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「給食がつらい」少食な息子がぶつかった壁…その向こうに見えたものは

「給食がつらい」少食な息子がぶつかった壁…その向こうに見えたものは

小学生になったらどんな楽しいことがあるのかな、どんなお友達ができるかな。ワクワクしながら1年生になった息子が、一番最初にぶつかった壁は給食でした。

幼稚園の頃も給食に苦戦していた息子。決められた時間内に自分が食べられる量以上に食べなければいけないので、ただ目の前のものを口に入れるので精一杯なのです。
実は子どもの頃の私もまったく同じ経験をしていたので、息子の気持ちが痛いほどわかります。私も食が細く給食が苦手でした。

息子が幼稚園の頃は先生に相談して、初めに自分が食べられる量を決めてそれを残さず食べることを目標に頑張って食べていました。でも小学校の担任の先生は「そういうワガママは許しません」の一点張り。

給食を食べられないことで自分に自信がもてなくなってしまった息子は、何かできないことがあると「どうせぼくなんか」と投げやりな言葉を使うようになってしまいました。

学校とは違う習い事での息子の姿

ほかのクラスやほかの小学校はどんな感じなんだろう? そう思った私は息子が幼稚園のころから通っているスポーツクラブに集まるママさんたちに、話を聞いてみることにしました。

給食のことで、自分に自信をもてなくなっていた息子ですが、スポーツクラブのときはとても楽しそう。
スポーツクラブの先生は幼稚園の頃から知っているお兄さんのような存在で、ずっと挑戦してきた二重跳びが少しずつ成功するようになると、自分のことのように喜んでくれます。そしてそこには元気いっぱいの息子の笑顔がありました。

自分を肯定することで変わる行動力

担任の先生の考え方が急に変わることはありません。でも、スポーツクラブの経験からヒントを得た息子は、給食の配膳の列に並ぶときにまわりのお友達に声をかけてみたそうです。
「自分はたくさん食べられないから少なめに、その分たくさん食べられる人に少し多めによそってほしい」と伝えると、お友達は喜んでくれたそうです。先生はたくさん食べたい子どもに減らすようにとは言えないようで、まわりのお友達から自然に声かけが広がり、みんなの気持ちに寄り添った盛り付け方に変化していったようです。
そんな日々が続き、いつからか「どうせぼくなんか」という言葉が息子から出てくることもなくなりました。

考え方の違いから学ぶこと

息子はたくさん食べる方ではありませんが、たくさん遊んだあとはごはんをおかわりするし、家族がおいしそうに食べていれば少し苦手な野菜が入っていても「少しちょうだい」と、ひと口食べてみたりもします。
そうすることの繰り返しで体が大きくなれば食べる量も自然に増えて、食べられる食材も増えるので、私は自然にそうなればいいかなと思っていました。

でも、小学校に入学して初めて先生と食べることへの考え方の違いに触れ、給食の壁にぶつかり、どのようにすればいいのか思い悩むばかりでした。

私ひとりで、この問題を解決するのはとても難しいことでした。でも、スポーツクラブの先生やお友達に自分の気持ちをわかってもらえたことで、今いる学校の中の自分の状況を変えようと、自ら一歩を踏み出した息子。
現状を乗り越えようと工夫する気持ちは、その先を生きるための子ども自身の力に変わるのかもしれないと思った私です。

ライター

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漫画家。ニュースライター。 しみず宇海

子どもの頃に不登校の経験あり。子育てを通して知り合った人との関わり方にちょっぴり慎重になりつつ、男の子と女の子の子育てをしています。
子どもたちと一緒にいろんなことに挑戦して、青春やりなおし中。
幼稚園・小学校の子どもたちとのほんわかエピソードを漫画にしています。

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