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気づいてた?薬局でもらう薬に1錠シートがないやさしい理由【調剤薬局の舞台裏】
実際に薬局で働いていて気づいたことなど書いています!
こんにちは。姉妹の母で薬剤師のママとこどものおくすりやさんです。今回もまた【調剤薬局の舞台裏】シリーズを書かせていただきます。
この【調剤薬局の舞台裏】のブログは、私が実際に薬局で仕事をしていて気づいたこと、こんなことをブログに書いたらおもしろいかなということについて書いています。今回で4回目となり、勝手にシリーズ化させてもらっています(笑)。
「1錠シート」が薬の中に入っていないことにお気づきですか?
薬局でもらう錠剤の薬の中に、「1錠シート」といういわゆる1錠のみのシートがほとんど混在していないことにお気づきでしょうか?ちょっと分かりずらいと思いますので、具体例を挙げますね。
例)1回1錠 1日3回 7日分の飲み薬(計21錠)が処方されました
我々薬剤師は、「10錠シート2枚・1錠で計21錠」という組み合わせで用意することはほとんどありません。1錠を使わないように、「10錠シート1枚・5錠・6錠」だったり、「10錠シート1枚・8錠・3錠」だったりとあえて組み合わせが難しいセットで用意します。
下の写真のような「10錠シート2枚・1錠」この組み合わせはほとんどしません。
下の写真のような「10錠シート1枚・5錠・6錠」この組み合わせはOK。
下の写真のような「10錠シート1枚・8錠・3錠」この組み合わせもOK。ここに我々薬剤師の、飲む人にとってのやさしい気遣いが隠されています。
やさしい気遣い、それは??
それは、高齢の人にありがちなのですが、「1錠シート」を混在してしまうとシートから薬を出さずに誤ってそのまま飲んでしまう人がいらっしゃるんです。
まさか!そんなこと!と思いがちですが、実際にこういった事例の報告がちらほらあります。私が今まで薬を渡してきた患者さんの中にも、やはりいらっしゃいました。
その人は幸いにも大事に至らなかったようで、本人は笑い飛ばして話をしていましたが、本当に危ない行為です。シートの角がのどや食道に刺さり、傷ついて大惨事になることもあります。
お薬の説明書にもこの件についてご丁寧にも注意喚起の内容が記載されています。また、ご高齢の方だけでなく、飲み慣れている人も注意です。
些細なことでも患者さんのために!
そのため、あえて組み合わせの難しいセットで用意し、なるべく「1錠シート」でお渡ししないようにしています(お渡し後、本人がバラバラにしてしまうところまでは管理できないんですけどね汗)。
全ての薬局がこのような調剤をしているとは限りませんが、少なくとも私が勤めた薬局は全てこのようなルールがありました。また、ルールはなくても自ずとこのように薬を用意する薬剤師が多い印象を受けます。薬の組み合わせがキレイにまとまっていないのはこのためなのです。
薬を受け取る際には、一緒に数えてもらえるとありがたいです!