更新 :
はじめての「幼稚園行きたくない」年中息子の葛藤と私が学んだこと
これまで物事の変化に対して、柔軟に対応できてきたわが家の長男。しかし年中クラスへ進級してから、「友達がいないから幼稚園行きたくない」と言い出しました。息子のはじめての登園しぶりに、私が動揺し…。
今回は、そんな息子が楽しく幼稚園へ通えるようになるまでの親の思いと学んだことを紹介します。
2020年の自粛明け久々に登園した息子
2019年はわが家にとって、大きな変化がたくさんあった年でした。1月に次男が産まれ、2月に住み慣れた賃貸住宅からマイホームへの引っ越し、さらに4月には長男の幼稚園入園。そんな変化の激しい状況でも、当時3歳の長男はとても柔軟に対応していました。その姿にわが子ながら、すごいなぁと感心していたのです。
それから1年、新型コロナウイルスの大流行で、2020年の3月~5月は自宅で長い時間を過ごしました。進級し年中になった4月から登園しているクラスメイトもいましたが、長男が初めて登園したのは6月でした。
登園した初日、帰宅後に長男は「幼稚園に行きたくないなぁ。家で遊びたい」とひとこと。楽観的な私は、「自粛期間中、楽しくステイホームできてたってことかな」とうれしい気持ちでいたのです。
「友達がいないから、幼稚園へ行きたくない」と言われ
しかし登園から4日目の帰宅後、息子は「友達がいないから、幼稚園へ行きたくない」と私の目を見てはっきり言いました。
もともと楽観的な私ですが、この言葉を聞いた時はとても心配になりました。しかし、なんと返答するのが息子にとってベストなのかわからず、その場では「そうなんだぁ」と同調することしかできませんでした。
登園初日の帰宅後に「幼稚園へ行きたくない」と言った時、もっときちんと取り合っていればこんなことにならなかったのかな? 6月まで登園自粛をさせてしまって友達の輪に入れないのかな? 友達に仲間はずれにされているのかな?
初めての息子の言動に、いろいろなことが頭の中をぐるぐる回りました。
夫に相談し、夫婦で決めたこと
その晩、夫に不安な気持ちをひと通り話して相談すると、多少不安が和らぎました。そして夫婦で冷静に、今後の対応を考えました。
【夫と話し合って決めたことは3つ】
ひとつ目は園での息子の様子を知りたいからといって、勝手に先生に連絡をしたり、いきなり園に様子を見に行かないこと。必ず息子に相談し、息子の了解を得てから動くことにしました。
2つ目は息子の意思を尊重すること。わが家は夫婦ともにフルタイム勤務のため、息子の「休みたい」などの要望に、即時対応できるわけではありません。しかし息子が考えて出した答えは尊重し、できる限り寄り添う努力をしようと決めました。
そして3つ目は、息子を信じて、息子が自分自身で行動を起こすまで待つこと。
この3つ目を守ることは私にとって、とても難しかったです。
担任の先生に相談してみることに
幼稚園へ行きたくないと言い始めてから1週間ほどは、息子の様子を注意して見守っていました。しかし息子から聞く、幼稚園での過ごし方はあまり変わらず、毎朝ホームルームの時間は職員室で過ごしている様子。
「ホームルームに出てみたら?」と声かけしてみたこともありますが、「ん~、いいや」という返事。そんな登園の仕方が続く中、私自身、何かを進展させたいという気持ちが強くなりました。
そこで思い切って息子へ「ママ、ホームルームに参加してみてほしいから、S先生にホームルームに誘ってもらうようにお願いしてもいいかな」と聞いてみました。すると意外にも「いいよ!」と即答した息子。そこで、「幼稚園に行きたくない」と言い出してから初めて担任の先生と電話で話をすることになりました。
【園での息子の生活は】
先生に「ホームルーム前に息子を誘ってほしい」というお願いすると、快く承諾してくれました。
また私の不安な気持ちを察してくれたのか、園での息子の様子を細かく教えてくれました。毎朝職員室で自分の仕事のように、バス担当の先生と配車を考えていること。その配車表が完成したら、クラスへ見せにきてくれること。またその配車表に興味をもったお友達に、説明をしてあげていること…そんな内容を教えてもらいホッとしたのを今でも覚えています。
気持ちが焦っていた私でしたが、先生と話したおかげで、また息子を信じて待ってみようと思えました。
突然起きた息子の変化
電話の翌日からは先生がホームルーム前に職員室へ誘いにきてくれたようですが、息子はその誘いを断り続け、ホームルームに参加しない日がさらに1週間ほど続いたようでした。
しかしある日突然、「今日はホームルームに参加してみたよ」と息子から報告が。そのあとからは、特定の友達の名前も聞くようになりました。そしていつの間にか「明日は幼稚園でKとFと〇〇する予定だから輪ゴムちょうだい」など、先の予定を約束する友達(息子いわく「仲間」らしい)ができていました。
その後、息子の誕生会で幼稚園へ行くと、仲間と一緒に元気に草むらで虫捕りをする息子の姿がありました。
息子が虫を捕まえると、仲間が虫を入れるケース(プリンカップを合わせたもの)を準備してくれ、また、もうひとりが「エサになるかな?」と木の実を持ってきてくれ、それはもう阿吽の呼吸でした。
今回のことで感じたこと、学んだこと
今回の一件を受け、私は母親としての未熟さを痛感しました。
「ホームルームには参加していないけれど、その代わりに息子にとって、何か大切なことを学んでいる」「友達なら誰でもよいわけではなく、大切にできる仲間を見つけるために、友達作りに時間がかかっている」と、息子を信じて見守ることができれば、あそこまで心配し、不安になることはなかったと思います。そして、振り返ってみると、先生への相談とお願いは、私が安心するために行ったことであり、息子のことを考えての行動ではなかったと反省しています。
また今回のケースでは、子どものことを信じて待つことが大事と感じましたが、場合によっては早めに園の先生に相談することが解決の近道になる場合もあると思います。そこの判断は難しいですが、母親だからこそ感じる部分を大事に、その都度判断していきたいです。
これからも、子どものことで頭を悩ませることが多々あると思いますが、本当の意味で息子を信じていける母親になりたいと強く思えた出来事でした。