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小学校ってこんなところ!?『小学校〜それは小さな社会〜』を観て衝撃を受けた
教職員の間でも話題となっているドキュメンタリー映画を観てきました。「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には日本の子どもは、“日本人”になっている」というこの言葉の秘密が映画の中には散りばめられていました。
入学式から1年間を密着
コロナ禍の2021年4月から1年150日700時間にわたって撮影された(監督の学校滞在時間は4000時間!)主に1年生3人と6年生1人にフォーカスされています。小学生の子を持つ親でも知らないことが満載。掃除の仕方や廊下の歩き方、学校の決まりやルールを学ぶところからスタート。保育園や幼稚園、それぞれの園の方針が違う中で育ってきた子どもたちが一同に介すので先生方は大変です。6歳児は本当に自由。廊下を飛び跳ねながら歩いたり、謎の音声を発しながら机の上に寝転んでいたり。この自由さが子ども子どもしていて私はかわいいと思っちゃうのですが、クラス運営をしていかなけれがならない立場からしてみればそんな風に思っていられないのも現実なのは確かです。
競技みたいな給食風景
給食はコロナ禍だったこともあり、パーテーションに囲まれて黙食が基本。教室前には大きな画面にタイマーがセットされ、カウントダウンされながらご飯を食べる風景に、給食さえもテストか競技のように感じてしまいました。自分の記憶を辿ってみても、タイマーがセットされた記憶はありませんでしたが、友人はそうだったといっていたので、時代ではなく小学校に拠るのでしょう。
上履きチェック
下駄箱にきちんと上履きが並んで入っているか、6年生の係の生徒と思しき子どもたちがチェックしていました。名簿に◯や△を書き込んでいくのは少し異様に感じてしまいました。もちろん、きちんと入れることは大切ですが、チェックするほどのものとは私は思えませんでした。しかし、先生に注意されると素直に聞けない子どもたちも同級生に注意を受けると、刺さるものがあるのかもしれません。
6年生の成長に感動
放送委員の男の子はとっても素直な男の子。同じ放送委員の女の子との何気ない会話がほっこりしました。運動会の縄跳びがうまくできない男の子は、諦めず自主練を重ね、当日にはものすごくよく跳べていました。彼の自己効力感が上がった瞬間が映像の中で光っていました。きっと大人になってもこのことが彼の自信の根底にはあるのだろうと思ったほどです。
新1年生のための楽器演奏
新1年生にプレゼントする演奏のオーディション、女の子は太鼓には落ちてしまいましたが、他の楽器で合格。選ばれし者たちの練習の中で、その女の子はうまくできませんでした。結構きつめの言葉で叱責され、女の子はすっかりやる気をなくしてしまいます。それを担任の先生が「一緒に怒られてあげる」とうまく練習に参加するように促していました。子どもに寄り添ったこの言葉にはとてもジーンときてしまいました。
小学校によって特色は様々
誕生から保育園・幼稚園生活が子どもの人格形成の土台作りが始まり、小学生の6年間が土台作りの終盤といってもいいのかもしれません。その6年間を過ごす環境はとても大切なもの。私は「大切なことはほとんど小学校時代に学んだ」と思っています。その後、勉強したり、様々な考えに触れたりして修正はされますが、基本は小学校のままです。人生の根底を支える小学校生活だからこそ、この映画を観てたくさん感じるものがありました。子育て中のママ・パパにもぜひ観てほしいと思いました。小学生のお子様がいらっしゃる方は一緒に観に行って自分の学校との比較や感想を言い合ったりするのもおすすめです。