更新 :
乾燥肌の強い味方!ヒルドイドシリーズについて薬剤師ママが解説
こんにちは!薬剤師のママとこどものおくすりやさんです。
春ももうすぐそこまで近づいていますが、まだまだ乾燥するお天気は続いており、お肌には厳しい季節ですね。
私自身アトピー性皮膚炎を患っているので、乾燥対策にはとても敏感なのです。
さて、今回は皮膚科でよく処方される乾燥肌の強い味方!ヒルドイドシリーズについて解説してみようと思います。
皆さん一度は見かけたことのある保湿剤だと思います。自分の薬であったり、子どもの薬であったり…。
2年前に一度ヒルドイドの記事は書いているのですが、名称や価格等が変更になっているところがあるので最新の情報をお伝えします。
ヒルドイドの効果は?
ヒルドイドの一般名はヘパリン類似物質といいます。とはいっても一般名とは何?と思う人が多いと思います。一般名とは有効成分の名前と思ってもらっていいでしょう。
ヒルドイドの効能効果は
1.血液凝固抑制作用
2.血流量増加作用
3.血腫消退促進作用
4.角質水分保持増強作用
5.線維芽細胞増殖抑制作用
なんだか難しい医療用語がズラリ。簡単に説明すると「血流をよくして水分を保持してくれる」作用といったところです。
広く知られている作用としては保湿剤としてが有名ですが、血流増加の作用もあるので冷えの改善や外傷の早期回復に使われることもあります。
ヒルドイドには4種類の剤型があります
ヒルドイドには下記の4種の剤型があります。
・ヒルドイドクリーム
・ヒルドイドソフト軟膏
・ヒルドイドローション
・ヒルドイドフォーム
これらをジェネリック医薬品と合わせて解説していきたいと思います!
が、ちょっとその前にジェネリック医薬品について簡単に説明します。
ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック医薬品は、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使っており、品質、効果、安全性が同等なお薬です。
さらに、製剤によって、飲み薬の場合では服用しやすいように大きさや味・香りなどを改良したり、塗り薬の場合では使用感や製剤サイズのラインアップが異なるジェネリック医薬品もあります。
また、新薬に比べ開発費が少ないために、新薬より低価格なものが多いです。
製剤名に関しては一般名がそのままジェネリック医薬品の名称になり、最後にメーカー名がついていることが多いです(例 ヘパリン類似物質クリーム「○○」※○○はメーカー名)。
ヒルドイドクリーム
《一般名(有効成分名)》
ヘパリン類似物質クリーム
《製剤サイズ》
チューブ(25g・50g)、ツボ(100g・500g)
《特徴》
・クリームなのでべたつかない
・今はだいぶ改善されているが、独特なにおいがあり(昔は私的にだいぶ臭かった…)
《ジェネリック医薬品情報》
・製剤名はヘパリン類似物質クリーム「○○」※○○はメーカー名
・過去に最も普及していた日医工から発売されているビーソフテンクリームは、現在ではヘパリン類似物質クリーム「日医工」へと製剤名が変わっています
《価格(3割負担)》
・ヒルドイドクリーム:チューブ1本25g約162円、50g約324円
・ヘパリン類似物質クリーム「日医工」チューブ1本25g約54円 等多数のジェネリック医薬品メーカーより販売あり
ちなみに、こちらはヒルドイドクリームのジェネリック医薬品のひとつビーソフテンクリーム。
まだ市場には出回っていますが、メーカーのほうでこの製剤名での販売は終了し、すでにヘパリン類似物質クリーム「日医工」への名称変更され製造販売されています。
ヒルドイドソフト軟膏
《一般名(有効成分名)》
ヘパリン類似物質油性クリーム
《製剤サイズ》
チューブ(25g・50g)、ツボ(100g・500g)
《特徴》
・クリームと軟膏の間の使用感だが、ほぼクリームに近い
・今は改善されているが、昔は独特なにおいがあった(個人的にはミスドのオールドファッションの甘さをとったような油のにおいがあった)
《ジェネリック医薬品情報》
・製剤名はヘパリン類似物質油性クリーム「○○」※○○はメーカー名
《価格(3割負担)》
・ヒルドイドソフト軟膏チューブ1本25g約162円、50g約324円
・ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」チューブ1本25g約56円
・ヘパリン類似物質油性クリーム「ニプロ」チューブ1本25g約33円 等多数のジェネリック医薬品メーカーより販売あり
ちなみに、こちらはヒルドイドソフト軟膏のジェネリック医薬品のひとつ。ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」のもの。
こちらはヒルドイドソフト軟膏のジェネリック医薬品のひとつ。ヘパリン類似物質油性クリーム「ニプロ」のもの。
ヒルドイドローション
《一般名(有効成分名)》
ヘパリン類似物質外用液
《製剤サイズ》
25g・50g容器
《特徴》
ヒルドイドローションは白くトロッとした乳液のような質感。
《ジェネリック医薬品》
・製剤名はヘパリン類似物質ローション「○○」※○○はメーカー名
先ほども書きましたが、先発品のヒルドイドローションは白く乳液のような質感。対してジェネリック医薬品の多くは透明でサラッとした化粧水のような質感となっています。
そのため、夏場などサッパリしたものが使いたいときはジェネリック、冬の乾燥している時期はヒルドイドローションと使い分けている人などもいます。
・過去に最も普及していた日医工から発売されているビーソフテンローションは、現在ではヘパリン類似物質外用液「日医工」へと商品名が変わっています
《価格(3割負担)》
・ヒルドイドローション1本25gで約162円、50gで324円
・ヘパリン類似物質ローション「日医工」1本50g約109円 等多数のジェネリック医薬品メーカーより販売あり
こちらはヒルドイドローションのジェネリック医薬品のひとつ。ヘパリン類似物質外用液「日医工」のもの。
ちなみに、左がヒルドイドローションで、右がジェネリック医薬品のヘパリン類似物質ローション「日医工」のものです。全く違いますね!
ヒルドイドフォーム
《一般名(有効成分名)》
ヘパリン類似物質外用スプレー
《製剤サイズ》
92g容器
《特徴》
・ヒルドイドシリーズの中で1番新しい剤型
・泡のような見た目と使用感
《ジェネリック医薬品情報》
・ジェネリックメーカーより似たようなタイプの製剤がありますが、ジェネリック医薬品であるか否かの立ち位置は、現段階ではグレーゾーン。
ヒルドイドフォームはこのような泡な感じです。使用する前によく振ることがポイントです。
ちなみに…ヘパリン類似物質外用スプレーとヘパリン類似物質泡状スプレーの違いは?
ちなみに、ヒルドイドの話と一旦切り離して、ヘパリン類似物質には先発医薬品のヒルドイドにはないタイプの剤型もあるのでその紹介です。
それは、ヘパリン類似物質外用スプレー(右)です。こちらは化粧水がポンプから液体としてでるイメージです。個人的にはあまり霧吹きのような感じはえられません。
対して、ヘパリン類似物質泡状スプレー「日医工」(左)はヒルドイドフォームと同じ泡状のもの。ジェネリック医薬品であるかはグレーゾーン。
ヒルドイドフォームは使用前に良く振りますが、こちらは使用前に振ってはいけません。
市販薬でも買うことができます!
ヒルドイドの成分ヘパリン類似物質は今や処方せんがなくてもドラックストアで買えるようになりました。
ヒルドイドと同じ、ヘパリン類似物質単独の成分のものや、かゆみどめなども配合されているものなど様々なものがあります。
効果は同じ成分なので処方せん薬とほぼ変わりないでしょう。ただ、すべての商品に共通していえることは処方せん薬と比較すると高い!!
例えば、同じ容量くらいでヒルドイドソフト軟膏は約162円なのに、市販薬は1000円以上する場合もあります。
ただし、病院で診察代をかけて、処方してもらい、薬局で薬代以外のもろもろの金額と合わせると市販薬のほう安価かもしれません。
保湿剤の適切な使い方。入浴後5分以内がカギ!
どの保湿剤にも共通して言えることは、入浴後5分以内に塗るのが効果的とされています。なぜなら、水分は5分で飛んでしまうからです。
また、2歳までに保湿を頑張って継続すると、アトピーなどの皮膚疾患も予防できるとの報告があります。
私自身アトピーのため、4歳の娘にはこの保湿方法を生まれたときから実践しています。そのおかげか、今のところ娘にアトピーの兆候はみられません。