秋の公園で探すお宝「どんぐり」を楽しみ尽くそう!

子どもの服を洗おうとしたら、ポケットから砂や小石、葉っぱや木の実が出てきた経験はありませんか? 大人にとっては「ただのゴミ」かもしれませんが、子どもにとっては立派なお宝。身近な自然こそが、一番魅力的なおもちゃになる時期があります。
おもちゃは「足りないくらい」がちょうどいい?
幼児期は感覚がぐんぐん育つ時期。大きさや形、色、重さ、手触りや音など、自然の中で出会う一つひとつが新しい発見です。遊び方が決まったおもちゃよりも、自分で見つけて、自分なりの方法で遊ぶことが、子どもの自主性や創造力を伸ばしていきます。
大人から見れば「どこが楽しいの?」と思うような遊びでも、子どもにとってはワクワクの宝庫。子どもにとってのおもちゃは、むしろ“足りないくらい”がちょうどいいのです。
秋の公園は宝の山
秋の公園には、子どもたちが夢中になる素材がいっぱい。落ち葉や木の実、石ころ、蝉の抜け殻などいろいろありますが、中でも「どんぐり」は子どもたちに不動の人気です。
1)どんぐり探し
どんぐり遊びの楽しさは、探すことから始まります。山や公園など、身近な場所で探してみましょう。関東ではシイ、カシ、クヌギあたりがよく見つかります。子供と一緒に探すうちにいつしか夢中になって、気がつけば袋いっぱいのどんぐり。親子で「見つけた!」と比べ合うだけで楽しい時間になります。


さまざまな種類のどんぐり
取ってきたどんぐりの大きさを比べたり、形ごとに分類したり、触って楽しんでみましょう。2〜4歳ならたくさんある中から同じ形を見つける「同じもの探し」も良いですし、5歳以降なら何の木のどんぐりなのか調べてみるたり、何個あるか数えるのも楽しそうです。
*注意
拾ってきたどんぐりは、チョッキリやゾウムシなど虫が食害している場合があります。虫が食べているのに気がつかずに子どもが拾って来ることもありますので、家庭で使う場合には必ずきれいに洗って天日干しにしましょう。濡れたままだとカビが生えやすいので、しっかり乾かしてくださいね。

マテバシイは関東圏の公園で最もよく見かけるどんぐり。3センチ前後の細長い形をしており、工作に使いやすい。

クヌギは4センチほどのまん丸いどんぐり。

シラカシは小ぶりで雨粒のような形。
2)どんぐりで遊ぶ!学ぶ!アイデア
たくさん取ってきたどんぐり、さてどう楽しみましょうか?もちろん子供に任せて自由に遊んで構いませんが、自然物をお仕事の道具として取り入れることが得意なモンテッソーリの教室から、参考になる使い方を紹介します。
マラカス遊び
対象年齢2歳〜
紙コップの中にどんぐりを入れ、もうひとつの紙コップで蓋をします。テープで止めたら即席マラカスの完成!どんぐりの個数を変えたり、複数の種類入れたりして、音の違いを楽しんでみよう。

どんぐりを入れて・・・

2つ重ね、真ん中をテープで止めたら完成!
0遊び
対象年齢
モンテッソーリの数の活動に「0遊び」があります。「1〜5」までの数字を読んで、数えられる子が楽しめるお仕事です。

数字が書かれたカードと玉で遊びます。カードをランダムに引き、書かれている数字の分だけ玉を並べて「数字」と「量」を一致させます。「0」を引いたら、玉は取りません。「0は何にもないってことだよね」と0の概念を教えます。カードの数だけ繰り返して、最後にどんぐりのカゴが空っぽになったら、正しく数えられた証拠です。
基本のやり方は以下の通り、慣れてきたら数字カードを10まで増やしてもいいです。







秘密袋
対象年齢 3歳〜
中身の見えない袋の中から、感触を頼りに目的のものを探す「秘密袋」も、子どもたちが大好きなモンテッソーリの活動です。

教室では二人の子どもが一袋ずつ持って活動します。一人の子供がひとつものを出すと、もう一人は自分の袋の中から同じものを出します。中身を除かず、手の感触だけを頼りに探します。
同じものを探し出せたら「おんなじ〜!」と嬉しそうにしています。ご家庭ではどんぐり、松ぼっくりなどの自然物のほか、明かに手触りの違う「洗濯バサミ」や「スプーン」などを混ぜても楽しいと思います。袋に入れるものは大体5〜7種類くらいがちょうど良いです。
まとめ
今回はどんぐりを使って遊ぶ方法をあれこれ紹介しましたが、遊びのルールは自由です。子ども自身が楽しみ方を見つけていくことが、何よりの学びになります。暑い夏がすぎ、過ごしやすくなるこれからの季節、子どものポケットからどんぐりが出てきても、ちょっと笑って見守ってあげてくださいね。それは、子どもが自然の中でしっかりと「遊び」と「学び」を見つけている証拠です。