ママの卵焼きが一番!と言わせた料理の味を引き出す最強アイテム
「卵焼きなんて簡単」そう思っていませんか。「誰かに習うものでもないし、特別な道具なんて必要ないでしょ」と。
私もそう思っていました。でも、ある会に参加して、道具を知って、練習したら…まったく違う代物ができるようになったのです。
ふっくらジューシーで、高級感さえ漂う卵焼きで、子どもたちの胃袋ギュッとつかんでみませんか。
丸いフライパンで作っていた卵焼き
私は毎日、お弁当作りに奮闘しています。お弁当に入れる卵焼きは小さな丸いフッ素樹脂加工のフライパンで作っていました。
ある日、娘から「お母さんの卵焼きって、なんで形がきれいじゃないの?」と言われました。
私は料理を習ったこともないし、すべてが我流です。卵焼きもただ「形になればいいんでしょ」くらいのつもりで適当に作っていました。
でも、娘にそう言われたことで、以前、すまいの道具を扱うお店のオーナーに聞いた「道具で料理が変わること」を思い出しました。
そして、そのオーナーが息子の胃袋をつかんだと話していた「だし巻き卵の会」のことも思い出したのです。
「だし巻き卵の会」に参加
頭の片隅にあって気にはなっていた「だし巻き卵の会」。なんとなく重い腰があげられずにいたのですが、娘のひとことを機に参加してみました(人気講座で、現在感染症対策のため定員を減らしているため、参加できるまで少し待ちました)。
そこでは、銅の卵焼き器でのだし巻き卵のつくり方、美しく作るコツ、銅製品のお手入れ方法などを学ぶことができました。
銅の熱伝導のよさがふっくら感をつくる
おいしい卵焼き(このときはだし巻き)を作るのに、もっとも大切なことは「温度管理」なんだそうです。
そして、この温度管理を簡単にできるのが、「銅」の一番の魅力。
銅は、熱伝導率のよさがバツグン! 鍋の中全体ががすぐに同じ温度になり、卵に均一に火が通るために、ふっくらした卵焼きができるのだそうです。
【プロに作り方を習ってみた!】
まず、銅の卵焼き器に、油をたっぷりと入れてなじませた後、菜箸に卵とだしをまぜた卵液をつけて、鍋底に線を描きます。このときに、きれいに線が描けるような温度が適温です。
熱くなりすぎていると、「ジューッ」と大きな音がして線がきれいに描けません。そんな時は濡れ布巾の上に置いたり、火から離して少し冷まします。
卵液を流し込んだあとは、卵をひと巻きするごとに、油を卵の手前と奥にしっかりとひきます。はじめてその手さばきを見た時には、「えー、そんなに油使うの?」という感覚でした。
でもできあったのを食べてみたら、全然油っこい感じはしません。油がしっかりと卵焼き器になじんでいくため、べたついた口当たりにはならないのです。
そして食材(卵)を常温にしておくのも意外に大事! 冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵だと、せっかく適温になった鍋の温度を急激にさげてしまい、それがこびりつきにつながるからです。
いざ、家で練習を重ねた結果は
講座参加を機にわが家も新しく銅の卵焼き器を導入! さっそく家でも作ってみました。
最初のころは、プロがやっていたのをマネて格好よく作ってみたくて、菜箸で何度かやってみたのですが、どうしてもうまくいかない!
箸でさわっているうちに、固まってきた卵がこわれてしまい、その形を整えようとしているうちにだしがしみ出てきて焦げついてしまうのです。
講習の時に、「へらを使ってもいいですよ」と言われたことを思い出し、菜箸でがんばるのは断念。へらを使えばそれなりに形になるようになっていきました。
【お弁当用にはひと工夫】
おいしいだし巻き卵、できあがってしばらくするとお皿にもジューシーなだしがしみ出てきます。そうなると、お弁当に入れるにはちょっと…。そこでひと工夫! 卵液をつくるときに、卵とだしにプラスして、ほんの少しの片栗粉を溶いて入れておくと、ふっくらジューシー、だけど“もれない”卵焼きができます!
【お手入れは意外と簡単!】
はじめてつかう時だけは、油ならしと言って、たっぷりの油を入れて火にかけます。
日々の使用は、うっすら煙がでるくらい、最初にしっかり熱して銅そのものにある水分を飛ばします。そして油をたっぷり入れて熱したら、余分な油を出します。そこだけは毎回ちゃんとしないとうまくいきません。
使い終わったあとは、洗剤を使わずにたわしで洗って自然乾燥するだけ。今回教えていただいたプロの料理人は、「固くしぼった布巾で拭くだけで、洗うのは外側だけ」とおっしゃっていました。それだけ鍋への油なじみを大切にしているということです。
なんとなく「お手入れ大変」「プロが使う道具」というイメージだった銅の卵焼き器ですが、実際使ってみると、お手入れの大変さはまったく感じません。
【大阪巻きと京巻きって知ってますか?】
講習の時に言われた「今回は大阪巻きで作ります」の言葉に、私は「?」。
実は、卵焼きには大阪巻きと京巻きというのがあるそうです。
せっかちな大阪の人は素早く巻いてよりふんわりした卵焼きにするために、奥から手前に巻いていくそうです。それに対して京都は、仕出し文化。お弁当にいれてもくずれないように、手前からゆっくり巻いてかっちりとした卵焼きを作るのだそうです。
「うん?じゃあ今まで私はどっちで巻いてた?」と振り返ってみると、手前から巻いて、奥に卵が行ったら手前に卵液を入れて奥から戻ってくるという、行ったり来たりと、京巻きと大阪巻きの混合だったことに気づきました(笑)。
自分が巻きやすい方向で、おいしくて見た目もきれいな卵焼きができるように練習するのが一番ですね。
銅の卵焼き器で家族も納得の卵焼きを習得!
おいしい卵焼きを目指して数週間。練習の成果もあり、家族みんなから「おいしい」のお墨付きをもらいました。
息子いわく、「食べたらおいしい水がでてくる」卵焼き!
これまでわが家では、卵焼きはあっても、だし巻きは「難しそう…」と登場したことなかったのですが、銅の卵焼き器を購入してからは、だし巻きが定番になりました。
そんなおいしいだし巻きができるようになったのも、銅の威力があるからこそだと感じています。長く使える道具を大切に、私の料理の腕とともに道具も育てていきたいなと思います。