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「タイムスリップ育児」で肩の力を抜いていこう!【梅小鉢・高田さん、小森さん連載コラム最終回】

結成25年のお笑いコンビ・梅小鉢。高田紗千子さん(長男6歳・次男2歳)と小森麻由さん(長男小3・次男小1)は、これまで『&あんふぁん』の連載コラムで、ママならではの発見や日常のひとコマを等身大の言葉で届けてきました。最終回となる今回は、特別インタビュー形式で、“男子ママあるある”から“小1の壁”の乗り越え方、パパとの家事シェア、そして子どもとの向き合い方まで、お話を伺いました。
男子ママの“あるある”は、笑いと奮闘の日々
相棒歴25年。“コンビ”であり、“育児仲間”でもある2人
高校時代の同級生として出会い、2000年にコンビを結成。お笑いのステージでも、ママとしての日常でも支え合ってきた2人。「コンビ2割・友だち8割」と語るほど仲が良く、「夫に話せないことも話せる関係」とお互いに笑い合います。お互いの家を行き来し、子どもたち同士もすっかり仲良しなのだそうです。

みんなでプールへ行って大はしゃぎ。(高田さん、小森さん)

子どもたち同士もとっても仲良し(高田さん、小森さん)
―おふたりとも男の子2人のママですね。毎日の子育てで感じる“男子ママあるある”を教えてください
高田さん:長男は“見えない敵”と常に戦っていて、家でも外でもひとりで気合いを入れながら戦闘モードに入っています。『ドラゴンボール』が大好きなので、どうやら頭の中ではいつもバトルが繰り広げられているようで、私には誰と戦っているのか全くわかりません(笑)。最近は「5秒以内にミッションをこなさないと敵が出てくる」など、謎のルールを作っていて、そのミッションを達成するために手洗いうがいも超スピード。母としては助かるけれど、理由がおもしろいですよね。
小森さん:うちは“虫との戦い”です(笑)。長男も次男も虫が大好きで、家には虫かごが10個以上あります。幼虫も20匹くらい育てていて、もはや「昆虫博物館」状態。私はもともと虫が苦手だったので、最初は遠くから見守るしかなかったんですけど、今ではセミも素手でつかめるようになりました! 子どもたちに引っ張られて、私もだいぶ鍛えられましたね。

「小1の壁」は、親子でゆっくり乗り越えていくもの
―小学校入学を前に感じている不安や、“小1の壁”で意識していることはありますか?
高田さん:うちはまだ“幼稚園の壁”が続いている感じで(笑)。登園しぶりが強くて、年長さんになっても先生に抱っこされて泣きながら行く日があるんです。だから、まずはこの壁を一緒に越えるのが目標。小学校の話も、あまりプレッシャーを感じさせないように、ふんわりとしかしていません。
ランドセルはすでに届いたんですが、「来たね!」と盛り上げすぎるのもプレッシャーになるかなと思って、さらっと「届いたね」くらいで(笑)。とにかく今は、無理せず息子のペースで過ごしています。
小森さん:はい、まさに“壁”を感じました。長男は自然いっぱいの幼稚園から小学校に上がったので、最初の1週間は元気に通っていたのに、そのあとから「行きたくない」と泣くようになって。特に理由があるわけではないのに、学校そのものが“新しい環境”として大きな壁になったようです。
結局、1〜2年生のあいだは毎朝一緒に登校して、教室の前まで見届けていました。先生がとても理解のある方で、「しばらくは一緒で大丈夫ですよ」と言ってくださったのが救いでしたね。
―どのように乗り越えていったのでしょうか?
小森さん:どこまで付き添っていいのか、どこで背中を押すか、毎日悩みました。無理に送り出してみたら、泣きながら追いかけてきたこともあって…。そんなとき、同じように悩んでいるママさんが近くにいて、「うちもだよ」って話せたことが本当に支えになりました。
弟は環境の変化にも強いタイプで、今年小学生に上がったんですが、その影響も大きかったと思います。そして何より印象に残っているのが、先生の言葉でした。2年生のときに、先生が「3年生になったら、ひとりで来られるようになろうね」と声をかけてくださっていて。その言葉がずっと息子の中に残っていたんだと思います。そして3年生になった瞬間、それまでの付き添いが嘘のようにあっさりと(笑)。振り返ることもなく、涙もなく通えるようになりました。
SNS・芸能の境目で考える、“顔出し”との付き合い方
―お子さんは芸能活動に興味を持っていますか?
高田さん:うちはこれまで、顔を隠して少しロケに出させていただいたこともありましたが、長男はとにかく“出たい気持ち”が強いんです。SNSでも「この写真、使っていい?」と聞くと、「顔は隠さないで!」と即答(笑)。自分で私の携帯を持って「どうもこんにちは!」と動画を撮っていて、完全にYouTuber気分です。
芸能界に興味があるようなので、やりたい気持ちは応援したいと思っています。ただ、顔や名前を出すことは“消えない記録”としてずっと残るもの。そのリスクを理解できるようになってから、自分の意思で挑戦してほしいと考えています。
今も少しずつその話をしているのですが、息子は「残ったらラッキーやん」とポジティブ(笑)。ただ、その“リスク”の意味をどこまで理解できているかは、まだ難しいところですね。本当に理解できるようになるのがいつなのかは分かりませんが、焦らず、息子のペースで見守っていこうと思っています。
小森さん:うちはどちらかというと、私のほうが「一緒にやってみよう」と誘って、子どもが「ママと一緒なら出たい!」という感じでした。この“今しかない時期”に一緒に何かできるのはうれしいし、その様子を少し発信できたらいいなと思ったんです。
でも、夫と家族で話し合った結果、「残るものだから、もう少し考えたほうがいいんじゃないか」ということになって。今は顔出しでの発信を控えています。今やっているのは、お仕事で一緒に出させてもらうときだけで、個人的な発信は“いったんストップ”にしています。
ただ、さっちゃん(高田さん)のお子さんの“プライベートYouTube”には、うちの子も時々参加させてもらってるんです(笑)。限定公開にして、自分たちだけで楽しめる動画にしています。

パパ(なすなかにしの中西茂樹さん)のお仕事現場を見学。(高田さん)

お歌が大好きな息子。パパの音楽ライブで歌わせてもらいました。(高田さん)

夫婦の家事シェア、それぞれのかたち
―夫婦の家事分担、どうしてますか?
高田さん:うちはもう、本当に「がっつり仕事の人」と「がっつり家の人」という感じで、自然に役割が分かれています。いわゆる“分担”というより、“担当が違う”という方が近いかもしれません(笑)。夫は仕事をとても頑張ってくれているので、家のことは基本的に私が担当。
早く帰れる日は「ごはん作るの大変やろ?」と買ってきてくれたりと、気づかってくれることもあります。買い物をお願いすることもありますが、洗剤ひとつ取っても「液体じゃなくて泡タイプなんだよ」と説明が必要だったり、食品用ラップを頼んだら短いサイズのものを買ってきたり…。ちょっとしたすれ違いはよくありますね(笑)。
でも、仕事帰りにわざわざ買いに行ってくれたことを思うと、「違うやん!」よりも「ありがとう」が先に出ます。…と言いつつ、たまに言っちゃってるかもしれませんけど(笑)。
小森さん:うちは平日は夫が仕事で忙しいので、家のことはほぼ私が担当しています。ありがたいのは、夫が“完璧主義じゃないタイプ”なところ。洗い物が残っていても「まだあるやん」とは言わないし、多少部屋が散らかっていても気にしないので、本当に気がラクです。
一方で、土日は夫もお休みなので、料理は完全に“パパ担当”。というのも、私…料理が本当に苦手で(笑)。苦手というより「見たくもない」レベルなんです。結婚前からそのことは伝えてあって、夫も「これは自分がやるしかないな」と思ってくれているみたいです。平日はミールキットを使ったり、簡単調理でなんとか乗り切っています。
ちなみに、夫の得意料理は“鶏の甘辛煮”。子どもたちは私のハンバーグと並んで「パパの鶏の甘辛煮が好き!」と学校でも答えています。カレーやシチューなどの煮込み料理も得意で、すっかり“パパの味”になっています。

読者へのメッセージ――今しかない“子どもとの時間”を大切に
長年一緒に歩んできた梅小鉢の2人も、今はそれぞれ男の子のママとして奮闘中。子育ての喜びや悩みを重ねてきたからこそ、見えてきた「子どもとの向き合い方」があります。最後に、&あんふぁん読者へ向けたメッセージをいただきました。
「タイムスリップ育児」で、肩の力を抜いていこう
高田さん:長男のときは、初めての子育てでとにかくがむしゃらでした。食事はすべて手作り、お菓子もかなり厳選、母乳にこだわって…と、「こうしなきゃ」と思い込んでいたんです。
でも、いざ幼稚園に上がるとおやつ交換の時間があり、ほとんどの子がグミを持ってきているのに、うちの子は食べたことがない。楽しめるはずの時間に戸惑う姿を見て、「私が子どもの世界を狭めていたのかもしれない」と気づきました。今思えば、“ほどほど”でよかったなと思います。その経験があるから、次男の子育てでは少し肩の力を抜けるようになりました。
SNSで見かけた「タイムスリップ育児」という考え方も、私の支えになっています。“成人した子どもを育てた自分が、今に戻ってもう一度子育てをしている”と想像して過ごすようにしているんです。そう思うだけで、「今この瞬間を大切にしよう」と思えるし、イラッとしたときも「まあいいか」と笑えるようになりました。
子どもが大きくなってから「あのときもっとこうしておけばよかった」と後悔しないように。そんな気持ちを忘れずに、無理なく向き合える“おまじない”のような考え方で、おすすめです。
「今しかない時間」を意識して向き合う
小森さん:私も子どもたちが小学生になり、少し手が離れてきた今、「もっとあの頃を大切にできたかも」と感じることがあります。タイムスリップ育児という考え方を聞いて、本当にその通りだなと思いました。
子どもが小さい時期って、想像以上にあっという間。上の子が3年生になった今、「この先どれくらい話してくれるんだろう」と思うこともあります。だからこそ、今はできるだけ一緒に過ごす時間を大切にしたいです。子育ては大変なことも多いけれど、「今しかないこの瞬間」を楽しむ気持ちを持っていたいですね。
お話をしてくれたのは、梅小鉢のお二人

コンビ仲がとてもよく、ともに男の子の兄弟を育てるママ。育児で大変なことも、楽しいことも、毎回笑いをまじえてコラムにしてくれました。読んで、励まされたママ・パパもきっと多いはず。これまで「&あんふぁん」でのコラム連載、ありがとうございました。
取材/やまさきけいこ



























