで冠動脈異常(拡張・瘤)があれば診断されるケースもあるそうです。
また川崎病と診断するのも非常に難しい上、不全型となると更に判断が難しいそうで、最初は風邪だと言われたのに熱が下がらず何度も通院してやっと川崎病だったことがわかるといったパターンも多いそうです。

BCGの接種部位の発赤も川崎病の特徴の一つですが、長女は生後3ヶ月で接種前でした

ただこの川崎病、診断までに時間がかかることが多いわりに発症してからの対応がとても大切で、初期の炎症が強かったり発熱が続くと冠動脈瘤ができやすくなるようなので少しでも早く炎症を抑える治療が必要になります。
長女にも使用していただきましたが、一般的に『ガンマ(免疫)グロブリン製剤』という細菌やウイルス感染を防ぐ抗体が含まれた血液製剤を点滴投与し、血管の炎症を抑えて瘤ができるのを防ぐ治療法が多く取り入れられていると説明を受けました。また血液をさらさらにする『アスピリン』という薬の服用も合わせて行いました。

ガンマグロブリン製剤を投与してからやっと解熱剤を使用しなくても熱が下がり、母乳も飲めるようになった長女。機嫌も良いことが増えてきて笑顔も少しずつ出てきました。
ガンマグロブリン製剤がよく効いたことから改めて長女の病名は『不全型の川崎病』と説明を受け、入院してから16日目についに退院することができました…!

経過観察中の今

退院後もしばらくはアスピリンが処方されたので服用を続けると同時に、最初は1ヶ月後、次は2ヶ月後と通院も継続しており、退院から1年後には年1回のペースで定期受診を継続しています。先月も20キロの道のりを運転して受診し、心エコーと心電図の検査を受けましたがどちらも異常はなし。
先生からは5年経過観察をして大丈夫そうなら完治、と言われているので、来年の定期受診で異常がなければ『完治』になる予定ですが、再発することもある病気のようなので油断はできないし未だに長女が発熱すると真っ先に川崎病が頭を過ります。

原因が川崎病だと特定できれば治療法はあるので回復する見込みは大きいと思うのですが、医師ですら判断が難しい川崎病。1歳をピークに主に4歳以下の乳幼児がかかることが多いそうですが、よく風邪と間違われることも多いこの病気。
怖がらせたいわけではなく、発熱が続く子の保護者に少し知識があるだけで、もしかしたらもっと早くにこの病気にたどり着ける方が増えるのかもしれないと思い、今回記事にしたいと思いました。

医学は日進月歩で進んでいるため4年前に私が経験した部分と現在とでは、異なるところももちろんあると思います。川崎病に罹患した3ヶ月の子が回復するまでの様子を『こういうパターンもあるのだな』という風に受け止めていただけると嬉しいです。
そして全ての医療従事者の方に、感謝の気持ちを伝えたいです。

川崎病は現在も解明されていない部分が多く、不全型となると更に情報が少なく当時は検索魔になりました。
一つの体験記として、情報が必要な方に届くと嬉しいです。

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北海道

つばき

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グレーゾーン子育て中

言葉の遅れ&精神面のムラあり息子(小3)、独歩開始時期が遅く慎重派すぎる娘(年少)、夫、義父、基本ワンオペな私、でチームつばき家!の療育・食育・日常生活

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