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すべての出産におめでとうと言いたい。流産・死産に寄り添ってくれた本
毎年10月9日~15日は、Baby Loss Awareness Week 。
亡くなった赤ちゃんとご家族に想いを寄せる、国際的な啓発週間です。
わたしも過去に、妊娠21週で赤ちゃんを産みました。
赤ちゃんは生きていましたが、絨毛膜下血腫による感染で陣痛がきてしまい、出産することに。
「22週の壁」とも言われ、それ以前の週数で生まれた赤ちゃんは、医療的サポートを受けられず、流産という扱いになってしまいます。
とてもかなしい出来事でした。
週数は違えど、流産や死産を経験した方はけっこういらっしゃると思います。
しかし出産のように「おめでとう!」と言われないし、励ましに傷つくかもしれないしで、なかなか人に話せないこと。
ひとりで抱えるのがつらかったとき、わたしを救ってくれたのはやはり「本」でした。
「小夏を探す旅」
著者の川上夏子さんは、臨月まであと二週間の頃、子宮内胎児死亡と告げられます。
妊娠34週での出産。
わたしとは週数も、原因もちがう死産ですが、この本を書いてくださったことにとても感謝しています。
当時、わたしは "流産や死産をした人がその後どのように過ごしていったか" を知りたくてたまりませんでした。
この悲しみは一生続くのかな、と絶望していたからです。
この本を読んで、ページのところどころに、救われる言葉がたくさんありました。
「かわいい夫」
この著者の山崎ナオコーラさんも、流産経験者のひとり。
それをテーマにした本ではなく、ほのぼのとした愛夫家のエッセイですが、その中に流産や父の死、再びの妊娠などの日々がえがかれています。
この本が好きだったことを思い出して、流産してからもう一度読み、癒されました。
わたしが持っているのは単行本で、みつはしちかこさんのイラストが表紙。
今は文庫本も出ていて、そちらはヨシタケシンスケさんが表紙を描いています。
その後、もう一度妊娠してから、同じ山崎ナオコーラさんの「母ではなくて、親になる」も読みました。
流産してからの妊娠出産、とても参考になりました。
「そういうふうにできている」
ちびまる子ちゃんの、さくらもももこさん著。
この本も流産・死産のことは描かれていませんが、とにかく妊娠出産の話がおもしろい。
暗い気持ちの時に、幸せな出産の話を読むのはつらいのかな・・・と一瞬思いましたが、読んでおおいに笑いました!
もしまた妊娠することができたら、この本のことを思い出して(もしくは読みながら)、明るく挑みたいなと思ったきっかけの本。
本が寄り添ってくれますように
ほかにも、支えられた本はたくさんあります。
誰かに話すと、どんな言葉が返ってくるかわからない不安、なんでもない言葉に傷つく可能性を考えてしまったわたし。
でも本なら、もし傷つくような言葉があったり、読みたくないなと思ったら、そっと本を閉じればいい。
そしてわたしは流産の1年少しあと、なんとか無事に息子を出産しました。
その頃には、流産を思い出して毎晩泣くようなことはなくなっていました。
それでもやっぱりあの日のことは、今でも鮮明に思い出せます。
つらい思いを抱えているママさんに、これらの本が寄り添ってくれることを願って。
そしてどんなに小さくても、うまれた赤ちゃんとお母さん、その家族に「おめでとう」とわたしは言いたいです。