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【ST訓練】言葉が遅い息子、ワンオペ風呂での言語訓練の記録
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前回の記事に続き、今回も完全私のオリジナルの言語訓練の話です。
長男が利用させて頂いていた言語聴覚士の先生がいる療育機関(児童発達支援事業所)は未就学児対象で、現在は3歳の長女が利用させて頂いています。(長男も長女も発達に凹凸が極端にあるタイプ)
長女の発達について相談すると同時に、現在の長男のことをお話しすることもあるのですが、前回のママテスト(トップ画像の言葉の問題を長男の苦手に合わせて作成した物です)や、今回の記事のワンオペ風呂での言語訓練の話を先生にしたところ、とっても良いと思います!と言って頂けて私も少し自信がつき、こうして記事にまとめたいと思いました。
言葉が遅いお子さんを育てている方へ。一人でも多くの方に知ってもらって、何かのアイデアに繋がったり参考になることがあると嬉しく思います。
完璧に我が家流!言語訓練をしていたのは「お風呂場」でした
現在小2の長男。入学と同時に言語聴覚士の先生がいる療育機関は卒業しましたが、それでも平均よりは言葉が全体的に遅く、前回の記事でもまとめた「ママテスト」の他にも何か自宅で出来る言語訓練はないだろうか?と考えてはいたものの、とにかく私が毎日忙しくて。母ってどうしてこうも毎日忙しいのでしょうか…。
とはいえ忙しさを理由に諦めることはしたくなくて。そこで私が目をつけたのが、お風呂の時間。
夫の帰宅が21時前後の我が家。お風呂は私がワンオペで小1長男と2歳の長女を平日は毎日入れていました。(最近になって長男は一人でお風呂に入れるようになりました)
3人(私、長男、長女)で入る1回のお風呂が50分程×平日5日間=250分!週に約4時間のこの時間を言語訓練の時間に充てよう!と閃きました。
クイズ形式で!拗音クイズ
今まで普通にお風呂に入っていた時間を、言語訓練の時間に。難しい知識は私にはないので、まずは長男の苦手としている「拗音」に着目して「拗音クイズ」から。
【しゃ】のつくものを3つ答えるとか、【きょ】のつくものを5つ答えるとか。
苦痛な時間にはしたくなかったので、楽しく遊びながら学べるように【クイズ形式】で長男と言葉の訓練をすることに。
拗音がつく言葉を沢山答えてもらうクイズで、出だしじゃなく言葉の途中でも拗音が入っていればOK!
例えば、でんしゃ、しゃりょう、しゃちょう、らっきょう、きょうしつ、きょうかしょ、とうきょう、きょうこちゃん(お友達のお名前 笑)とか。
耳で言葉を覚えているからか、勘違いして覚えている言葉や上手く言えない言葉もまだあり、その発音の練習も合わせてしていました。
きょうしつ、が、ちょうしつ、とか。このクイズでそもそも間違えて覚えている言葉もあれば、発音が上手く出来ていない言葉もあるということに気づきました。
間違えて覚えていた単語は正しい単語を教えて、耳で聴きとるだけじゃなくお風呂場の曇った鏡に正しい言葉を【書いて】一つずつ確認していきました。視覚優位の長男は、聞いて理解するというより【書いて見せる】ことで理解に繋がった部分が多くあります。
小学校で平仮名を習い始め、拗音に進んでから一気に言葉の怪しさMAXになり(笑)、こちらの訓練を導入しました。
長男のお友達で【りゅうせいくん】という子がいるのですが、その子のお名前を書く時に毎回絶対に【りゃうせいくん】と書いてしまっていたので、曇った鏡に書いて間違っているか正しいかを答えてもらったり、発音してもらったり。ママテストにも何度も「りゅうせいくん」が登場しました(笑)。
身近に使う言葉こそ、沢山出題して、沢山間違えて、沢山練習して、沢山答えられるようになってきた長男。通常発達の子であればこんなに苦労はしなかったと思いますが、拗音や促音が苦手な長男は何度も繰り返すことでやっと、少しずつ理解することが出来ました。
この拗音クイズは沢山やった成果もあってか最近はほとんど正しく書けるし、発音もだいぶしっかりしてきて、まず最初に取り入れて良かったと感じました。
正しい接続詞で!面白い文章を考えるクイズ
拗音や促音もでしたが、接続詞も苦手でわかっていなかった長男。
今日 が 元気 → 今日 も 元気
ケーキ に 食べる → ケーキ を 食べる などなど…
なので面白い文章を作るクイズでは、お題を聞いた後に面白い文章を作れた方が勝ち、という遊びをしていました。
例えば【ママが〜?】と聞いた後に
1.ママが→【可愛い】×
ママが可愛い、じゃなく、「ママ は 可愛い」が文章として正しいため、本当にママが可愛くてもこの回答では接続詞がおかしいので不正解×
2.ママが→【綺麗になる】◎
実際には綺麗になっていなくても(泣)、文脈が合っているからこれは正解(笑)◎
3.ママが→【おならをしてちょっと浮く】◎
これも文脈として合っているので正解◎
ちなみに正解の2と3では3の方が面白いので、3の文章を考えた方が勝ち、といったゲームです。面白さは完璧に私と長男のさじ加減で決まります(笑)。
最初は私がお題を考えていましたが、途中からは長男がお題を考えることも。二人でどちらの方が面白い文章を考えられるか競います。
色々なお題で出来るから、【小学校で〜?】【トミカは〜?】【お友達と〜?】【パパって〜?】【先生が〜?】【イオンに〜?】と接続詞を変えて合う文章を考えさせて、正しい文章になっているかをチェック!
最初は接続詞と繋がりが悪くて変な文章を作ることもあったけれど(笑)、今は接続詞の違和感もないし、少しでも面白い文章にしようと頑張ってあれこれ考える長男。
ここでも日本語としておかしい部分はその都度訂正しています。
種類分け、仲間分けクイズ
発達を診て頂いている病院の発達検査で、種類分け、仲間分けも苦手そうなので、今の内から教えておいた方が将来困り感は減るかもしれませんと言われて、すぐに導入した「種類分け、仲間分けクイズ」。
実際に発達専門医から例えとして言われたのが、
犬、猫、象→【ペット】✕
象はペットには無理なので不正解
犬、猫、象→【動物】◎
動物、もしくは生き物でも正解
確かに象がペットではないことは納得。ただそこまで考えが至らなかった長男。
家でも問題を解くことで、これはコツや法則性がわりとすぐに理解できたようで、問題を考える方も一苦労したクイズです…。
メロン、焼きそば、クリーム→【食べ物】△【パン】◎
ドクターイエロー、キリン、ミニオン→【僕が好きなやつ(笑)】✕【黄色】◎とか
私も必死で問題を考える日々。
長男が一番好きな、一番クイズ
これは今も長男が好きで、今でも続けている【一番クイズ】。
3つのものから一番なものを選んで理由を説明し、出題者が納得したら正解◎な(かなりアバウトな 笑)クイズ。
実際に比べることが難しいものの場合は、自分の説明で相手を納得させられたら正解◎。
例えば【パパ、ママ、じぃじ(我が家は義父と同居中)の三人で一番若いのは誰?】→ママ!◎
これは実際にママが一番若いため正解◎。
【スシロー、マクドナルド、ミスドの中でママが一番好きなのはどこ?】→スシロー!
【なんでママは一番スシローが好きだと思ったの?(理由を説明してもらう)】→スシローだといつもメッチャ沢山食べてるから!ママ、エビもサーモンもマグロもよく食べるし、マクドナルドやミスドよりも沢山食べてるから!(これは本当、子どもってよく見てますよね)
せ・・・正解!みたいな。
※実際一番好きなのはミスドでも、理由が正当であれば、このクイズではそれが正解となります。その位アバウトで、でもしっかり【理由を説明】することが大切になるクイズです
このクイズ、長男の知られざる一面も垣間見られて、【サメ、宇宙人、ティラノサウルスの中で一番強いのはどーれだ!? 】→【宇宙人、理由は透明になれるから!】と長男が言うので、【何で透明なれるってわかるの?】聞くと【だって◯◯君が言ってたもん!!】【◯◯君、宇宙人に会ったことあるって!】とビックリな発言(笑)ほんまかいな(笑)。
【◯◯君、今までで5回も宇宙人に会ったことあるんだって!】【え、まじか!? 】(ニヤニヤする私)
【3回目で透明になったらしいよ!】(メチャクチャドヤ顔する息子 笑)
【じゃあ宇宙人に会ったことがある◯◯君が言うなら、強いのは透明になれる宇宙人だね、正解!】ってな具合の適当さ(笑)〇〇君にからかわれる長男、でもお友達の話を純粋に信じている長男がとっても可愛かったです(笑)。
正解はざっくりですが、言葉を正しく使って説明出来るか、説明に矛盾はないかをよく聞いて、あやふやなところはゆっくり紐解いて正しく言うように心がけたり、矛盾してるところは1つ1つ丁寧に一緒に考えるようにしています。
そして必ず【ママはこれだと思うよ】【だってママはこう考えたから】と私自身の意見も述べて理由も伝えて、そこでまた新たな意見や考えを聞いて、なるべく2人で出し合った意見の中で正解を決めるようにはしていて(本当の正解はきっとないことの方が多いので)、長男の考えを聞いて同調してみたり、こういう考えもあるよねと展開したり、これはどういうこと?と更に説明を聞いてみたり、【言葉で自分の考えや気持ちを伝える】その練習を湯船に浸かりながらしています。
自分の言葉で、相手に伝える
ここをしっかり出来るように、今も日々クイズを出し合いながら訓練を続けています。
ワンオペ風呂での言語訓練で見えてきたもの
長男が小1から約1年ほどワンオペ風呂での言語訓練を続けてみて、長男の語彙力や説明力が向上したように感じています。また我が子なのに知らなかった考え方、想像力に触れて面白いと思うし、長男の新たな一面を垣間見られることが多いです。
たまに私も知らない雑学も出てきて(テレビやYouTubeから仕入れたらしい)、こちらが勉強になる場面もあったり。
長男の苦手をなるべくなくすために、あくまでお風呂の中で遊びながら、親子で楽しみながら言語訓練をしていました。
意味あるの?そう思われた方もいると思いますが、私は非常に意味のあることだと思っていて、この訓練を取り入れてから長男が本当によく喋るようになりました。それが私は一番嬉しいんです。
【喋ること、話すことって、楽しいんだ!相手に伝わることって、嬉しいんだ!】
長男自身がそう思ったようで、上手い下手はさておき、長男がまあよく喋る喋る。それはもう、うるさい位に!笑
3歳長女は言葉が得意なようで、彼女もまあよく喋る喋る!我が家はうるさくて毎日カオス状態です。
言葉が苦手な長男より、長女の方が言い回しや表現は上手でビックリする場面も日々ありますが、長男が自信を持って話すことが出来るようになったのが大きな収穫だと私は感じています。
私は言語のプロではないですし、細かいことはよくわかりませんが…。
言葉って人と人とを繋ぐものだと思っていて、多少言葉が下手でも【相手のことをもっと知りたい!】【仲良くなりたい!】という気持ちさえあれば、なんとかなるって長男を見ていると思います。
人との関りって言葉が全てな訳じゃないなって。
きっとこの記事をここまで見てくださった方は、言葉で多かれ少なかれ悩んでいる方が多いと思うのですが、言葉が苦手な子って言葉以外の部分が優れていたり、いいものを持っている子も沢山いることを長男を通して私は知っているので、あまり悲観的にならなくても大丈夫だよと伝えたいです。
言葉よりも大切なのは【相手に伝えたい】という【気持ち】があるかどうかだと私は思います。
言語の質より、そういった気持ちをワンオペ風呂での言語訓練で身につけられたと感じているので、私の経験が悩んでいる方に届くといいなと思います。
療育で悩んでいる皆さん、いつも本当にお疲れ様です!