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株式投資先の会社が買収されることになった。売りかホールドかの考え方
半年あまり前に購入した株が買収されることになり、株価が上がりました。このような場合に株式を売却するか、継続保持するか、決断方法を考えました。
1通の手紙
数日前、A4の封筒が郵便で送られてきました。赤字で「公開買付関係書類 在中」と書かれています。封筒を開けて中を見てみると…株主あての公開買付けの説明資料が入っていました。
なんだこれ?と思って会社名をインターネットで検索してみると、ニュース記事が出ていました。
M&A業界で驚きの大型M&A、「助言」国内最大手のGCAが米企業の傘下に
短くまとめると、「海外企業が私の投資している会社を買収するため、株式市場より高い価格で株を買い取ってくれる」ということです。企業の買収はM&Aと呼ばれ、株式公開買い付けはTOBと呼ばれます。
今回は少額投資非課税制度、つまりNISAで購入した株でした。つまり「NISAの株がM&AでTOBされた」ということです。…より分かりにくくなってたらすみません。
ちなみに今回の買収はアメリカ企業によるもので、買収される側の日本企業(GCA)も推奨している、有効的TOBとのことです。TOBなんて銀行員が主役の日曜劇場くらい縁遠い世界かと思っていましたが、一気に身近になりました。
買収が決まると株価はどうなるのか
買収される側の企業の株価はこのようになっています。
クネクネしている先が株価の変化で、左端が半年前、右端が直近の株価です。ものすごく簡単に言うと、先が右上がりになると儲かる、ということになります。
半年前から先月7月までは上下動を繰り返しながら緩やかに上っているという感じでした。
しかし8月始めに株式公開買い付けが始まった途端、そり立つ壁のように急上昇しています。
その後、ある価格で平行線になっています。ある価格というのは買収先企業が提示した公開買付け価格です。厳密には、公開買付け価格が1株あたり1380円、そして株価が1378円前後で推移しています。
売りかホールドかの選択肢
ここで気になるのは、手持ちの株を売るか否かです。
売却方法
売る方法は2つあります。
1.公開買付けに応募して1380円で売る
2.株式市場で売る
公開買付けは固定価格、株式市場は変動価格です。そしてほとんどの場合、買付け価格の方が高いです。
今後の株価
次に今後の行方を考えます。
1.公開買付け成功→上場廃止→株式価値判定不能
2.公開買付け失敗→買付け価格アップ→株価上昇
3.公開買付け失敗→買付け断念→株価下落
つまり株を売らずにホールドし続けると、価値が上がる可能性も下がるもあります。
売りかホールドかの決断
1日ほど考えた末、「株式市場で売る」ことにしました。
売ることにした理由
公開買付けが成功した場合、投資先企業は上場廃止となり、保有株式を自由に売り買いすることができなくなるためです。
100%買収を目的とした今回の場合、株式全体の2/3以上の取得に成功すると事実上の買収成功となり、残りの株式はスクイーズアウトという手法で合法的かつ強制的に株式を手放すことになります。
もちろんタダで取り上げられることはありませんが、買取額に不満がある際は訴訟を起こして買収企業と争うことになります。公開買付け失敗で買付け価格アップの可能性もありますが、成功で上場廃止のリスクは見過ごせません。
株式市場で売ることにした理由
今回は公開買付けには応募せず、株式市場で売ることにしました。理由は単純に、手続きが楽だからです。
公開買付けに応募する場合、買収幹事の証券会社で手続きをすることになり、その会社の証券口座も必要になります。オンラインでの手続きもできないので、面倒です。
一方で株式市場で売る場合の価格差はほんの数円、1%未満です。
公開買付け終了間近になると株式市場での株式流通量が減って株価が不安定になる、むしろ下がっていく可能性が高いため、さっさと売ることにしました。
株式市場で株を売った結果
成り行き方式で売却注文したところ、1378円で売れました。これで上場廃止のリスクとはおさらばです。
取得価格は751円だったので、1378円 / 751円 x 100% = 183%(8割増し)です。
8カ月あまりの投資期間で8割増しは驚きの上昇率です。(銀行預金だと1年間でだいたい0.0001割増えます)。
今回の投資は運良く大幅な利益が出ました。
ちなみに、個人的な投資全体では良い成績とは程遠いです。なにせ今回の株も、NISAで買ったのは当初10年保有し続ける予定でしたから…
家計を楽にするには、仕事と資産運用の2本立て