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子どもがアイドルになりたいママ必見!映画『トラペジウム』

映画ライターママの杉本結です。
ひと足早く、映画『トラペジウム』を鑑賞しました。
子どもがアイドルになりたい、YouTuberになりたい。
そういう夢をもったお子様をお持ちの親にはとても考えることの多い作品だと思い紹介することにしました。
乃木坂46一期生・高山一実が原作者ということでも興味深い作品となっています。
あらすじ
高校1年生の東ゆうは“絶対にアイドルになる”ために、
自らに「4箇条」を課して高校生活を送っている。
1)SNSはやらない
2)彼氏は作らない
3)学校では目立たない
4)東西南北の美少女を仲間にする
半島地域「城州」の東に位置する城州東高校に通うゆうは、他の3つの方角の高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進める。
その裏には、「東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成する」という野望があった。
西テクノ工業高等専門学校2年生で、高専ロボコン優勝を目指す“西の星”大河くるみ。
聖南テネリタス女学院2年生で、お蝶夫人に憧れる“南の星“華鳥蘭子。
城州北高校1年生で、ボランティア活動に勤しむ“北の星”亀井美嘉。
ゆうの計画を知り協力する男子高校生・工藤真司のサポートもあり、ゆうは3人の美少女と友達になる。
ロボコン大会や文化祭といった青春のイベントをこなしながら、ゆうは着々と「東西南北」4人の結束を固めていく。
そんな中、観光客のガイドボランティア・伊丹秀一を手伝う女子高校生たちの活動が注目され、ゆうたちにテレビ出演のチャンスが舞い込む。
さらに、番組制作会社のAD・古賀萌香との出会いをきっかけに、ゆうたち4人は徐々に仕事を得て、世の中に知られていく。
そしてついには、「東西南北」のアイドルデビュープロジェクトが始動することになる。
「私が選び抜いたメンバー。私の目に狂いはなかった。私たちが、東西南北が、本当のアイドルになるために。私がみんなを、もっともっと輝かせてみせる。」
しかし、夢への階段を登り続けていく中で、ゆうは〈大きな問題〉に直面することになる――



率直な感想
本作、アイドルが原作を書いているだけあってとてもリアルなアイドルの世界が描かれていました。
『あざとい』『あざと可愛い』という言葉が最近使われることがありますが、これは他人からどのようにみられるか作戦をたてる計算高い女の子ゆうが主人公でした。
それでも本人をしらないファンにはその子の本当の部分はみえません。過去に残したSNSからの情報を元に偽者とも言えるようなアイドル像が作り上げられていく工程は本当によく出来たあらすじだと思いました。
SNSは良いところだけを切り取って見せることの出来るツールとして使われていてとても現代的。
アイドルに本当になれるのはひと握り。
なるためになんでもやる。
それが悪いことばかりではないけれど、主人公は自分の夢のためだけに行動して友人であり同じグループのメンバーである、大切な人の気持ちを考えることが出来ずにいました。
そんな自分の子どもの変化に全く気づかず、寄り添わない母親には全く共感はもてなかったです。
親の心子知らずと思う脚本だったように思います。全体的によく出来てただけにここだけ残念。
現役アイドル時代に書いた小説が原作なだけあって少女の視点は深いところまでよく表現されていたように思います。
体験談やそれに近いエピソードはあったのだろうと推察。
アイドルもどんどん低年齢化しています。
子供たちにはアニメの影響もありアイドルとは『プリキュア』『推しの子』『ラブライブ!』などの登場人物のように自分たちがキラキラ輝ける存在に見えているはず。
親は子どもと一緒にアイドルのキラキラした世界を観ながらも本当の現実を知っていてもいいはず。そういう意味でも本作は一見の価値ありだと思います。
厳しい現実を知っても、子どもの夢に寄り添える親であれたらと強く思う作品でした。



作品詳細
<CAST>
東ゆう:結川あさき
大河くるみ:羊宮妃那
華鳥蘭子:上田麗奈
亀井美嘉:相川遥花
工藤真司:木全翔也(JO1)
古賀萌香:久保ユリカ
水野サチ:木野日菜
伊丹秀一:内村光良
<STAFF>
原作:高山一実「トラペジウム」(KADOKAWA刊/『ダ・ヴィンチ』連載)
監督:篠原正寛
脚本:柿原優子
制作:CloverWorks
製作:「トラペジウム」製作委員会
配給:アニプレックス
主題歌:MAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」(Echoes)
『トラペジウム』5月10日(金)全国ロードショー
(C)2024「トラペジウム」製作委員会