気温が下がってきた時の赤ちゃんの寝冷え対策と意外な注意点

気温がぐんと下がってくると、赤ちゃんの寒さが心配になってきますよね。「風邪をひいてしまわないかな?」と心配になり、つい厚着をさせたり厚手の布団をかけたりしていませんか?
実は、寒さ対策として良かれと思ってしていることが、かえって危険につながることもあるのです。今回は小児スリープコンサルタントのねんねママが、秋冬の寝冷え対策と意外と知られていない注意ポイントについて解説します。
暖房はいつから使う?
気温が急に下がってくると「この前までクーラーを使っていたのに、もう暖房?」と迷う方も多いのではないでしょうか。最近は秋という季節がほとんどなく、夏から急に冬のような寒さになることも珍しくありません。
もし寒いと感じたら、迷わず暖房を使ってください。なぜなら赤ちゃん(2歳くらいまでの子ども)は体温調節機能がまだ未熟で、室温に体温が左右されやすいためです。室温と服装でちょうど良いバランスを保ってあげることが大切なのです。
室温が16度を下回ってしまうと寒くて目が覚めることも増え、睡眠の質が低下しやすくなります。寒すぎる環境では夜泣きの原因にもなりかねません。秋冬の寝室の室温は、18〜21度前後が目安です。ただし、住宅の断熱性能や風通しの良さによっても変わってくるため、実際の赤ちゃんの様子を見ながら調整しましょう。
また、湿度も重要なポイントです。暖房をかけると室内が乾燥しやすくなるため、湿度は40〜60%を保つことを意識してください。湿度が低いと同じ室温でも寒く感じやすく、風邪もひきやすくなります。
室温と服装のめやす
室温18〜19度:
・肌着(タンクトップ/半袖)
・長袖パジャマ(キルティングなど)
・スリーパー(フリースなど)
室温20〜21度:
・肌着(タンクトップ/半袖)
・長袖パジャマ(綿〜キルティングなど)
・スリーパー(6重ガーゼなど)
秋冬の赤ちゃんの睡眠環境の注意点
秋冬の時期の赤ちゃんの睡眠関連で、もっとも注意していただきたいことの1つが温めすぎです。「寒いだろう」と思って厚着をさせすぎること、ましてや電気毛布など高温になるところに赤ちゃんを寝かせることは危険です。
11月は厚生労働省が定める「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」なのですが、なぜ11月なのかというと冬(12月以降)になるとその症例が増えるためです。SIDSは、それまで健康だった赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなってしまう病気で、原因は完全には解明されていませんが、リスク要因の一つが「体温の過度な上昇」であることが分かっています。
冬になると件数が増える傾向にあるのは、「寒いだろう」という親心から、厚着をさせたり布団でぐるぐる巻きにしたりするケースが増えるためだと考えられています。
本当に寒い時の見分け方
では、赤ちゃんが本当に寒がっているかどうか、どう判断すればよいのでしょうか?
1つの見分け方として寝姿勢が挙げられます。寒い時は、体を縮こまらせます。大人でも同じですが、寒いと体を丸めて熱を逃さないようにする本能があります。逆に、足を伸ばして大の字で寝ていたり、リラックスした姿勢で眠っていたりすれば、寒すぎることは考えにくいです。
また、冬になると決まって多くの方から「足の裏や手のひらが冷たい」というご質問をいただくのですが、冷たいのが足の裏や手のひらであれば心配はありません。
人間は眠りにつくために体の深部体温を下げる必要があり、その際に手足から熱を放出します。だから足の裏が冷たくても、体幹部分(お腹や背中)が温かければ問題ありません。足の裏が冷たいからといって厚手の靴下を履かせたり、厚手の布団をかけすぎたりすると、かえって着せすぎになる危険があります。
※0歳児はかけ布団は窒息のリスクにつながるため、使わないことを推奨しています
体幹の方まで冷えている場合は寒いので、着せる服の枚数を増やしたり、暖房の温度設定を上げたりして調節してあげましょう。
おすすめ対策グッズ
秋冬の寝冷え対策として、おすすめのアイテムを紹介します。
スリーパー
スリーパーとは着るお布団のようなものです。ブランケットのように窒息の心配もなく、寝返りをしてもついてきてくれるので安心です。
レッグウォーマー
靴下を履かせると足の裏からの放熱ができず、かえって寝つきが悪くなることがあります。一方で、ズボンが捲れ上がって足首が冷えてしまうのが心配なこともあると思うので、その時に役立つのがレッグウォーマーです。レッグウォーマーなら、足先は出したまま、足首やふくらはぎ部分を温めることができます。動いてもずれにくく、寝冷え対策にも夏のクーラー対策にも使える便利アイテムです。
寒い季節も安心安全にぐっすり
ついつい厚着をさせたり布団をかけたりしてしまうのは、赤ちゃんを思う気持ちからなのはとてもよくわかります。ですが、大切な赤ちゃんの命を守るために、正しい知識を持って安全に快適な環境で寝かせてあげてくださいね。




























