「子どもとお風呂」いつまでOK?いつから一人でOK?4000組の親子に聞いてみた
すくすく大きくなっていくわが子。小さいころからの習慣で一緒にお風呂に入っているけれど、これから少しずつ体つきが大人に近くなっていく中で、「いつまで一緒にお風呂に入ってもいいのだろう」と考えたことはありませんか? 親子とはいえ、みんなはいつまでと考えているのか気になりますよね。
今回は、私のインスタグラムのフォロワーのべ4000組以上の親子に、「親子で何歳まで一緒にお風呂に入る?」についてアンケートを取りました。
小学校の通常級担任や特別支援教育コーディネーターとして活動した経験から、親子で入るお風呂の時間について詳しくお伝えします。
社会でのボーダーは?「公衆浴場のルール」
より多くの人が利用する場には、決まったルールがあります。例えば公衆浴場(スーパー銭湯などのお風呂屋さん)について。ルールの大本は、厚生労働省から出されている混浴に関わる省令『衛生管理要領』です。
その中には以下の記述があります。
【入浴者に対する制限】おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと。
公衆浴場入浴料金の統制額の指定等に関する省令
公衆浴場における衛生等管理要領等について(全文)(令和2年12月10日時点)
令和2年12月、この省令で子どもの年齢制限が10歳から7歳に引き下げられました。「7歳」の根拠は子どもに対する聞き取り調査で「混浴をはずかしいと思い始めた年齢」が6~7歳でもっとも多かったことが理由とされています(『子どもの発育発達と公衆浴場における混浴年齢に関する研究(令和2年7月)』より)。
これをもとに都道府県が条例を決めて、各公衆浴場が条例に沿って注意書きなどに書くという流れになっています。公衆浴場ではこれに加えて、体格の大きさで測る「身長120cm」という制限を足していることも多いようです。
みんなはどうしてる? 同性親子1965組のアンケート結果!
外のルールは年齢がきっちり決まっていますが、実際にそれぞれの家庭ではどうしているのか気になるところですよね。
まずは同性親子(パパと男の子、ママと女の子)へのアンケートから紹介します。
【男の子&お父さん 706組】
小学校入学まで:8%
1~3年生頃まで:44%
4~6年生頃まで:31%
それ以外:17%
【女の子&お母さん 1259組】
小学校入学まで:8%
1~3年生頃まで:49%
4~6年生頃まで:29%
それ以外:14%
どちらも半数近くが「1~3年生頃まで」という結果でした。男親でも女親でも、各回答の割合には大きな差がありません。4年生以降の割合も4割以上あるので、同性同士であれば大きくなっても一緒に入っている家庭は珍しくないようです。
異性親子2347組のアンケート結果!
「一緒にお風呂問題」で悩ましいのは、やはり親子が異性同士の場合です。
【男の子&お母さん 1509組】
小学校入学まで:14%
1~3年生頃まで:61%
4~6年生頃まで:21%
それ以外:4%
【女の子&お父さん 838組】
小学校入学まで:25%
1~3年生頃まで:55%
4~6年生頃まで:13%
それ以外:7%
こちらはやはり同性同士の親子よりも、別々にお風呂に入り始める時期が早くなっています。4年生以降の割合が3割を切る状態です。
しかしお風呂は子どもの事故が多い場所でもあります。お子さんの体の大きさや注意力を見ながら、安全に入れるようになるまでは、大人と一緒に入る必要もあるでしょう。
私の目安はこの本「おうち性教育はじめます」
私自身が子どものときに、性に関する教育についてはきちんと受けた覚えがありませんし、学校で指導する教員の間でも意見が分かれることがあります。そこで、私が「わが家はどうしよう?」と考えるときは、「おうち性教育はじめます」という本を参考にしています。子どもへの適切な性教育の方法や、異性の親が子どもとお風呂を別にする時期についても書かれています。
・体つきの変化が出だしたら、異性の親とはお風呂も寝室も別にしたほうがいい
・体つきが変わると生物学的に異性ととらえてしまうことがある
・子どもは親からの性的な視線を敏感に感じ、嫌な気持ちになる
一般に女の子は10歳、男の子は12歳ごろに体の変化がはっきりしてきます。変化の始まりはさらに前でしょう。もちろん、一人ひとり時期は違います。
「もしかして?」と思ったら、“お風呂や寝室を別にする時期がきている”と考えた方がよさそうです。
ちいさな自立!別々でお風呂に入れるように
子どもをお風呂に入れることを誰かの役割と決めている家庭もあれば、ワンオペ環境で決まったメンバーで入るしかないおうちもあるでしょう。
しかしいずれは別々にお風呂に入る時期がきます。ゆくゆくはひとりでも入れるように、声をかけて練習していけるといいですね。
・体や髪の洗い方をチェックし、洗い忘れがないように確認させる
・お風呂での事故や危険について教えておく
・休日など(時間に余裕があるとき)にひとりで入る機会を作ってみる
体を洗う、髪を洗うなど、自分でできることから順番に取り組ませて、「今日はひとりで入ってみる?」「もうそろそろひとりで入れるかな?」と順々に促していきましょう。
イヤがる時に無理強いする必要はありません。一緒に入れる時間を大事にしながら、自立へ向かっていきたいですね。