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【映画】子どもの抱える問題について考える「ぼくらのよあけ」
今年のアニメーション映画の傾向として今の自分のいる環境になんらかの不満や不安というマイナスな感情をもった登場人物が過去や未来に旅をするようなSFファンタジーが連発しています。
そして、今回紹介する「ぼくらのよあけ」は小学生の主人公が宇宙という広大な世界と関わることに。
アニメーション映画で小学生の子ども達が主人公ではあるものの内容は以外と大人に向けたメッセージ性の強い作品だったので今回は娘と一緒に試写企画はお休み。
SFということで宇宙へのわくわく感はもちろんですが、
これから自分の子どもが小学生になってデジタル社会の中で起こるいじめ問題についても考えさせられる作品でした。
あらすじ
西暦2049年の阿佐ヶ谷団地を舞台に小学校4年生の沢渡悠真は、まもなく地球に接近するという”SH3・アールヴィル彗星”に夢中になっていた。
そんな時、沢渡家の人工知能搭載型家庭用ロボットのナナコが未知の存在にハッキングされるという事件が起こる。
ハッキングをしたのは宇宙からやってきた謎の存在で、2022年にトラブルが起き故障してから団地の1棟に擬態して休眠していたという。
そして、子ども達は極秘ミッションをすることに・・・。
ナナコが可愛い!
家庭用のお世話ロボットがいることが主流になっている時代という設定。
いってみれば一家に一台ドラえもん!
困ったことを頼んだらやったり、調べたりしてくれるし子どもの遊び相手のような感覚を親がもっている設定。
ロボットも指示されたことだけをするはずなのに自分の感情みたいなものがうまれてご主人様のいいつけに反して嘘をついてしまったことに葛藤したりする場面が印象的。
今後、家電が進化していく中でどのように生活に溶け込んでいくのか模索するとやっぱり、家族の人数も少なくなる傾向が止らないとなると、話し相手であったり身の安全を見守ってくれたり、時には兄弟のような役割をロボットに求めるようになっていくのかもしれない。
SNSを利用した「いじめ問題」
本作の中で登場するSNSを利用したいじめ。
キーパーソンとなる女の子がクラスにはなじめずにいて、友達からSNSをブロックされてしまうというシーンがでてきます。
先日、テレビをみていた時に
「SNSのアカウントをフォローしあうことが友達の証のような感覚」
と高校生が話しているのをみました。
そうなってくると、クラスの大半からブロックされてしまった時に子どもはどんな気持ちになるのだろう。
自分の知らないところで撮られた1枚の写真が拡散されたり、今では秘密の話だと思っていても容易に録音したりも出来てしまう。
怖いことも多い世の中だから子どもに携帯電話を持たせる家庭も多いと思います。
携帯電話は便利だけれど、なにが良くて、なにがいけないことなのか大人が子どもに教える時間を今後作っていく必要があるように感じました。
作品詳細
■タイトル:『ぼくらのよあけ』
■公開表記:10月21日(金)全国公開
■配給:ギャガ/エイベックス・ピクチャーズ
■コピーライト:(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会
まとめ
SF作品のドキドキわくわくがつまった作品でした。
これからデジタル社会がどんどん進行していくなかで「OK、Google」なんて言葉とは無縁で、YouTubeさえ全くみない我が家にとっては夢の世界?ってくらい遠い未来の話に感じました。
ですが、家中を便利にデジタル管理しているお友達の家に行くとそこにはもう便利すぎる生活が広がっていてもうすでにこんなものも実在するんだといつも関心しています。
便利になることと比例して危険も隣り合わせにいることも忘れてはいけません。
アナログは今後不便に感じるかもしれないけれど、おばあちゃんの知恵袋的な存在として残していきたいところでもあるように思います。
(最近の文明の進化に追いつけていないだけ)
そして、子どもがいる親は考えさせられることの多い作品に感じました。
子どもはどんどん成長すると行動範囲が広がっていきます。
どこまで小学生の子どもに1人で冒険させてもいいのかな。
事件も多い世の中です。
慎重にもなります。だけど、可愛い子には旅をさせろなんて言葉もありますし、はじめてのお使いとかさせてみたい!
結構遠くまで交通機関を利用して移動する子ども達のシーンを見ながらそんなことを考えてみたり、上記でも書きましたがSNSを利用したいじめ問題だったり・・・
これからどうしたらいいのかな?とたくさん考えました。
怖がっているだけではなにも解決出来ません。
少しでも考える時間を増やして自分なりの答えをみつけてみたり、家庭で話題にするきっかけにぴったりの映画体験だと思える作品でした。