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いつも子どもの味方でいよう、エッセイ『ミシンは触らないの』を読んで

子育てをしていると、いろんな悩みに行き詰まることもしばしば。
そんなときにそっと寄り添ってくれるのが、本です。
育児本もいいけれど、子育てのヒントは小説からも、漫画からも、絵本からも見つかるときがあります。
わたしは先日読んだ1冊のエッセイが、子どもとの関わりを見直すきっかけになりました。
中前結花さんの『ミシンは触らないの』
エッセイストの中前結花さんが、今までに「自分を支えてくれた言葉」を集めた本。
テーマが子育てというわけではないのですが、わたしはこの本を読んで「もっと子どもの味方になりたい」と思いました。
それは、中前さんのまわりには素敵な味方がたくさんいて、こうして味方がいれば大丈夫なんだと、読みながらほっと安心できたからです。
いざ自分の子育てを振り返ってみると、4歳の息子が娘たちに手を出してしまうことが多く、叱ってばかりの日々。
寝る前くらい穏やかな時間を過ごしたいのに、捨てゼリフ満載の寝かしつけ。
『ミシンは触らないの』を読んでいると、きっと中前さんのまわりにこんな人はいなかっただろうな、と感じます。
子どもがこんなふうに過去を振り返ってくれたら、嬉しいなあとも思いました。

中でもぐっとくるのは、お母さんとのお話。
自分が子どもの頃、そのときのお母さん、お母さんになった自分、お母さんとして見るわが子と、読みながらわたしもいろんな立場での気持ちが重なって、ぽろぽろ泣けてきました。
そして、表題の『ミシンは触らないの』のエピソードもあたたかい。
そういえばわたしも家庭科のミシンが苦手だったけど、あまり思い詰めた記憶がないのは、両親や友達がきっと支えになってくれてたんだと思います。

きっと誰しもの思い出の中に、ちょっと重なるようなお話。
気負わずに読めて、読んだあとはいつもより子どもにやさしくなれそうです。
中前さんの支えになった言葉たちが、わたしの支えにもなってくれる、そんなお守りのような本に出会えて、とても嬉しいです。
『ミシンは触らないの』
著者 中前結花
発行 hayaoki books
価格 1700円(税別)
判型 B6判、256ページ


























