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「α世代」ってどんな子どもたち?東急エージェンシー「αFind」​とあんふぁん編集長が語るα世代のリアルとは

「α世代」ってどんな子どもたち?東急エージェンシー「αFind」​とあんふぁん編集長が語るα世代のリアルとは

先日開催された国内最大級のおもちゃの祭典「東京おもちゃショー」内で、特別セミナー『今注目の新世代 α世代のリアルを探るトークセッション』が行われました。登壇したのは、東急エージェンシーα世代デザインファーム「αFind(アルファインド)」と幼稚園児とママ・パパの情報誌「あんふぁん」白石編集長​。子育てに精通した専門家たちが最新のデータや調査をもとに、今どきの子どもたちの様子や未来についても語りました。

α世代ってどんな世代?

セミナーは「東京おもちゃショー2025」内で行われました。

「α世代」とは、2010年~2024年に生まれた世代のこと。現在(2025年)、0歳から14歳(中学3年生)を指します。彼らはスマホやタブレットが当たり前にある環境で育った「真のデジタルネイティブ」です。世界的に見ると20億人規模にも達し、他世代と比べて最大規模の世代になるそう。

α世代の一つ上の世代には今、高校生から20代後半までのグループであるZ世代が位置していますが、このZ世代に次ぐ世代として注目されています。

このα世代は「ギガスクール構想」「SDGs意識の高まり」「新型コロナ流行」「生成AI利用の加速」といったさまざまな変化に大きく影響を受ける世代でもあります。

α世代の専門家「αFind」とは

東急エージェンシーのα世代デザインファーム「αFind(アルファインド)※」とは、α世代を対象に行動・意識・価値観を捉え、マーケティングへの実装を行っている組織です。

※αFind…商標登録出願中

(左から)東急エージェンシー「αFind(アルファインド)」の藤田さんと山田さん

日本でのα世代の主な特徴は…

世界的に見ると最大規模のα世代ですが、一方、日本では少子化が進み、一人っ子家庭が増えている世代でもあります。

X世代と比べてα世代は半分の人数まで減少。必然的に大人が多く子どもが少ない環境の中で育ち、 必然親との関係が強まり、大人びた子どもが育ちやすくなると、αFindは分析しています。
さらに、ある大学の研究では兄弟がいる子どもに比べて一人っ子の子供は自尊感情が強くなる、と示されていて、今よりも自分のことを大事にする価値観が強くなるのでは、と予想しているようです。

トークセッションでは、α世代のデジタルリテラシーと環境意識にフォーカスして、ディスカッション

α世代はデジタル機器の利用が当たり前

あんふぁん白石編集長は、幼稚園に配布している「あんふぁん」、保育園に配布している「ぎゅって」の読者に調査した結果として、「1歳児ですでに半数近くがデジタルデバイスに触れている」と話します。

αFind山田さんは、1歳児でデジタルデバイスに触れるというのは、具体的にどのような行動?と興味津々の様子。

あんふぁん白石編集長によると、1歳児でもデジタルデバイスを既に使いこなしていると語ります。

例えば、字が読める年齢になればスマホでフリック入力ができたり、YouTube動画の広告スキップ機能も、検索もでき、字が読めない2歳児くらいでも検索窓の横にある「マイクボタン」で検索すると、調査結果を報告。

スマホ育児との葛藤

あんふぁん白石編集長は、ママパパは、2つの感情が揺れ動いているとも語ります。

2つの感情の一つは、「スマホ育児(※)」に対する罪悪感がある親が多いこと。※スマホ育児とは、親が手が離せないときや子どもに静かにしてほしい時にスマホを渡して育児をさせることを指す言葉。

その一方で、「ワンオペだったから仕方がない」、むしろ振り返れば「子育ての戦友」と強い味方という声もあると紹介します。

もう一つの感情は、そういった機器になれておかないと、小学校に上がったときに、1人1台タブレット端末使用という、2019年からスタートしたGIGAスクール構想いわゆるデジタル教育についていけなくなるのでは?という感情もあると話します。

α世代は環境問題SDGsへの意識が高い

α世代のうち86%が、「フードロスの取り組みを行っている飲食店を利用したい」と回答。社会課題への意識は、Z世代よりも高いと話します。

α世代の今後と子育てに向き合うコツ

α世代は「温暖化やフードロスといった環境問題に対して、自分が出来ることに取り組むべきと思うか」という質問に対して肯定的な回答が多く、Z世代よりもスコアが高い結果に。

α世代は、義務教育が始まったときにはすでに、SDGsが採択され、当たり前のように授業の一環として学んでいて、今のα世代の子たちは、自分事として捉えていると、東急エージェンシーαFindの山田さんは語ります。

だからこそ、簡単に得られない情報以外の体験が重要になってきそうと分析も。

あんふぁん白石編集長は、給食を例に環境に対するα世代の意識も変化するのではないかと話します。園、小学校の給食では「減らしタイム」があるところもあり、配膳後、食が細い子やその日の体調で食べれない子は先生に申告して減らす時間のことを指すようですが、結果フードロスの意識が高まるのではないか、と話していました。

最後に、あんふぁん白石編集長は、α世代は、リユースへの意識が高いという点に注目していると語ります。α世代の親は、ミレニアル世代がほとんどなのですが、このミレニアル世代はメルカリやデジタルを駆使したサブスクを利用をする、いわゆる循環させる考えにシフトチェンジしてきている世代。

そんな家庭で育つα世代の子たちはおのずと、環境に配慮したリサイクルやリユースつまり循環させる意識が強いと思うのでは考察。

また、学校でもSDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」なども職業体験を通して学ぶそうなので、そういったα世代の子が大人になったとき、「消費者」という言葉ではなく、例えば「利用者」「循環者」みたいな新しい言葉になるのかもしれないとまで思い出したそう。

そして、モノを選ぶとき、環境に配慮されたリユースができるものなのか、あるいはアップサイクルのサービスまであるのか?などといったことを判断基準の一つとして持ち合わせてくるのではないかと考察していました。

αFind山田さんは、α世代は、精神年齢が大人と分析。ただ大人びているということではなく、「情報の取捨選択」能力に長けている世代になっていくのではないかと語り、今後、広告会社の人間として、こういった世代にしてどうやってアプローチをして心を動かせるのか?を考えていく必要があるとまとめました。

αFind藤田さんは、幼少期から膨大な情報に触れているα世代は「探す」力に優れている反面、「覚える」力や長時間の「集中」力など一部の能力が低下する可能性があると考察。サービスやコミュニケーションを設計していくにあたって、α世代のこうした特性にどう対応していくかも成功の鍵になる、と語りました。

東京おもちゃショーで見つけた「α世代育児」にピッタリなおもちゃとは

α世代マーケティングのリアルのトークセッションの後半は、トイジャーナル編集長が今どきのおもちゃについても分析をしました。

その話を参考に、そんなα世代の育児にピッタリなおもちゃをおもちゃショーで見つけましたので、紹介します。

運動・知育・遊びもいっぱい!GoGo!アンパンマンサイクリング(セガフェイブ)

2万4200円 11月発売 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV

サイクリングをして身体を動かしながら12のミニゲームが楽しめるアイテム。テレビにつないで、家族全員で楽しめるものになっています。

きょうはなに撮る?アンパンマンキッズカメラ(アガツマ)

8778円 発売中 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV

“自分らしさ”を表現できるというおもちゃもα世代には喜ばれそうです。お出かけ先へ持って行って楽しい思い出をたくさん撮って来られますね。

ブタミントン(メガハウス)

4378円 発売中

近年のレトロブームもあり復活発売。大人気となっているおもちゃですが、家族全員楽しめるうえ、おもちゃだけに頼らないスポーツアクション要素も、実は、今どきのα世代育児にはピッタリ。

まとめ

α世代育児には「知識」と「体験」をつなげてあげることが、親が大切にしたいポイントになりそうです。スクリーン越しではわからない、五感を使った経験やリアルな関わり、その中で育む小さな挑戦や失敗を重ね『やってみたら分かる実感』を意識して取り入れることで、より広い人間性を育てられるように思います。

デジタルを駆使して流行の動画やミームなどの情報をいち早く手に入れているのが『α世代』。ですが知識だけにとどまらず、リアルな体験を通じて思考を広げてあげることこそが、親がサポートするポイントなのかもしれません。

企画・編集/&あんふぁん編集部、取材・文/たいらゆい

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