絵本を通して親子で防災について考えみませんか?①ハザードマップと乳幼児の防災

絵本を通して親子で防災について考えみませんか?①ハザードマップと乳幼児の防災

絵本専門士である私は、今年出版された絵本を通して、「防災士」という資格があることを初めて知りました。
絵本の専門家として、「防災」という観点に興味を持ち、防災士の資格を持つ専門家の方に、小さな子どもを持つ親ができる防災についてインタビューしました。

私が最初に「防災士」という資格を知ったのがこの絵本でした。今年の1月に発売された新しい絵本。絵本専門士でもあり防災士でもある古賀涼子さんが監修をしています。

せっかく知ったこの絵本を、ぜひみなさんにも知ってほしいと思い、「防災」について調べていたところ、私の身近にも実は防災士さんがいることがわかりました。

そこで、防災士さんに親子の防災について、教えていただきました。

■災害のことを考えるだけで、不安で仕方がありませんでした

鳥山

私は子どもが3人います。0歳・2歳・4歳の時に東日本大震災が起こりました。その時、自分ひとりの時に地震が起こったら、この子たちをどうしたらいいの?そう思うと、不安で仕方なかったことを思い出します。ただ、結局結論を出すことはできず、あきらめて「考えないようにしよう」と思ったことがあります。

Uno防災士(以下、Uno)

あきらめないでください! 子どもがいるからこそ、事前の備えが大事ですよね。まずはできることを見つけて行動に移すことが大切です。

■備えが大事!何をすべき?

鳥山

では、まず「これだけは!」ということを教えてください。何をすればいいですか?

Uno

防災初心者で何をしたらいいのかわからない人は、まずは地震、水害など、自分の住んでいる地域にどんな危険があるのかを知ることが大事です。地域によっては、土砂災害、津波、火山などもありますので、一度地域のハザードマップをチェックしてみてください。

■ハザードマップをチェックしてみよう!

鳥山

ハザードマップってしっかり見たことないのですが、どんなものですか?

Uno

ハザードマップは、自治体によっては、各家庭に配られている地域もありますが、多くの自治体ではホームページで確認することができます。

もしくは国土地理院や気象庁のホームページでも掲載されています。例えば、以下は私の住む京都市の水害ハザードマップです。

京都市防災ポータルサイトhttps://www.bousai.city.kyoto.lg.jp/より

住んでいる地域のハザードマップをチェックしておこう

避難所の位置や、どのくらいの水害でどの程度の被害が想定されるかを確認することができます。スマホでも見ることができるので、ご自身の住まいのマップをチェックしてみてください。

ただ、備えとしてハザードマップを確認するのはとても大事なことですが、近年は気候変動、地球温暖化の影響で、今まで大丈夫だったことが今後も大丈夫とは限りません。ハザードマップの被害想定を見た際に「自分のところは他の地域に比べて被害が少ないから大丈夫」というような安心感を持つことは危険だということも念頭においておきましょう。

■絵本から学ぶ防災 「どうぶつポーズで あそボウサイ」

鳥山

この絵本では、幼児が遊びの中でくり返し、いざという時にとるべき行動について、わかりやすく絵で紹介されています。日々の遊びの中で繰り返し体験し、体になじませることが大事、と書かれています。

「どうぶつポーズで あそボウサイ」

作・絵:かなざわ まゆこ(金澤 麻由子)、監修:こが りょうこ(古賀 涼子)  KADOKAWA

「どうぶつポーズで あそボウサイ」より

Uno

いざという時には大人でも訓練のようには動けないことは多いものです。子どもなら、なおさらですよね。繰り返し遊びの中で楽しみながら体験することで、体が自然に覚えていくよう、親子で何度も絵本を開いてほしいと思います。「コアラのポーズだよ」という声で、子どもが自ら「何か危険なんだな」ということがわかるように日々訓練しましょう。

ただ、子どもは一度覚えたら忠実に覚えたことしかしない、ということもありますので、「この絵本に載っていることがすべてではない」ということ、時にはこの絵本に登場しない動物にならなければならない場合もある、ということも、少しずつ伝えていく必要があります。

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防災士とは

防災士とは”自助”“共助”“協働”を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人。全国で32万人以上が、防災士として認証登録されている。(認定特定非営利活動法人 日本防災士機構HPより)

Uno(防災士):息子が中学1年の時、なにか資格試験を受けたいと相談があり、息子の興味のあることで調べた結果、「防災士」がいいのでは?ということに。それならば、と母も一緒に受験勉強をして資格を取得。親子の防災についてわかりやすく伝えるにはどうしたらいいか模索しながら、子育て支援施設等で伝授する活動を行っている。

絵本専門士とは

絵本専門士とは、絵本に関する高度な知識、技能及び感性を備えた絵本の専門家として、国立青少年教育振興機構が実施する絵本専門士養成講座を修了したもので、現在全国に1000人ほどが認定されている。

ライター

絵本専門士鳥山由紀の画像

絵本専門士 鳥山由紀

絵本専門士、絵本セラピスト(R)。 乳児親子向け施設、小学校等絵本読み聞かせの他、絵本に関する講演・執筆、大学講師等。2021年絵本販売店「絵本選書・販売 月のクローバー」を開業、イベント等にて出店。2017年より、京都市保育士会機関紙「ほほえみ」連載中。2018年から絵本読み聞かせと箏演奏のユニット「ことえほん」を立ち上げ活動中。3児の母。 ブログ「えほんらへん」

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