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小児医療証があってもお薬代がかかる?2024年10月からの【選定療養】とは
薬局薬剤師のママとこどものおくすりやさんです。日本では、多くの自治体で小児医療費の助成が行われていることかと思います。わが家の住まいの横浜市でも数年前からやっと、所得関係なく高校3年生まで医療費が無料となりました。
ところが、この2024年10月から「小児医療証」を持っていても、お薬代がかかるかもしれない【選定療養】の制度が開始されました。先月(2024年9月)までは処方せんを薬局に提出する際、小児医療証があれば基本的にどのお薬でもお薬代の負担はありませんでした。
この【選定療養】制度の影響で、小児医療などの公費対象の患者さんにお薬代が発生したり、もしくは金額が高くなったりするので、薬局側では該当患者さんにその旨伝えることに非常に気を遣っています(汗)。
お薬代が発生する条件とは?
【選定療養】制度では、患者さんの希望でジェネリック医薬品ではなく先発品を選んだ際に、通常の保険負担以外に税込(10%)の特別料金が加算されることになりました。
将来的に国民皆保険制度を存続させるために、ジェネリック医薬品を使用して医療費を抑えましょうというのが狙いのようです。
特別料金が発生しない異例の条件とは?
ただし、副作用やアレルギー、効果など治療上先発品が必要だと医師が判断した際にこの特別料金はかかりません。また、薬局に該当するジェネリック医薬品を在庫していない場合も対象外となります。
全ての先発品が対象ではない
全ての先発品が対象というわけではありません。もともとジェネリック医薬品がないものはもちろん対象外です。自分の使っているお薬が特別料金対象になるかどうかは厚生労働省が出しているホームページから確認できます。
特別料金とはいくらなのか?
さて、気になる特別料金は一体いくらなのか?なのですが、これは個々によって違います。正確には先発品の種類や量によって変わってきます。特別料金の計算方法は複雑なのであえてこちらでは紹介しません。(私も1回で覚えられない。汗)気になるときはかかりつけの薬局で教えてもらうのがベストでしょう。
ちなみにあの「ヒルドイド」も対象です
あの保湿で大人気の「ヒルドイド」も対象になりますのでご注意を!
ヒルドイドシリーズの中でも乳液タイプのヒルドイドローションですが、こちらはつい最近まで、同じ乳液タイプのジェネリック医薬品は存在していませんでした。(どのメーカーも化粧水タイプ)
ところが!今年の6月についに!日東メディック株式会社から、同じ乳液タイプの「ヘパリン類似物質ローション(NIT)」が発売されました。使用感は先発品のヒルドイドローションとほとんど変わりないです。以前、この内容について記事を書いています。リンク貼っておきますので参考にしてください。
気になる特別料金はかかりつけの薬局で確認してもらいましょう。