夏休みの今こそチェック!子ども向けアプリとネットゲームの上手な選び方

情報を正しく読み取り、活用する力「メディアリテラシー」。さまざまなデジタルメディアが身近にある今、大人だけでなく、子どものうちから少しずつ育てていきたい力です。
このコラムでは日本メディアリテラシー協会代表理事の寺島絵里花さんが、「メディア」との上手な付き合い方について教えてくれます。今回のテーマは「子ども向けアプリやネットゲームの選び方」についてです。
夏休みはアプリやネットゲームの「中身」を見直すチャンス
夏休みがスタートしましたね。時間に余裕ができるこの季節、子どもたちのスマホやタブレットの使用時間も自然と増えていきます。そこで気になるのが、どんなアプリやゲームを使わせるかということ。何となくダウンロードして放置…では、トラブルのもとになることも。夏休みがスタートした今こそ、子ども向けアプリやネットゲームの「中身」を見直すチャンスです。
安心・安全なアプリを選ぶ3つのチェックポイント
まず、子どもにとって安心・安全なアプリを選ぶには、いくつかのチェックポイントがあります。
1.対象年齢
1つ目は「対象年齢」。アプリストアには年齢表示がありますが、あくまで目安。広告や課金、暴力的な表現など、親が一度自分で試してみることをおすすめします。
2.どんな遊び方ができるか
2つ目は「どんな遊び方ができるか」。単にボタンを連打するだけのゲームより、創造性や思考力を育むようなアプリのほうが、長い目で見てプラスになる可能性が高いです。たとえば、パズルゲーム、音楽やお絵描きができるアプリ、プログラミング的思考を育てるものなどは人気があります。人気のものは、対面のイベントやキャンペーン、絵本や本等に絡めたグッズなどの販売や体験も多く、関連したアクティビティとして楽しめることが多いです。
3.「やめどき」がわかりやすいこと
また、「やめどき」がわかりやすいことも重要なポイントです。終わりのない対戦型ゲームや、つい続けたくなる仕様のアプリは、大人でもやめるのが難しいもの。章仕立てになっていたり、1回が短時間で終わるよう工夫されていたりするアプリは、子どもも気持ちを切り替えやすくなります。
アプリやネットゲームの選び方は?
では、実際にどうやって選ぶのがよいでしょうか。理想は、親子で一緒にアプリを試してみること。「これ楽しそうだね」「こういうところがいいね」と話しながら選ぶと、子ども自身にも「自分で考えて選ぶ力」が育ちます。
そのうえで、使用時間(本数)をあらかじめ決めておくことも大切で、夏休み中の生活リズムを整える助けにもなります。

禁止するのではなく、「どう使うか」を考える
スマホやタブレットを完全に禁止するのではなく、「使っていいけど、どう使うかを考える」姿勢が大事です。特に夏休みは、外遊びや家族での会話、自由研究や読書など、スマホ以外の時間も大切にしてほしい時期です。
「これはダメ」「あれは危ない」と制限するだけでは、子どもは反発しがち。大人がまず、関心を持って一緒に関わることが、デジタルとの健全なつきあい方を育てていく第一歩です。
夏休みが始まった今、もう一度アプリの中身を確認してみましょう。子どもにとって安全で、楽しく、そしてちょっぴり学びのある時間が過ごせるように。スマホの中身もしっかり準備して、夏休みを楽しみましょう。
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ITデジタル
日本メディアリテラシー協会代表 寺島絵里花
一般社団法人日本メディアリテラシー協会 代表理事。高校時代に留学したカナダでメディアリテラシー教育に出合い、興味を持つ。上智大学文学部新聞学科卒業、ペンシルバニア大学留学。結婚、出産を経て、一般社団法人日本メディアリテラシー協会を立ち上げる。主な業務は、メディアリテラシー教育の普及を目的とする、保護者、教員、行政、民間企業などが対象のワークショップや研修、講演、出前授業など。
当協会立ち上げ後に東京学芸大学大学院教育支援協働実践開発専攻AI教育プログラム卒業。上海師範大学、北京師範大学での関連プログラム修了。2024年現在、JASSO 日本政府中国政府奨学金生(博士課程後期)として、華東師範大学大学院国際比較教育研究所所属。
メディアリテラシーに関する幅広い知見に加え、3児の子育てや日々の生活を発信するメールマガジンやブログが好評を博している。