ルールを守らせたいのに、つい怒りがちに…「ルール」の考え方と怒りをコントロールするコツ

ルールを守らせたいのに、つい怒りがちに…「ルール」の考え方と怒りをコントロールするコツ

このコラムでは大阪教育大学教育学部教授の小崎先生が、「こんな時どうしたらいいの?」「子育ての“ココ”が知りたい!」という皆さんのお悩みに答えます。今回は未就学児のお子さんについてのお悩みです。

Question: 「⼦どもへのルールの守らせ⽅に悩んでいます。どうしても怒りがちになってしまいますが、よい⽅法はありますか?」

この問題に対応するためによい方法を、下記の2つの視点から考えてみましょう。

・どのようにルールを守らせればよいのか?
・怒りをどのようにコントロールするのか?

1.どのようにルールを守らせればよいのか?

子どもがルールを守るのは難しい

子どもが自らルールを守れるようになるのは、とても難しいです。そもそも子どもという存在は、自分勝手でわがままで、社会の秩序やルール、マナーから一番縁遠い生き物なのですから。しかし反対に言えば、それが子どもという生き物の特徴であり、だからこそ子育てには大きな意味が存在します。

ルールというのは極端に言えば、子どもの預かり知らぬ場面において、社会や大人、あるいは保護者の方が勝手に作ったものなのです。子どもは特にそのルールなどを理解して契約をしたわけでもなく、承諾をして生まれてきたわけでもありません。そのように考えてみると、何もわからない真っ白な子どもという生き物に、成長や生活を通じて社会や家庭のルールやマナー、モラルを伝えていく営みこそが子育ての本質だといえます。なかなか奥深いことですね。

「なぜルールがあるのか」を一緒に考えよう

だからこそ、どのようにしてルールを守らせればよいのかに悩むのでしょう。これについてはあまり明確な答えはありません。それは子どもの年齢や環境、また親自身の価値観などによりその基準が大きく異なるからです。

一つだけ言えるのは、ルールの根底には価値観が存在します。表面的なルールを守ることばかりに意識が向いてしまうと、その根底にある大切な価値観や思いが伝わりません。ルールとともに「なぜそのルールがあるのか?」「これを守らないと誰が困るのか?」「ルール自体の意味は何か?」など、一緒に考えたりしていきましょう。少し怒る回数が減るのではないでしょうか。

2.怒りをどのようにコントロールするのか?

「怒り」や「哀しみ」は否定されるもの?

もう一つの視点は「怒り」を、どのようにコントロールすればよいかということです。人間は感情の生き物です。喜怒哀楽があり、それが人の生活を豊かにしてくれます。この喜怒哀楽や感情は子どもたちにとっても大切なものです。

しかし「喜・楽」は肯定的に捉えられている一方で、「怒・哀」はあまり評価されません。それどころか子育てや子どもとの関わりでは、極端に否定的に捉えられる傾向にあります。果たしてそうなのでしょうか。

「喜怒哀楽」は4つ感情がそろって一つの言葉となっています。ここには大きな意味があると思います。人の感情の豊かさや機微は、単に楽しい気持ちだけではなく、時にはそれ以外の否定的なものも含まれます。またその感覚が、人の生活を深め豊かなものにしてくれます。

「怒り」と「ほめる」のバランスを心がけて

子どもにとってもこれは同じだと思います。楽しいことをたくさん感じてほしいですが、時には悲しみや怒りなどもきちんと感じ、そして発信してほしいです。感性と感情の豊かな子どもになってほしいです。

その前提となるのは、子どもの育ちにおける周りの人との感情的な関わりです。特に保護者の思いや感情などをダイレクトに子ども達は感じています。だから「怒り」は決してダメなものではないのです。ただし怒りばかりの関わりは、子どもにとってはしんどいものになります。

同時に親にとってもつらいですね。だからバランスを心がけてほしいです。怒ることもあるけど、その何倍もほめてあげたり、楽しい感情を共有できるようにするというイメージです。「1つ怒ったら、3つほめる」こんな感じで子どもたちと関わってみてはどうでしょうか?

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学び・遊び・教育

大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

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