子どもたちの本音を引き出す寝る前の「赤ちゃんタイム」タレント・2児のママ鈴木あきえさん流子育て

タレント・リポーターとして活躍しながら、2児のママとして子育てに励む鈴木あきえさんの連載コラム。今回は、小学生になった息子の“朝のルーティン”や、宿題への向き合い方、そして妹の心の揺れに寄り添う日々について。赤ちゃんごっこや家族のオリジナルルールなど、あきえさんならではの工夫が詰まった子育てエピソードをお届けします。
学校に行く朝はごきげんに!早起きを楽しみに変える方法
朝の自分時間が“早起きの秘訣”
学校がある日も息子は、毎朝びっくりするくらいスムーズに起きてくるんです。自分から「6時半に起こしてね」と言うんですけど、だいたいは目覚ましが鳴る前に自分で起きてきます。その理由が、「学校に行く前に、自分の好きな動画を見たいから」なんですよね。動画を見ながら、朝の自由な時間を過ごすのが彼にとっての楽しみになっています。
朝から動画ってどうなんだろうって思って、「朝の動画はやめてみようか」と提案したことがありました。でもそうしたら、途端に起きられなくなってしまって…。それからは、「朝ごはんまでなら動画OK」というルールに変更しました。「朝ちゃんと起きられたらだよ」という約束をすると、とても順調に起きるようになったんです。やっぱり、“朝の楽しみ”って大事なんだなと実感しました。
就寝前の“誰が1番に起きられるかゲーム”
もうひとつ、早起きに役立っているのが、家族でやっているちょっとした“ゲーム”です。みんなで寝る前に「明日の朝、誰が1番に起きられるかゲーム」をしてから布団に入るのが習慣になっています。これをやると、子どもたちも「早く寝なきゃ!」って自然と寝るモードになるんですよ。たいてい息子が一番に起きて、「おはようございまーす!」って、朝からものすごくハイテンション(笑)。それに対して妹は、「あ〜今日も2番だった〜」ってちょっと悔しがったり。でも、ちょっとしたゲーム感覚があることで、朝の眠気も吹き飛ぶみたいです。
わが家のユニークな目覚ましルール
とはいえ、いつも完璧に早起きできるわけではありません。たまに寝るのが少し遅くなってしまい、起きられない日もあります。そういうときは、うちでは「ホクロスイッチ」という、ちょっと変わった目覚ましのルールを作っています。「眠いときは、それぞれのホクロを“ピッ”と押すと起きる」っていう遊びのようなルールが自然とできています(笑)。
押された人は、眠くてもリアクションしないといけないので、なんとなく目が覚めちゃうんです。私も「今日はちょっと眠いな…」ってときに、子どもにホクロスイッチを“ピッ”て押されると、「ああ、起きるか~」って気分になるんですよね。そんなふうに、眠たい朝もゲーム感覚で“ホクロスイッチ”で楽しく乗り越えています。
“やりなさい”をやめたらうまくいった!宿題との向き合い方が変わったきっかけ
親が何度言ってもダメだった宿題、友達の誘いで習慣に
放課後は学童で宿題をする時間があるんです。もちろん強制ではなくて、「やってもいいし、やらなくてもいいし、遊んでもいいよ」という感じで自由。最初のうちは、うちの子は全然やらなくて、家に帰ってから「宿題やった?」「やってない」「やりなさい」「今やろうと思ってた」…みたいなやりとりが毎日続いて、これはちょっと困ったなと思っていました。
そんなある日、学童のお友だちに「一緒に宿題やろう」って誘われてから、学童で宿題をやるのが、自然と息子のルーティーンになりました。「一人じゃやる気にならないけれど、友だちと一緒だとできるんだよね」と言っています。習い事がある日でも、「宿題やりたいから学童に30分だけ寄ってくる」って、自分から言うようになったんです!親の言葉よりも友だちの一言が、息子のやる気スイッチを押してくれたので、お友だちにはとても感謝しています。
言い過ぎない声がけで、やる気が出るタイミングを見守る
土曜日の宿題は学童ではできないので、「早くやっちゃいなよ」「終わらせた方が楽だよ」と、つい何度も声をかけてしまっていたんです。でも息子からは「今はやる気にならないんだよね」と返されることが何度かあって。自分でも「あ、ちょっと言いすぎてるかも」と思うところがあったので、一度引いてみることにしました。「そういう時もあるよね。やる気が出たらやればいいよ」と伝えて、それからは「やりなさい」と言うのをやめたんです。
するとその日のうちに、「宿題やる!」と自分から言い出して、さっと机に向かい、あっという間に終わらせてしまいました。子どもには子どもなりのペースがあるんですよね。つい口を出したくなる気持ちをぐっとこらえて、“信じて見守る”ということの大切さを、あらためて実感しました。
環境が変わって感じた、子どもたちの心の揺れと本音
小学生になったお兄ちゃんに、妹の心も揺れる
うちの娘はお兄ちゃんのことが大好きで、何でも一緒がいいタイプなんです。だから、お兄ちゃんが小学生になったのがとてもうらやましいみたいで、「私も早く小学生になりたい!」「いつなれるの?」って言っていました。一方で、小学生になったお兄ちゃんが1人で登校したり、新しい生活に変わっていく様子を見て、ちょっと心が揺れているのか、「やっぱり赤ちゃんに戻りたい」と言ってくることもあります。
「小学生になりたい」「でも赤ちゃんがいい」っていう気持ちの揺れがあるのかな、と感じていた頃、娘が「赤ちゃんのときの動画見せて」とよく言うようになったんです。そこで「じゃあ今、赤ちゃんやってみる?」と提案してみたら、「やる!」ということで、寝る前の3分に“赤ちゃんタイム”をつくるようになりました。
赤ちゃんタイムで出てくる、子どもたちの本音
「赤ちゃんやりたい人ー?」と声をかけると、2人とも「はーい!」と満面の笑顔で集まってきます(笑)。この時間は、甘えるのも自由、何を言っても大丈夫な“甘え放題”の時間。「赤ちゃん、今日困ったことあった?」と聞くと、娘は「ここがかゆい」とか軽い感じなんですが、お兄ちゃんは意外と本音をポロッと話してくれるんです。この前は、「実は…算数が本当に苦手なんだよね」と言っていて、そういうことは普段なかなか話してくれなかったので、「ああ、こういう時間がないと聞けなかったな」と思いました。
普段の何気ないことが娘にとっては“特別な思い出”に
私と娘でお兄ちゃんに忘れ物を学校に届けに行く用事があったんです。「面倒かな?」「イヤかな?」と思っていましたが、娘にとっては“ママと2人で学校に行けたこと”が楽しかったようで、「また2人でこっそり行って、帰りにスーパー寄ろうね」って、とてもうれしそうに言ってくれたんです。日常のちょっとしたことが、子どもにとっては特別な思い出になってるんだなと気づかされました。そうやって赤ちゃんタイムを続けていくうちに、子どもたちの“今の気持ち”が見えてきた気がします。
これからも、日々のちょっとした工夫を重ねながら、子どもたちの気持ちに寄り添い、成長を楽しみながら見守っていきたいと思います。
取材・文/やまさきけいこ