「スマホ禁止」は逆効果!スマホを「見るだけ」から「創造する」ツールへ 親子で見直すスマホ利用法

情報を正しく読み取り、活用する力「メディアリテラシー」。さまざまなデジタルメディアが身近にある今、大人だけでなく、子どものうちから少しずつ育てていきたい力です。
このコラムでは日本メディアリテラシー協会代表理事の寺島絵里花さんが、「メディア」との上手な付き合い方について教えてくれます。今回のテーマは「スマホの利用法の見直し」についてです。
春休みの「だらだら利用」をチャンスに変える
春は進級や新生活を控えた開放感から、ついスマホやタブレットの時間が長くなりがちです。特に春休みは学校のような「時間の区切り」がないため、気づけば一日中動画を見ていた…なんてことも。
しかし、ここで「スマホ禁止!」と取り上げるのは逆効果です。春休みは、スマホを「消費(見るだけ)」の道具から「創造(何かを作る・計画する)」の道具へと昇華させる絶好のチャンスです。親子でスクリーンタイムを見直してみましょう。
親も一緒にスクリーンタイムの見直し
以前の記事でも触れましたが、まずは大人が背中を見せましょう。「子どもにスマホをやめさせたいなら、まず親が置く」。春休みの初日に、家族全員で現在のスクリーンタイムを確認し合う「家族会議」を開いてみませんか。
「お母さんも仕事以外でこんなに使ってたよ、反省だね」と、親も失敗を共有することで、子どもは「自分だけが監視されている」という不満から解放され、自律への一歩を踏み出せます。
子どもを「おでかけプロデューサー」に任命
春休みのイベントとして、子どもに「おでかけプラン」の作成を任せてみましょう。スマホを使い、以下のミッションを与えます。
行き先のリサーチ
近場の公園やレジャー施設を検索し、魅力的なスポットを探す。
ルートと時間の計算
電車の乗り換えや、何時に家を出ればよいかを調べる。
予算管理(マネーリテラシー)
「今日はランチ代込みで家族で〇〇円まで」と予算を提示し、入場料や食事代が収まるか計算させる。これは10月で触れた「お金には限りがある」という学びの実践編です。自分で調べ、計画し、決断する。この主体的な経験こそが、デジタルに「使われる」のではなく「使いこなす」力になります。

自律した「デジタル市民」へのステップアップ
これまでの記事で紹介してきた「教習期間」という考え方。この春は、その成果を試す時期です。AIを使って効率的に調べ物をし、プランを立て、予算を守ってお出かけを楽しむ。 失敗しても構いません。「計画通りにいかなかったね、次はどうする?」と話し合える親子関係があれば、それは立派な学びです。
4月からの新生活、そしてさらに進化するAIリテラシー編に向けて、スマホを「自分の人生を豊かにする最高のツール」として定義し直し、自信を持って新学年を迎えましょう。
まとめ
親も一緒にスクリーンタイムを見直す
子どもに制限を課す前に、まずは大人が自分の使い方を振り返り、デジタルから離れる背中を見せることが自律への近道です。
スマホを「消費」から「創造」の道具へ
動画を見るだけの時間を、おでかけの計画や予算管理、調べ学習などの「主体的な活動」に置き換えてみましょう。
「おでかけ計画」でマネーリテラシーを育む
予算内でプランを立てる実体験を通じて、スマホを「自分の生活を豊かにするための道具」として使いこなす自信を育て、新学年へつなげましょう。
ナビゲーター
担当カテゴリー
ITデジタル
日本メディアリテラシー協会代表 寺島絵里花
一般社団法人日本メディアリテラシー協会 代表理事。高校時代に留学したカナダでメディアリテラシー教育に出合い、興味を持つ。上智大学文学部新聞学科卒業、ペンシルバニア大学留学。結婚、出産を経て、一般社団法人日本メディアリテラシー協会を立ち上げる。主な業務は、メディアリテラシー教育の普及を目的とする、保護者、教員、行政、民間企業などが対象のワークショップや研修、講演、出前授業など。
当協会立ち上げ後に東京学芸大学大学院教育支援協働実践開発専攻AI教育プログラム卒業。上海師範大学、北京師範大学での関連プログラム修了。2024年現在、JASSO 日本政府中国政府奨学金生(博士課程後期)として、華東師範大学大学院国際比較教育研究所所属。
メディアリテラシーに関する幅広い知見に加え、3児の子育てや日々の生活を発信するメールマガジンやブログが好評を博している。



























