体力がついていかない…、そんな年配パパは注目!「子どもと楽しく遊ぶコツ」って?
「すでに50歳を超えていて、体力がついていけない時が多々あります…」そんな悩める年配パパに向けて、大阪教育大学教授で大阪教育大学附属天王寺小学校長の小崎恭弘さんに、「子どもと楽しく遊ぶコツ」をレクチャーしてもらいました。
日本人の父親になる平均年齢は2020年、34.1歳と過去最高年齢を記録
表/父親の年代別出生数
2020年 人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生 より
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411634
社会全体の晩婚化の中で、男性が父親になる年齢も年々上昇しています。上記の表は2020年に生まれた子どもの父親の年齢を調べたものです。半数以上は30代の父親ですが、50代以上の父親も全体の1%程度いることがわかります。2020年の父親になる平均年齢は34.1歳と過去最高年齢となっています。ちなみに1975年は30.1歳でした。
「パパは体力勝負!」というイメージにとらわれず、自分らしいパパ像を作り上げて
全体から見ると少数ではありますが、それでも50代以上のパパたちも頑張って子育てしている姿が浮かびます。そんな年配パパたちにちょっとしたアドバイスです。
まずは「パパは元気でアクティブ! 体力勝負!」というイメージがあるのは、事実でしょう。しかし、若くても全てのパパがそのイメージ通りであるわけではありません。反対に、年配パパの中でも元気で溌剌(はつらつ)としてアクティブな方もいらっしゃると思います。だからまずは、そのイメージだけを意識するのではなく、一人一人が自分らしいパパ像を考え、そしてそれを作り上げていけば良いのではないでしょうか。
年を取ると、昔に比べて体力が落ち、機敏に動けないこともあります。だからって無理をする必要はないのです。とはいうものの、子どもたちは元気で活発に動き回っていることが多いですよね。そんな時の関わり方のヒントです。
1.子どもが自分で活動できるように工夫する
保育士時代のことですが、運動会が終わっても5歳児のリレーブームは続いていました。もちろん誘われるのですが、そんな毎回走り続けることもできません。そんな時は、赤いコーンを四角形になるように角に4つ置き、リレーをしたい子どもたちをそれぞれ数人配置してリレーをスタート! 担任の私は、真ん中で応援していました。このリレーは次々に走者が入れ替わり、そして永遠に続くのです。こどもたちは思う存分走り、リレーを楽しむことができます。こんなふうに自分が動くのではなく、動いて遊んだりできるように工夫をしてみてください。
2.運動にこだわらない
必ずしも全ての子どもが運動や体を動かすことが、好きなわけではありません。それ以上に絵を書いたりブロックをしたり、ボードゲームで遊ぶことが好きな子どもたちもたくさんいます。だからパパの得意なことや好きなことに、子どもを誘い一緒にそれらを楽しんでほしいと思います。苦手なものをイヤイヤするよりは、パパが楽しいと思えることを楽しくする方が良いと思います。
子どもたちとの遊びや関わりは、多様性が大切であると思います。子どもにどのような才能や可能性があるのか分かりません。パパの苦手なものが得意になるかもしれませんし、パパの得意なことを好きになるかもしれません。パパ自身が全てをうまくやる必要はありません。一緒にいろいろなことに挑戦しながら楽しむことを大切にしましょう。
教えてくれたのは
小崎恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。
http://kasei.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/teachers/5.html
ナビゲーター
担当カテゴリー
学び・遊び・教育
大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。