入学前に身に付けたい!小学生になってから困らないための“学びの土台づくり”

「小学校に入ったら、毎日どれくらい勉強するの?」「今のうちにどんな学習習慣をつけておけばいい?」小学生から始まる本格的な勉強を前に、学習習慣の身に付け方について心配されている保護者の方も多いのではないでしょうか。
将来的に中学受験を検討しているご家庭はもちろん、そうでないご家庭にとっても、小学校生活をスムーズにスタートするためには「学びの土台づくり」が大切です。
今回は、小学生になってから困らないための「学びの土台づくりのコツをご紹介します。
「学ぶ準備」は、机に座る前から始まっている
学習習慣と聞くと、つい「じっと机に座って勉強すること」を連想するかもしれません。たとえば、毎日同じ時間に学習タイムを確保するためには、生活習慣から見直しをする必要があります。また「自分で持ち物を準備する力」や「気持ちの切り替え」など、学習に向けた心構えの準備も必要になります。
入学後の子どもたちは新生活に慣れるだけで精一杯。学校生活に慣れるには約1~2ヶ月が必要になるといわれています。
初めのうちは、子ども達は授業に集中するだけで疲れて帰ってくることでしょう。入学後にこのような状況下で家庭での学習習慣を身に付けさせるのは、なかなか苦労します。そのため小学校入学を控えた時期や、入学や進級後の新生活に慣れた頃、学ぶ姿勢を意識して生活習慣を見直すとよいでしょう。
入学準備に意識するべきポイントについては、過去の記事も参考にしてください。
過去記事:年長ママ・パパ必見!自己肯定感を下げないための入学準備の進め方
https://enfant.media/learn/1339/
さらに、子どもの学びをサポートする中で、「どれくらいの時間、机に向かえばいいの?」という疑問を持つ方も多いはず。続いては、小学生の学習時間の目安についてご紹介します。
小学生の「学習時間」ってどれくらい?
小学生の学習時間は、どれぐらい確保するものでしょうか。学校でよくいわれているのは1日あたり「学年×10分」「学年×15分」という目安です。
各自に必要な学習時間は個人の能力や目指す進路によって差があります。たとえば中学受験を意識している場合、受験生の平日の目安勉強時間は以下の通りです。
- 小4で平日1~2時間(休日は2~3時間)
- 小5で平日2~3時間(休日は4~5時間)
- 小6で平日4~5時間(休日は8~10時間)
基本問題をしっかりおさえた上で、応用問題にも挑戦できる学力が必要になるため、しっかりと勉強時間を確保するだけでなく、塾などから出される膨大な宿題を効率よく確実にこなす工夫も必要になります。
幼児期は約30分を目標に、短い時間でも机に向かうことを習慣に取り入れましょう。時間の長さよりも、「毎日机に向かうこと」が自然な習慣となるように無理のないペースで続けていくことが大切です
学びの土台は「思考の時間」から
幼児期や小学校低学年にはどのような学習をしておくことが効果的でしょうか。計算や漢字を先取りも一つの方法ですが、本来の学びに欠かせないのは「考える力」です。
考える力とは、目の前の出来事に対して「なぜ?」「どうして?」と興味を持ち、自分の頭で考えることを楽しめる力のことです。考える力が育つと、学習も主体的に取り組めるようになります。
たとえば絵本やブロック、パズルなどを通じて、問いを立てたり、試行錯誤をしたりする経験が思考作りの土台に繋がります。
教材はノートや問題集のような紙面だけにこだわらず、思考を楽しむ土台作りをしましょう。
幼児期の学習サポートの仕方については、下記の記事も参考にしてください。
過去記事:中学受験はいつから意識する?幼児期から身につけたい4つの力
https://enfant.media/learn/83354/
小学校に向けて育てたい幼児期からの「学ぶ姿勢」
将来の学びにおいて重要なのは、知識や計算力だけでなく、「学ぶ姿勢」です。とくに中学受験を視野に入れている場合、幼児期や小学校低学年から「学びに向かう積極的な姿勢」を身に付けておくことが、低学年以降の学習習慣形成につながります。
保護者の方は、子どもの「自分でやってみたい!」という気持ちを尊重し自然に引き出してあげるとよいでしょう。
たとえば小さな成功体験に対して「がんばったね」と褒めてあげたり、挑戦する姿を肯定してあげたりすることで、学ぶ事への楽しさや自信につながります。
反対に、親が事細かにやることを指示したり、何度もミスを責めたりすると、「学ぶこと=注意されること」と認識してしまいます。 おうちの方は干渉しすぎず、子どもが自ら考えて動き機会をつくることが、学ぶ姿勢へのモチベーションUPにつながります。
まとめ:「勉強」よりも「学ぶ準備」を
今回は、幼児期に進めたい「学びの土台づくり」について解説しました。
学習習慣を作るために意識することは、机に何分座って勉強したかよりも、自分から机に向かうための習慣を育てることが大切にです。 なんで?どうして?を大人も一緒に考えてあげたり、パズルやブロックなど様々な遊びの教材を取り入れたりしながら、楽しく学ぶ雰囲気づくりをサポートしましょう。
ナビゲーター

担当カテゴリー
学び・遊び・教育
算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆
RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。