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親子でシネマ『ロボット・ドリームズ』
映画ライターの杉本結です。
子どもと一緒に映画をみて、親目線と子ども目線(4才年少息子、6才小1娘)それぞれの感想や鑑賞時の様子をレポートする『親子でシネマ』
今回は2024年第96回アカデミーショー長編アニメ映画賞で『君たちはどう生きるか』が受賞したときに一緒にノミネートされていたスペインの作品『ロボット・ドリームズ』をご紹介したいと思います。
ストーリー
ひとりぼっちでさみしい気持ちだったイヌがある日、友達ロボットを購入します。
ロボットと徐々に心を通わせ2人の間に友情が芽生えてゆく姿を季節の移り変わりとNYの景色と共に楽しめます。
そんな2人にある悲劇がおこります。
そこから、移りゆく季節を再会を夢みて別々の生活を送ります。
果たして、二人は再会出来るのか…。
スペインの映画は不安?
中心となる登場人物はイヌとロボット。
ストーリーはとてもシンプルなので子どもでも作品の世界に没入しやすいと思います。
スペインのアニメなんてみたことないし子どもにわかるかな?と心配になる親も多いと思います。
この作品「台詞はありません!」
一緒に鑑賞した4才の息子はまだ字幕も読めません。
だけど、台詞がないことで絵を見ることに集中できるため食い入るように鑑賞していました。
娘もこれは夢なのか?現実なのか?と思うシーンが登場するのですが場面が進むにつれて段々と理解して
「これは夢だったのか…。」
と鑑賞中につぶやいていました。
また、息子はなんと鑑賞中に涙を流す場面も!
ロボットに感情移入してみていたのかな?
ふと隣にいた息子を見たときに涙を流しながら映画を見ているのをみてこんなに物事を理解できるようになったのかと驚きと嬉しさがありました。
スペインのアニメーション映画でも全く問題なく、むしろ楽しんで鑑賞していました。
鑑賞後、二人とも「もう一度みたい!」と言うほど気に入っていました。
娘はあっという間だったと言っていました。
子どもにとって102分ほどよい時間だと思います。
ドラえもんなどと同じくらいの時間です。
大人の感想
正直な話、この手の作品って大人向けになりがちなのかと鑑賞前は思っていました。
というのも、本作を手がけたパブロ・ベルヘル監督は2012年『ブランカニエベス』でスペインのアカデミー賞と称されるゴヤ賞で作品賞を含む10部門を受賞しました。そして50部門を超える世界各国の主要な映画賞を獲得しています。アカデミー賞外国語映画賞のスペイン代表作品にも選出されました。私も本当に大好きな作品で、スペイン版白雪姫といわれる作品です。
実写映画を撮っていた監督の作るアニメーション作品ということでどのような作品なのかずっと気になる作品でした。
まさか、台詞がないとは鑑賞中にびっくりしました。
映画好きからすると、途中で「オズの魔法使い」やハロウィンの仮装シーンである映画の仮装があったり映画愛あふれる作品だと思いました。
友情とはというテーマの中でこれは子どもから大人まで老若男女とわず楽しめる作品だと思いました。
子どもとみれて良かったです。
子どもの心の成長を感じることの出来る機会になりました。
極論にはなりますが、思いを伝えることに言葉は必要ないのかもしれない。
家族みんなで楽しむことができました。
このような機会をいただきありがとうございました。
作品紹介
『ロボット・ドリームズ』
11月8日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督・脚本:パブロ・ベルヘル
原作:サラ・バロン
配給:クロックワークス
2023/スペイン・フランス/102分
(C)2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL
『ロボット・ドリームズ』親子で楽しめる作品です。
ぜひ劇場でお楽しみください!