反抗期ゼロでも問題なし?経験者パパが語る家族のカタチ

&あんふぁんをご覧の皆さん、こんにちは!“パパって最高!”な社会を目指す子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。パパ歴は21年。早くも長女が孫を生んだので40代にして新米おじいちゃんでもあります。
今回は「反抗期」のお話。
子育て界隈では定番のヤツです。
この記事を見ている人のほとんどは、今はまだそんなことは想像できないほどかわいさ全開で愛おしい時間を送っているかもしれませんが、子育てというのは子どもの成長とともに“少し先”を見越していろいろと考えてしまうものだと思います。
パパママ問わず、ちょっと怖さを感じている人が多い「反抗期」ですが、必ず来るか?というとそうでもないようです。
少し古いデータですが、2016年に明治安田生活福祉研究所が行った調査によると、男性の4割、女性の3割が「反抗期と思える時期はなかった」と回答したそうです。
まあ、そう考えると「反抗期が来る」ケースの方が多いわけですが、それでもきっと思ったよりは少ないのではないでしょうか?
反抗期はなきゃいけないもの?
我が家の場合。すでに21歳の長女に反抗期らしきものはありませんでした。そして、13歳の次女も今のところその感じはありません。まあ次女についてはまだまだこれから来る可能性も十分にありますが。
そして何より、僕自身に反抗期がありませんでした。中高一貫の男子校育ちで中にはバリバリ反抗している人もいましたが、僕の周りは家族と仲良しの人が多かったように感じます。なぜ反抗期がなかったのか?自分ではよくわかりませんが、兄が反抗している様子を見ていて「なんでそんな風になるんだろう?」とただただ不思議だったのと、「反抗するより普通にしていた方がスムーズだよな」と感じていたことは覚えています。
一般的に反抗期は、思春期に自我が芽生え、親に反抗して自分のやりたいようにやりたいと主張する的な成長の過程で起こる通過儀礼のようなものだと認識しています。そして、自立した大人になっていくためには重要なものだと言う方もたくさんいます。
ん?僕はなかったけど、大丈夫なのか??
という疑問を持った時期もありました。ただ、反抗期がなかったことで大人になってから困ったことは特にないんですよね。気づいていないだけかもしれないですけど。
また、自立ということがキーワードなのだとしたら、母親に言わせると僕は中高生でかなり自立していると感じていたそうです。具体的には、自分の部屋がなかったので中学生の頃から勉強は近くのカフェやファミレスでしていましたし、行きたい学校やサッカークラブなどは自分で探してきてプレゼンしていた感じです。その頃から自分で料理もしていましたし。
じゃあ、同じく反抗期がなかった長女はどうか?彼女もかなり自立は早かった印象です。一人で海外に短期留学に行ったのは中2ですし、17歳から約2年はポルトガルでシェアハウス暮らしでした。 そう考えると、自立と反抗期は関係ないんじゃないかとも感じるわけです。
「反抗期、まだ?」
以前、教育ジャーナリストの方に言われたことが印象に残っています。
僕、反抗期なかったんですけど大丈夫ですかね?と聞いてみたら…
「だって、そもそも押さえつけられてなかったから、反抗する必要なかったでしょ?」
確かに!良く言えば放任主義で育った三男坊なので、「あーしろ、こーしろ」はほとんどなかったです。何かをやりたいと言うと「それいくらかかる?」ということだけ聞かれました。
もしかしたら、最初から「押さえつけない」ことが反抗期対策になるかもしれません。かといってなんでもOKというわけではなかったですが、感覚的にやりたいと言ったことはとりあえず聞いてくれて一緒に考えてGO or STOPを判断してくれていたと思います。
長女に対してはどうか。そんな環境で育ったわけで、押さえつけるような感覚はなかったです。というか、中心となる活動がバレエという、僕にはまったくわからない世界だったので口出しできないところもありました。
ちなみに長女に後から聞いたら「反抗するタイミングがなかった」と言っていました。何せ毎日ほぼバレエレッスンだったので、それもそうかなと思います。僕らに反抗する余力がなかったんでしょう。
それともう一つ。僕なりにしていた対策が一緒に反抗期を待つというものでした。
ほぼ父親的な予防線でもあったのですが、小学校高学年くらいからことあるごとに「ねえ、反抗期まだ来ない?」と聞いていました。最初の内はキョトンとしていた長女も中学生くらいになると、周りにわかりやすい反抗期の子がいて「私はまだ来ないね~」と返すようになりました。で、結局そのまま成人したのです。
僕は事前に反抗期は自立のためのプレリュードくらいに思っていたのですが、長女にはあくまでポジティブなものとして話していて、来たらこっちも対策するから教えてね、くらいのテンションで話していました。
もしかしたら、それもよかったのかもしれない。
僕もそうですが、長女もきっと反抗期にネガティブな印象がないままに育ってきたようです。だから、多少反抗したいときも「反抗期来たかも!」という変なテンションで報告してきたりしました。(もちろん結局すぐに反抗はおさまるのですが)
必ず来るとは限らない「反抗期」。もし来たらどうしよう…と悩むのではなく、ちょっと早めから反抗期について親子でポジティブに話しておくと、かなり状況は変わるんだろうと感じています。ただ、これと同じことが次女で起こるかどうかはわかりません。
以前、SNSでは「反抗期届け」というものが話題になりましたが、これも同じような感じかもしれません。その届けを出す子って全然反抗してないですよね(笑)。 ぜひ皆さんも反抗期が来る前、ちょっと早めから話してみてください!
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担当カテゴリー
学び・遊び・教育
兼業主夫放送作家 杉山錠士
1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)