あっと驚く未来を見せて、子どもたちに「日本ってすごい! 面白い!」と思わせたい
こどもりびんぐは、2025年4月に開幕する大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創パートナーです。同じく万博を盛り上げる企業・団体の取り組み等を取材し、ワクワクする情報をお届けしていきます。
今回は、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンに出展参加するサイエンスホールディングスの会長、青山恭明さんに話を伺いました。
「ファインバブルの泡は小さい方がいい」のは間違い!それぞれ特性があるんです
「サイエンスといえばミラブル」と、わが社はシャワーヘッドのメーカーと思われがちですが、実は日本で唯一のファインバブル専業メーカーを自負しています。
「小さな泡を作る」「目に見えない小さな泡を計測する」という2つの技術は、実は世界で日本がダントツにリードしているんです。
そこで、日本でISO(国際標準化機構)規格を作り、さらなる技術発展を目指したいと、一般社団法人ファインバブル産業会を発足させました。
そして2017年にファインバブル第一号のISO規格「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則」が誕生しました。
「ファインバブル」は気泡の直径によって2種類あります。
直径が1µm(マイクロメートル)以上100µm未満のものは「マイクロバブル」。目視が可能で大量に発生させることで白濁して見え、水中でゆっくり浮上して消滅します。
一方、1µm未満のものが「ウルトラファインバブル」で、これは目視はできないほど小さな泡です。水中で上昇することなく常にブラウン運動(微細振動)をしていて、浮上することなく水中にとどまっているんです。
「泡は小さい方がいいんでしょう」ってみなさんに言われるんですが、実は違うんです。
「マイクロバブル」と「ウルトラファインバブル」はそれぞれ特性があり、それを活用したのが「ミラバス」と「ミラブル」になります。
入浴するだけで汚れを落とすことができるお風呂「ミラバス」では「マイクロバブル」の技術を使用しています。皮ふの汚れ・有機物はプラスの電荷を持っているので、マイクロバブルにマイナスの電荷を持たせました。するとマイクロバブルは汚れにくっつき、そのまま持っている浮力によって、汚れを浮かせて除去できるんです。
一方、シャワーヘッドの「ミラブル」は流水なので、つぶれにくい泡である必要がありました。そこで、こちらはウルトラファインバブルの技術を活用。1秒2000回転という高速うず流で生成されたウルトラファインバブルが毛穴に入り込み、汚れを落とします。
「ミラバス」「ミラブル」いずれも肌の水分量がアップするデータも出ているので、肌のうるおいを期待できます。
これらの技術を応用したのが、今回の大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンでお披露目する「ミライ人間洗濯機」なのです。
カラダも洗われる、ココロも洗われる、ミライ人間洗濯機
私たちの技術では、「体をキレイにする」のは当然のこと。その上で「心もキレイに」、それが「ミライ人間洗濯機」(画像はイメージ)です。
流線形のカプセルに入ると、体を洗浄すると同時に、背面のセンサーで脈動などを図り、その人のその時の状態に合わせて、リラックス&リフレッシュできる空間を作り出して提供します。
乾燥まで終えてかかる時間は約15分、Reborn、再生するんです。
万博期間中に「ミライ人間洗濯機」を入浴体験できる人を募集予定です。
興味があったらぜひ、応募してください。
小学生時代に感じた「うそやろ!」という衝撃、今度は自分がそう思わせたい
1970年の大阪万博のときは、私は小学4年生でした。
その時にサンヨー館で見た人間洗濯機(ウルトラソニックバス)は、生涯で忘れられないぐらいの衝撃でした。
当時は家にお風呂はなく、銭湯に行くのが習慣だったんですよね。「今日は○○湯に行こうや!」と友達を誘い合って行く、銭湯は遊び場のようなものでもあったんです。
そんな時代にパビリオンで展示された人間洗濯機に、「なんじゃこれ!」となって…。
今までのいろいろな概念が覆され、とことん未来を感じたんですよね。
それ以来ずっと、いつか自分も同じようなことをやりたいと思い続けていました。
私が今度、「うそやろ!未来ってどうなるん」って思わせたいと。
そこで当社では、ファインバブルの技術で驚かし、未来を感じさせることを目指す「うそやろプロジェクト」を展開しています。
宇宙シャワーやボタン一つで出現する雲などワクワクする技術がいっぱい
そのほか、宇宙関連のプロジェクトも進行中。それが「宇宙シャワー」です。
無重力の宇宙で使えるシャワーの開発・実験を、現在行っているんです。
こちらも大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンで展示予定なので、楽しみにしていてください。
さらに、ファインバブルの技術を使ったエンターテインメント要素たっぷりの手洗い場や、屋外の広場にファインバブルの雲を出現させる設備など、みなさんが「うそやろ!」と驚く技術をたっぷりお披露目予定です。
ショールームにある「雲の屋根」。ボタンを押すと、水の層が入った無色透明の天井にファインバブルの雲が出現して日陰を作る仕組みになっています。
大阪万博のときは、日本中が万博で沸いていました。「こんにちは!」の歌が流れ、未来がとても明るく感じました。そのワクワクした高揚感は今でも思い出せます。
最近の日本は元気がないんですよね。この大阪・関西万博は、世界に「日本はやはりすごい」って感じてもらう最後のステージ、最後のチャンスだと思っています。同時に子どもたちにも「日本ってすごい! 日本の未来は面白いものになる!」と思ってもらいたいですね。