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もし望遠鏡を覗いてみたら、実際どんなふうに星が見えるの?
私は普段、星空ツアースタッフとして子どもたちに望遠鏡を使って星空案内をしているのですが、そこで日々感じることがあります。
「望遠鏡のハードルって高い!!」
望遠鏡で星を見たことがある人(大人も子どもも)がとっても少ない一方で、「いつか望遠鏡で星を見てみたいなぁ」っていう人はとっても多いのです。
そこで今回は、もし望遠鏡を覗いたら、実際どんなふうに星が見えるの?というお話をしようと思います。
テレビや本で見るのと同じように見えるの!?
これもよく聞かれますが、残念ながら同じようには見えません…。私たちが家庭用として気軽に楽しめる望遠鏡では、対象となる星があまりにも遠くて小さな点に見えるものがほとんどです。でも!!「うわ~!!!すごい~!!」と皆が熱狂する星もあります!!(以下全て星空ツアーで使用する一般的な初心者向け望遠鏡を想定 口径10cm)
望遠鏡デビューするなら絶対見てほしい星!
それは「お月様」!!!
お月様はクレーターのボコボコまでしっかり見えます!
一番オススメなのは「欠けてるお月様」。えっ!?満月じゃないの!?と思うかもしれません。
実は満月は明るすぎて逆にクレーターが見えにくくなってしまうのです。倍率をあげて視野いっぱいに満月を入れると、眩しすぎて目が痛くなるほどの明るさです。欠けている状態であれば影の部分ができるので、その陰付近のクレーターがくっきりと見えます。
家庭用望遠鏡でも、環が見えちゃう星!
環っかがあることで有名な土星。なんとこちらも望遠鏡で環が見えます!ただ、テレビや写真のような環の縞模様まで見えるわけではなく、小さなビーズに棒が刺さっているようなイメージです。(※その年によって環の角度が変わりますが今年は棒っぽく見えます)それでも棒のように見える部分が環っかだというのがちゃんとわかるので、その超ミニチュア土星を見て「かわいい~!!」という声が飛び交います。
家庭用望遠鏡でも、衛星が見えちゃう星!
なんと木星は、条件が良ければ最大4つの衛星が見えます。木星自体は土星同様小さなビーズくらいで、衛星は点です。木星は縞模様が見えることも多いです。思ったより小粒な見え味ですが、「木星の衛星が見えた!」という感動で、参加者からは「すごい!!」という声があがります。
銀河とか星団とかも見えるの!?
銀河クラスになるとあまりにも遠すぎて、地球が所属する天の川銀河のお隣の銀河を覗いてみても、もや~っとした雲みたいに見えるくらいです。子どもたちは「何これ??」状態で反応が薄い(笑)。星の集まりである星団なら、星が密集しているかんじがわかるので、「うわ~きれい~!!」となります。チリやガスでできた星雲も見えるものがありますが、鮮やかな七色に見えるということはなく、色味はあまり感じられないかもしれません。
普通の星はどんなふうに見える?
小学校で習う夏の大三角、ベガ、アルタイル、デネブ、などの有名な1等星でも「点」です。点にしか見えませんが、星の色はわかります!青っぽかったり赤っぽかったり、色の違いを楽しめます。(写真はぼけてしまっていますが色の違いがわかります)
ここまで望遠鏡でどんなふうに見えるかお話してきました。また機会があれば、手ぶらで気軽に楽しめる星空観察のお話もできたらいいな、と思っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。