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習い事をやめたあと「笑える子と気まずくなる子の違い」講師であり親である私が思うこと

「久しぶり〜!」と言うと、「先生〜!」と走ってくる子もいれば、「あ…」と目をそらす子もいます。
3月。進級が見えてくるこの時期。「このまま続ける?」「一度やめる?」進級を前に、習い事の継続について、ふと立ち止まる季節でもあります。実は私、18年間キッズダンス講師をしてきました。そして今は、双子の母。「教える側」として、「親側」として両方を経験してきて感じた、ある大事な体験談をシェアします。
習い事をやめた子と久しぶりに会ったときの「反応の差」
私は小さい街の同じ場所で18年間ダンス講師をしてきたので、習い事をやめた子と、街やイベントでばったり会うことがよくあります。そのとき、反応が大きく分かれるんです。それは「少し気まずそうにする子」と「先生〜!久しぶり!」と笑顔で来る子。もちろんそれぞれの性格もありますが、長年見てきて感じたことがあります。それは「やめた理由」や「やめ方」によって、その後の表情が違うということです。
罪悪感を抱えてやめた子
久しぶりに会って嬉しくて声をかけたつもりだったのですが、時々すごく気まずそうにする子がいます。まるで「裏切ってしまった」かのような表情をしてくるのです。誰もそんなこと思っていないのに、なぜこんなに悲しそうな表情をするんだろう?といつも考えていました。
すると毎回、やめる時の親の口調や話の内容が浮かんでくるんですよね。先生と子どもを目の前にして、親が「もったいないですよね」と発言していたり、「続けられなくて本当にすみません」と謝罪の言葉で習い事を終えたり。そのようなパターンでやめた子は、先生である私にも、どこか後ろめたさを感じているのが伝わってきます。「もうやめなさい」と言われて終わったのか、あるいは「よくここまで頑張ったね」と送り出されたのか。たった一言でも、その言葉は子どもの中に長く残ります。やめること自体よりも、習い事を「どう終えたのか」の記憶の方が、ずっと強いんだろうなと思いました。
また、コロナ禍で自然と足が遠のいた子もいました。挨拶があったご家庭もあれば、気づかないうちに来なくなっていた子も。私も同時期に親になり、自分はどうやって「子どもの習い事」と向き合うか、とても考えさせられるきっかけとなりました。
自分の意思で区切りをつけた子
一方で、他に夢中になれることができた子や、部活に集中したい子、あんまり楽しくなかったから続けたくないと「自分で一区切り」と決めた子は、大体の子が「昔ダンスやってたんだよね〜」と前向きに話します。そんな子のやめる時を思い返すと、「また発表会観に行きます」や「みんなのこと応援しています」と、親が前向きな言葉を先生や子どもの前で口にしながら習い事を終えていたことがほとんどでした。恥ずかしがり屋な子でも、ニコニコしながら手を振ってくれる。習い事が「黒歴史」ではなく、「通過点」になっているようなパワーを感じるのです。ここが大きな違いだと感じています。

親になって、わかること
正直に本音を言えば、独身で講師をしていた頃は、「なんで今やめちゃうんだろう」と思うこともありました。でも親になって、月謝や送迎の問題、兄弟の予定や家庭のキャパなど、いろんな事情があることを身をもって知りました。でも、だからこそ思うんです。せめて、「子どもの中に後悔を残さないやめ方」を心がけることは、とても大切なことなんだと。
「続ける?やめる?」を決める前にできること
講師として、母として大事にしたいと思うこと。それは、「本人の意思を確認する時間をつくる」こと。「本当はどうしたい?」と、答えを急がず、何度か聞いてみることで、その子の本当の気持ちを確認することが大事だと感じています。そしてもう一つは、「必要ならルールを設ける」こと。やる気が見られないのに「やめない」と言う場合、進級に合わせて「あと3か月やってみて決めよう」や「家でも練習するなら続けよう」など、期限や約束をつくるのも一つの方法なのかなと思います。やめることを悪いことと捉えずに、「本人が選択しやすい環境」を整えてあげることが大事なのではないかと考えています。
続けることも、やめることも、どちらも経験
習い事は、人生を決めるものではありません。でも、「自分で選んだ」「自分で決めた」という経験は残ります。3月は、焦りや不安が出やすい時期。だからこそ、親の不安ではなく、子どもの意思を基準に「選択」ができるように。もし今、やめようと迷っているなら、「やめること」よりも「どうやめるか」を、少しだけ考えてみてほしいです。
数年後、街でばったり会ったとき。「先生〜!」と笑える記憶でありますように。そのために、今できることがきっとあるのだと思います。
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