タレント・鈴木あきえさん「コップ取って」「お茶入れて」がストレス…収納を見直して子どもに合わせた動線づくり

タレント・鈴木あきえさん「コップ取って」「お茶入れて」がストレス…収納を見直して子どもに合わせた動線づくり

小学生ママとして日々アップデート中の鈴木あきえさん。おうちの片づけは、「自分でできる動線づくり」と、親の心を守る「見ない戦略」がカギなのだとか。子どもがやりたくなる“お手伝いのしくみ”や、“やる気スイッチ”の工夫など今日から試したくなる子育てのヒントを伺いました。

子どもが“自分で動く”仕組みづくりが肝

“きれい好きママ”の背中を見て、娘はしっかりお片づけ上手に

もともと私は散らかってると落ち着かないタイプで、片づけとか掃除が好きなんです。だから、気づくと自分で動いちゃうことが多くて(笑)。そんな姿を見ているせいか、娘はとてもお片づけ上手なんですよ。言わなくても自分で片づけるし、「ぬいぐるみはここ」「シールはここ」って、置く場所にもちゃんとこだわりがある。

でもその一方で、息子は全然(笑)。私みたいなタイプの親って、子どもが“きっちり派”と“のんびり派”に分かれるんだなって思います。

子どもに合わせた動線づくり

「モノの置き場所」をちょっと変えるだけで、毎日の生活がぐっとラクになるんですよ。自分が負担に感じていることを考えたときに、日常で一番大変だったのが、「ママ、コップ取って!」「お茶入れて!」って何回も呼ばれることだったんです。それで思い切って食器棚の中にしまう位置を見直してみました。

子どもの手が届く高さに、プラスチックのコップやお皿をまとめて置いて「子ども専用ゾーン」を作ったら、自分で準備できるようになりました。さらに、冷蔵庫の中にレバーを引くとお茶が出るタイプのドリンクディスペンサーを入れてみたんです。麦茶を常備しておくと、子どもたちは自分でコップを取って、注いで、運んで…って自分で全部できるようになりました。

子どもが自分でできるようにしてあげるだけで、親も子どももすごくラクになる。これも“片づけ”と同じで、“できる動線づくり”がいちばんのポイントなんだと思います。

“できた!”の気持ちを育む

コップが取れないから呼ぶんだ、って気づいたとき、これは“環境の問題”なんだなって思ったんです。片づけも同じで、どこにしまえばいいのか分からないから散らかるだけ。「できる場所」「しまえる場所」をつくってあげれば、ちゃんと自分で動けるんですよね。

今では、子どもたちも誇らしげにお茶を入れてくれて、その姿を見ていると私までうれしくなります。「自分で完結できる環境」を整えることが、片づけにも生活習慣にもつながるんだと思います。

やらされ感を減らす声かけと見ない戦略

“見ない”ことで親のストレスが減る

うちはリビングの一角にツインデスクがあって、そこが子どもたち2人の作業スペースになってるんですが、正直めちゃくちゃ散らかります(笑)。でも、そこはあえて“見えない場所”に設置しているんです。見えるとイライラして「片づけなさい」とか言いたくなってしまいので、もうここは「見ないゾーン!」と決めて、視界に入らない場所にデスクを置くことにしました。物置部屋も同じで、そこはもう“どんなに散らかっても見ないゾーン”。そう割り切ったら、気持ちがとてもラクになりました。

「片づけなさい!」って言えば言うほどお互いにストレスたまっちゃいますよね。だから私は、“見ない”っていう選択もアリだと思っています。どうしても気になるときは、「片づけなさい!」じゃなくて、「〇〇係お願い!」みたいに役割を渡す言い方に変えるようにしています。たとえば「本を並べる係ね」とか「ぬいぐるみ担当さん」とか。“任された”って思うと、子どもたちは張りきって動いてくれます。

来客が片づけスイッチになることも

息子の場合はお友だちが家に来る日は“片づけスイッチ”が入ります。「今日〇〇ちゃんが遊びに来るから片づけなきゃ!」って(笑)。お気に入りのおもちゃを飾ったり、机を整えたり、そういう“誰かが来るきっかけ”をうまく使うのもアリだなと思いました。大人も来客前は部屋の中をきれいにしないとと思うので、子どもも同じなんですよね。

「見ない」「任せる」「タイミングで誘う」この3つのゆるいルールで、今は穏やかに回っています。無理に頑張るより、“親も子もラクになれる方法”を探す。それが、片づけのいちばんのコツかもしれませんね。

子どもが続けたくなる“お手伝いルール”

お手伝いも似ているところがあって「やりなさい」ではなく「やってみたい!」から始まるのが理想ですよね。うちの子どもたちは、最初はお風呂掃除からスタートでした。遊びながら床をこすったり、フタを洗ったり。お手伝いのあとは、「ありがとう、助かったよ」と声をかけるようにしています。“完璧”を求めるより、“やってくれた気持ち”を大事にするほうが続くんですよね。

“おうちアルバイト制”でやる気アップ

お手伝いには、ちょっとしたお小遣いをつけています。「お風呂掃除は30円」「玄関の靴そろえは10円」みたいに、内容によって金額を決めて“おうちアルバイト制”にしているんです。お金をもらう=働くことの価値を感じるきっかけにもなるし、「今日はこれやる!」とやる気を出すモチベーションにもなっています。本人たちも「今日はどれにしようかな」って、仕事を選ぶ感覚で楽しんでます。

“おつかいミッション”で感じる成長

先日、どうしても私が外に出たくない日があったんです。でも牛乳が切れていて困っていたら、息子が「買いに行くよ!」って言ってくれました。妹も「一緒に行きたい!」と言うので、初めての“子どもだけのおつかいミッション”に挑戦しました。

買い物リストを書いて、「あまったお金でお菓子を買っていいよ」と伝えたら、きょうだいで相談しながら計算して、いくら残るかを一生懸命メモしていました。帰ってきたときの表情が「ちゃんとできた!」っていう自信に満ちていて、なんだか感動しました。

“できた”の積み重ねが自信につながる

お手伝いや片づけって、上手にできることよりも、「できた!」「役に立てた!」っていう気持ちの積み重ねが大事だと思います。親が手を出しすぎず、ちょっと見守ってあげる。そうすると子どもも、「自分にもできるんだ」って自信を持てるようになる。だから環境を整えて、あとは“ゆるいルール”で、無理なく楽しめる暮らしを意識しています。お手伝いも、がんばりすぎず、楽しみながら続けていけたらいいなと思ってます。

取材・文/やまさきけいこ

ナビゲーター

タレント鈴木あきえの画像

タレント 鈴木あきえ

1987年、東京都生まれ。タレント、リポーターとして活躍。2004年に芸能界に入り、今年20周年を迎える。2007年~2017年までTBS『王様のブランチ』でリポーターを務め、2019年から5年間にわたりNHK『すくすく子育て』の司会を担当した。チャイルドマインダー、ベビーサインアドバイザーの資格を所有。現在6歳と4歳の子育て中。

学び・遊び・教育:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌