AIは知ったかぶりをする!?子どものリテラシーを高める賢いAIの使い方

情報を正しく読み取り、活用する力「メディアリテラシー」。さまざまなデジタルメディアが身近にある今、大人だけでなく、子どものうちから少しずつ育てていきたい力です。
このコラムでは日本メディアリテラシー協会代表理事の寺島絵里花さんが、「メディア」との上手な付き合い方について教えてくれます。今回のテーマは「AIの賢い使い方」についてです。
触れる機会が増えている「AI」
11月にデバイスを選び、12月に年末年始のルールを見直したご家庭も多いことでしょう。新年度に向けて準備する2月、改めて考えたいのはスマホを「単なる娯楽」から「賢い相棒」にアップデートする方法です。
最近では、検索アプリやキーボードにAI(人工知能)が標準搭載され、大人が意識する以上に子どもたちが自然にAIに触れる機会が増えています。保護者の方の中には「AIなんてまだ早い」「正解をすぐに教えてもらうのは教育に良くない」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、これからの時代に大切なのは、AIを遠ざけることではなく、AIの答えを「たたき台」としてどう使いこなすかという視点です。
聞くタイミングは「いつでもOK」、大切なのは「聞き方」
よく「まずは自分で調べてから、どうしても分からない時にAIに聞きなさい」という声を聞きますが、私は必ずしもそうとは思いません。AIに聞くタイミングは、最初でも最後でも良いのです。
大切なのは「聞き方」です。最初からAIに「正しいかどうか、どこからの情報なのか、エビデンス(根拠)を明記して教えて」と条件を付けて聞いてみましょう。情報を得る際に「出典」を意識するだけで、情報の信頼度を見極める訓練になります。「これはどのサイトや本を参考にしたの?」とAIに問いかける習慣をつけましょう。
AIを全知全能の神様ではなく、あくまで「便利な助手」として扱うマインドが重要です。
AIは自信満々に「知ったかぶり」をする!?
AIを使う際に注意すべき特徴は、非常に自然な文章で、もっともらしい嘘をつく(知ったかぶりをする)ことがある点です。これは、AIが情報のパズルを組み合わせて文章を作っているためで、時にパーツを間違えてしまうことがあるからです。
以前の記事で伝えた「ネット情報は玉石混交」という視点を、AIにも適用しましょう。以下の「横断検索」を親子で楽しんでみてください。
・複数のAIを比べる: AのAIとBのAIで答えが違うことを発見する。
・検索エンジンで裏取りをする: AIが出した出典元が本当に存在するか、親子でクリックして確認する。
あえて「AIを使わない」アナログの価値
AIが当たり前になるからこそ、あえて「アナログな手段」の価値を再定義しましょう。情報のすべてがネットにあるわけではありません。
図書館で図鑑を開く、子ども向けの新聞を読み比べる。こうしたプロが編集した信頼できる「一次情報」に触れる時間は、情報の質を見極める目を養います。
AIにヒントをもらい、最後は本で深く知る。デジタルとアナログのハイブリッドな使い分けこそが、最強のリテラシー教育です。親も一緒に「えっ、AIがこんな嘘ついたよ!本にはこう書いてあるのにね」と驚き、楽しむ姿勢を見せていきましょう。

まとめ
AIは「便利な知ったかぶり」と心得る
AIに聞くときは最初から「根拠も教えて」と条件をつけ、出てきた答えは「たたき台」として親子で検証を楽しみましょう。
「横断検索」で裏を取る
一つの答えを鵜呑みにせず、他のAIや従来の検索サイト、そして信頼できる「本(一次情報)」と照らし合わせる習慣をつけましょう。
デジタルとアナログのいいとこ取り
AIでヒントを得て、図書館や新聞で深掘りする。このハイブリッドな使い分けが、これからの時代に必要な本物の思考力を育てます。
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ITデジタル
日本メディアリテラシー協会代表 寺島絵里花
一般社団法人日本メディアリテラシー協会 代表理事。高校時代に留学したカナダでメディアリテラシー教育に出合い、興味を持つ。上智大学文学部新聞学科卒業、ペンシルバニア大学留学。結婚、出産を経て、一般社団法人日本メディアリテラシー協会を立ち上げる。主な業務は、メディアリテラシー教育の普及を目的とする、保護者、教員、行政、民間企業などが対象のワークショップや研修、講演、出前授業など。
当協会立ち上げ後に東京学芸大学大学院教育支援協働実践開発専攻AI教育プログラム卒業。上海師範大学、北京師範大学での関連プログラム修了。2024年現在、JASSO 日本政府中国政府奨学金生(博士課程後期)として、華東師範大学大学院国際比較教育研究所所属。
メディアリテラシーに関する幅広い知見に加え、3児の子育てや日々の生活を発信するメールマガジンやブログが好評を博している。



























