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触れるだけで心が落ち着く? 医療現場でも活用されるタッチセラピーとは

はじめまして、薬剤師のここさです。
近年、医療現場で「タッチセラピー」が注目されています。
タッチセラピーとは、手で優しく触れることで 心と体を癒し、リラックスを促す方法です。痛みの緩和やストレス軽減にも役立つとされ、実際に痛み止めの使用回数が減少したという例も報告されているそうです。
私が病院薬剤師になりたての頃、痛み止めがなかなか効かず、どうしたらよいか悩んでいたお子さんがいました。医療チームで話し合いを重ねる中で 「タッチセラピー」 という選択肢を知り、薬以外のアプローチの大切さを学びました。
今回、国際リドルキッズ協会の創立者である ティナ・アレン先生のオンライン講義を受講し、医療現場でのタッチセラピーの活用について学びました。録画講義だったので、自分のタイミングで視聴でき、とても便利。
世界中、何処からでも視聴出来るのも、海外に住んでいる私にとって素敵な時間でした。

講義を聞いて特に驚いたこと
マッサージなどのリラクゼーションの場面では当たり前の「本人の同意」。
医療現場においても、医師の指示の元、タッチセラピーは、本人の同意と希望を大切にしていることを知り、驚きました。
今後、子どもにタッチセラピーを行う際は本人の意向を尊重し、安心できる形で触れることを意識したいと思います。
タッチセラピーとベビーマッサージの違い
「タッチセラピー」と「ベビーマッサージ」は、どちらもスキンシップを大切にするケアですが、目的や方法に違いがあります。
ベビーマッサージは、オイルを使い、赤ちゃんの体を優しくマッサージすることで、血行を促進し、筋肉の発達を助けるもの。
特に新生児や乳児の発育サポートを目的としているそうです。
タッチセラピーは、オイルを使わず、軽く触れる・さする・手を当てるといったシンプルな動作が中心。赤ちゃんだけでなく、幼児・大人・高齢者にも効果があり、心の安定やストレス軽減を目的としているそうです。
ベビーマッサージが赤ちゃんの発育をサポートするのに対し、タッチセラピーは年齢を問わず、誰にでも実践できる癒しの方法です。
医療現場でのタッチセラピーの活用
医療の現場では、タッチセラピーがさまざまな形で活用されています。
新生児集中治療室(NICU)では、「カンガルーケア」として母親が赤ちゃんと肌を直接触れ合わせることで 安心感を与え、成長を促すことが期待されています。
また、高齢者医療や終末期医療では、看護師が患者の手を握ることで不安を和らげる ケアとしても取り入れられています。
このように、タッチセラピーは薬に頼らないケアの選択肢の一つとして、医療現場でも注目されています。
家庭でできるタッチセラピー
タッチセラピーは、特別な知識がなくても日常生活の中で簡単に取り入れることができます。例えば、
お風呂上がりに背中を優しくなでる
便秘のときにお腹をさする
体調が悪いときに背中をさする
こうした触れ合いは、子どもだけでなく親自身のリラックスにもつながります。忙しい毎日の中でも、少しの時間意識的に触れ合うことで、親子の絆が深まり、安心感を育む ことができます。
タッチセラピーは、医療現場でも活用されるほどの癒しの力を持っているそうです。

注意事項
医療現場でのタッチセラピーは、医師の指示で患者・家族の同意のもと実施されています。現在、治療中や持病のある方は、必ずまずは主治医と相談しましょう。
ぜひ、日常生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?