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「食べムラ」保育園流5つの対策。離乳食を終えた1歳前後の好き嫌いは成長の証
子育ての悩みで多いのが、子どもの食べ物の好き嫌いや食べムラ。食べてくれないと、作るママも憂鬱(ゆううつ)だし、栄養面の心配もあります。今回は、保育園で私たち保育者が日々実践している、子どもへの食事に対する声かけや行動について紹介します。
好みが出てくるのは成長している証拠
離乳が完了するのが、だいたい1歳~1歳半頃。同時に食べ物の好みが出てくるのも、この時期です。中にはほぼ何でも食べる子どももいますが、白いご飯を嫌がったり、昨日食べていた野菜を食べなくなったり…と、多くのママはこんな悩みにぶつかるのではないでしょうか。
好き嫌いが出てくると、このまま偏食になってしまわないか、栄養バランスが悪いのでは、と心配になりますが、これは味がわかるようになり、自分が何が良くて何が嫌なのか表現できる、一つの成長でもあるのです。
そして、たいていの場合、好みは大人のように決まったものではなく、気分や調理法によって変わります。保育園では、一口でも子どもが食べられるように、子ども一人ひとりの月齢や個性を把握しながら保育をしています。
見た目で食べない
1~2歳の低年齢の子どもに多いのが、この見た目で嫌がるパターン。食べたことのない料理だったり、野菜がたくさん入っていたりすると、食べもせず嫌がってしまうことがあります。そんなときは食材の切り方を変えたり、食べやすいカレーやスープに入れたりして、工夫してみましょう。
例えば、
・ニンジンを「お星さま」型に切る
・かわいいキャラクターのかまぼこを乗せる
・一口サイズにする
・青のりやかつお節、ゴマなどを混ぜる
気分を変えてみませんか?
同じく低年齢の子どもに有用なのが、この方法です。例えば、
・やお茶を飲んでから苦手なものなど、順番を変えてみる。スプーンの手前に好きなもの、奥に苦手なものを置き、一緒に口に入れる方法
・ママがあげていたら、パパに代わってみる方法。歌を歌いながらなどでもOK
食べるも食べないも雰囲気次第
わが保育園では、可能な限り保育者も一緒に食事を摂り、「先生も食べてみよう」「おいしいね」など会話をしながら食べています。また2歳半頃になると、友達が食べたから私も食べてみよう、など周りにのせられて食べることもあります。
「家では食べないのに、保育園では食べるんです」というママの声をよく聞きますが、その理由はここにあるのかもしれません。そのくらい、友達の存在って大きいのです。なので、残念ながらこの方法は、家庭向きではないのかもしれませんね。
子どもと駆け引きしてみよう!
「これ終わったら、くだもの食べようね。」「どれか一つ食べてみよう」「これ食べたらおかわりしよう」などの、駆け引きができるようになるのが、3歳頃からです。もっと食べたいものや、くだものを励みに、一口でも食べてみることが大事。食べられたら、きちんと褒めてあげましょう。
保育園では友達が褒められている様子を見て、前に座る子どもが食べ始める光景もよく目にします。
気長に見守りましょう
今回紹介した方法の中で、子どもの月齢や性格に合いそうなものがあれば、一度試しみてくださいね。
量、スピード、好みなど、食事に関しては個人差が大きいので、保育園では無理強いせず、楽しく食事を摂ることを大切にしています。食事の時間が苦痛になってしまうほど、悲しいことはないからです。
そして、4歳、5歳と年齢が上がっていくうちに、どんどん食べられるようになっていきます。
今は苦手なものが多くても、焦らず、気長に見守っていきましょう。