更新 :
育休中でも難関資格・FP1級学科試験に合格できたメソッド
育休中にパラレルキャリアでぎゅってブロガー/ワーキングマザーの会運営をしている2児の母、うかたそです。先日、資格試験に挑戦したことについて書きましたが、なんと合格していました!
「育休中にFP2級にチャレンジ!」という話は意外とよく聞きますが、1級はほとんど聞いたことがありません。
それもそのはず。1級は、「2級取得済み、かつFP業務の実務経験1年以上」か「実務経験5年以上」に該当しないと、そもそも受検することすらできないのです。
ある程度のふるいがかけられた試験で、受検生のレベルも一定以上であるにも関わらず、合格率は毎回10%前後。(私が受検した回の合格率は、13%でした)
決して簡単ではないこの試験に、どのように合格したのか。自分の体験談をここに記しておきたいと思います!
学習スケジュール
私の合格までのスケジュールは、こんな感じでした。
2023年1月 受検を決意
2023年3月末 本格的に勉強を開始
TACテキスト「合格トレーニング」の周回
応用編の対策を重点的に始める
2023年4月 過去5回分くらいの過去問を中心に解く
2023年5月 1回目の受検 →自己採点ですぐに不合格と分かる
2023年6月 気を取り直し、勉強再開
基礎編の強化が鍵と考え、基礎編の過去問を集中して解き始める
2023年8月 「FPキャンプ」の教材をやり込む、模試に挑戦
2023年9月 2回目の受検 →自己採点でボーダー
2023年10月 合格発表で【合格】
3月、まずは合格した方のブログを読み漁り、最低でも計300時間は勉強時間が必要と考え、月に150時間程度勉強することを目標に試験までの2ヶ月勉強しました。
勉強習慣がなかったため、はじめは1日2時間勉強するのも精一杯でしたが、時間を計って直近の過去問を模擬試験形式で解いたところ、全く得点できず・・・。ここで、ようやくお尻に火が付きました。5月に1回目の挑戦をし、300時間弱の勉強量で受検に臨みましたが、惨敗。
短期集中合格を目指していたので犠牲にしたものも多く、かなり落ち込みました。そこから何とか気持ちを立て直し、また月100時間程度積み上げて、トータル700時間弱勉強し、9月開催の試験(2回目の受検)で合格できました。
使用したテキスト・サービス
テキスト以外は、ど定番のものばかりです。
テキスト:アーティスソリューションズ「1級FP技能士資格対策学習テキスト上中下巻」(会社支給)
問題集:TAC「合格トレーニングFP技能士1級」
通信講座:FPキャンプ
動画・webサービス:YouTubeほんださんのチャンネル・梶谷美果先生のチャンネル、過去問道場FP1級ドットコム
その他:ビジネス教育出版社の模擬試験、FP1級シケタイ委員会、FP Wiki
受検料を除くと、トータルで4万円弱は課金したと思います。
ボロボロになるまで愛用したアーティスソリューションズの「1級FP技能士資格対策学習テキスト」。なんと索引がない!!なので、付箋をつけまくりました。
(私は会社支給のテキストだったのでこれを使いましたが、一般的には索引のあるテキストがお勧めです)
通称「鈍器」こと、TACの問題集「合格トレーニングFP技能士1級」。持ち歩くのが大変なので、分冊化しました。こちらもボロボロ。5〜6周するのはもはや常識だそうです。
時間の捻出方法
0歳の子供を育てながらの勉強なので、特に時間の捻出については工夫しました。皆さんご存知のとおり、赤子を育てていると1日トータル5~6時間程度授乳する必要がありますが、それを逆手にとりました。授乳中の赤子は夢見心地でウトウトしてくれるので、その時間を勉強時間に充てるようにしたのです。
厚手のしっかりめの授乳クッション(エルゴのがお勧め)の上に赤子を乗せると両手が空くので、日中は授乳しながら応用編の問題を解きました。
夜間や早朝の授乳は、寝室で暗闇の中行うので、家族を起こさないようスマホを片手に、過去問サイト「過去問道場FP1級ドットコム」で基礎編の問題を解きまくりました。
子供の眠りが浅く、スマホの明かりで起きてしまいそうな時は、スマホの明かりを落とし、Web学習サービス「FPキャンプ」の読み上げ動画の音声を聞き流したりもしました。
とにかく、少しでも時間があれば勉強!スマホでSNSのパトロールをしている暇があったら、勉強!という感じでストイックに取り組みました。
メンタルコントロール
学習にあたり、一番の難所だったのが、メンタルコントロール。
「これだけ勉強しても、落ちる人は落ちるって言うし・・・」
「もしかして勉強方法が間違っているのでは・・・?」
など、考えれば考えるほど不安になっていきます。この弱気な気持ちに打ち勝つことが、本当に難しかったです。
特にFPのような重箱の隅をつつく問題は、勉強をすればするほど、解けない問題や分からない問題が増えていきます。なぜかというと、半端に知識がつくことで、似たような特例や制度に惑わされるようになるからです。
これを解消するには、正しい知識をしっかり定着させるために地道に問題を解き続ける必要があります。地道な作業を続けるモチベーションを維持するために特に役立ったのは、ほんださんのYouTubeチャンネル(学習動画ではなく、思考法などの動画)やTwitterでの1級受検生仲間との交流です。
特に試験直前にアップされるほんださんの参拝動画には、試験前の一番不安定な精神状態によく効き、励まされました。
犠牲にしたもの
育休中なので同じく育休中の同僚からのランチの誘いや、産院や区の施設などで知り合ったママ友からのお出かけの誘いなど誘惑が多かったです。しかし、強い心を持って「試験があるから」と断り続けました。
LINEの返信時間も積もり積もると大きな時間になりロスが大きいので、人と会わないだけでなく、連絡をとることもやめました。夫にも協力してもらい、休日はできる限り子供たちを連れて外出してもらうか、自分が外出するかして勉強時間を確保しました。
赤ちゃんには申し訳ないですが、自治体の健診や予防接種など最低限のことだけ済ませ、子育て広場への連れ出しなどはすべてシッターに任せました。
その代償として、生後7~9ヶ月ごろの子供の成長をあまりじっくり見守れなかったのは残念だったな、と思っています。(これで落ちていたら目も当てられませんでした)
逆に睡眠時間は絶対に削りませんでした。日々、体調管理には気を付けていました。
勉強を通して得た副産物
資格取得のための勉強を通して、意図せず得たものがふたつあります。
まずひとつは、5歳の子供に「母親が勉強をする姿勢」を見せることができたことです。‟ママが「えふぴー」の勉強をしている、とても必死になって頑張っている、勉強できる環境を作れるようパパが協力している”という構図は、どんな絵本にも、どんなファミリーアニメにもでてこない家族の姿です。
「学校に行っていなくても学び続ける大人」
「赤ちゃんを育てていても勉強を諦めない母親」
こういう家族もあるんだということを実感してもらえたのは、多様な家族のあり方を知ってもらうという点において意味があったかなと思います。
もうひとつは、家を購入する際に知識が役立ったことです。
9月試験終了後にたまたま良い物件にめぐりあうことができ、先月、家を購入することにしたのですが、「銀行の借入れ」「住宅ローン控除」「親からの資金援助」など検討する中で、テキストに出てきたキーワードがバンバン出てきて、笑ってしまうくらい1級知識が役に立ちました。
FP1級の勉強をしていなかったら、不動産屋さんに言われるがまま、無知な顧客のまま家を購入していたと思います。購入にまつわるお金回りのことを自分で意思決定できる力がついて良かったなと心底実感しました。
最後に
1級の勉強はよく言われるように「沼」です。合格のためには勉強の質・量ともに確保する必要があります。「量」は強い心をもちさえすれば努力でなんとかなりますが、「質」はがむしゃらな努力ではどうにもならないことがあります。「質」を担保するためには、ある程度の課金はやはり必要なものなのだと思います。
また、勉強しても勉強しても過去問や模試の間違いがゼロにならず、不安になることもあるかもしれません。でも、諦めず頑張り続けた自分を信じて、積み重ねていくことが大切だと思います。積み重ねた先に必ず合格があります。
私自身もまだ学科に合格しただけで、年明けには実技という名の面接試験があります。私も頑張り続けます。もし、この記事を読んで1級に挑戦しようか考えている方がいらっしゃったら、背中を押します。私と一緒に走り続けましょう!!