【パパコラム】見返りを求めない「推し活」の応用編、夫婦円満の極意も「妻を推すこと」だった!

【パパコラム】見返りを求めない「推し活」の応用編、夫婦円満の極意も「妻を推すこと」だった!

&あんふぁんをご覧の皆さん、こんにちは!“パパって最高!”な社会を目指す子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。パパ歴は21年。早くも長女が孫を生んだので40代にして新米おじいちゃんでもあります。

推し活の根源は「自分ができないことを頑張っている人を応援したい」

もはや説明する必要もないほど浸透してきた「推し活」という言葉。10代20代の若者に留まらずシニア世代までに広がり、市場がどんどん拡大しています。僕は今まで「推し」のことを「ファン」とか「サポーター」に近いものだととらえていました。そう考えると、往年の「巨人ファン」や「阪神ファン」、我々世代でいえば「レッズサポ」「マリノスサポ」のように昔からいたように思えるのですが、最近仕事関係で出会った「推しのガチ勢」である女性によると、どうやら「ファン」とは少し違う側面を持っているようです。

そもそも何かにどっぷりハマるタイプではないので、いまひとつ「推し」の気持ちがあまり理解できなかったのですが、男女のアイドルを幅広く推しているその女性いわく「推しが笑っていれば、喜んでいれば、それが一番。グッズを買ったりコンサートに行ったりすることで推しの活躍の場が広がるのが自分の喜びだ」とのこと。なるほど、まあわからなくもないです。でも、その根源は何なのか?やっぱり「ビジュアルが好き」といった恋愛的目線なのかなと思ったら、全然予想外の答えが返ってきたのです。

「そもそも自分には歌もダンスもできないし、大それた夢に挑戦する勇気もない。そんな自分ができないことに頑張っている姿を応援したい」 僕はその言葉を聞いて自分が長女に対して抱いていた気持ちを思い出しました。

子どもに対しては、比較的持ちやすい「推し」の心

子どものころから野球やサッカー観戦に行ったときに、応援しているチームの選手がミスをしたりすると「何やってんだよ!」と大きな声を出す大人が超苦手でした。そして「そんなこと言うなら自分でやってみろよ」と心の中で思っていました。

でも、彼女の言う推しの思いで考えると、きっとそんなことは言わないはずです。なんなら「ドンマイ!大丈夫だよ!」と言って慰めたりするのではないでしょうか?

そして、よくそんな声が飛び交うのが子どもの運動会。子どもが活躍して笑顔でいればうれしいですし、うまくいかなくて落ち込んでいても、温かい声をかけることが多いと思います。わが子がやりたいことがあるといえば、挑戦を後押しし、応援しに行き、金銭的なサポートもします。

僕自身、長女がバレエをやっていた時がまさにそうでした。小学生のころから海外に留学する機会もあったので、自分にはできなかった世界に挑むという壮大な夢を全力で応援してきました。

なるほど、あれは「推し活」だったんだ。

ものすごく腑に落ちました。

このコラムを読んでいるパパママもきっと共感してくれる人が多いと思います。

また、ガチ勢の彼女の言葉の中にもう一つ印象的だった「推しの思い」があります。

「推しの喜びや成長を願っているだけだから、見返りなんていらない。そもそも関係性を考えれば見返りなんてあるわけない(笑)。笑顔が見られることが最大の見返りかもしれない」

これまた子育てに通じると感じました。弁当を作ったり、送り迎えをしたり、お金を出したりしたんだから、自分にも何かしてよ!と子どもに対して思ったことはありません(今のところ)。むしろ、そう思っている人っているのでしょうか?

我が子が喜んでいて、成長してくれていたら、それだけでうれしいですよね。

いわゆる「無償の愛」かというと、ちょっと違う気がします。子どもの笑顔はお金とはまた違う見返りなので。

そんなわけで、わが子に対してはパパもママもきっと抱きやすい「推しの心」。

妻にも「見返り」を求めることをやめてみた

なんですが…相手がパートナーとなると…同じようにはいかないのです。

正直、どうしても見返りを求めてしまう気がします。

そりゃ、こっちがいろいろと努力をすることで、妻がやりたいことをやって、健康で、楽しそうだったらうれしくないわけではありません。でも、一方で「こっちもやりたいことをやって、健康で、楽しそうでいたい」と思ってしまうし、「そのためにあなたも何かしてよ」と思っちゃいます。

簡単に言うと「こっちは頑張ってんだから、お前も頑張れよ」という感じでしょうか。そこにあるのはきっと不公平感とか自己犠牲的な感覚かもしれません。でも、見返りを求めたところで、思い通りに返ってくることなんてほとんどありませんし、求めるからこそ、イライラしてしまいます。

そんなわけで、見返りを求めることをきっぱりやめてみました。妻を推すことに決めたのです。

妻がやりたいことをやるためには何をしたらいいか?妻が健康でいるためには何をしたらいいか?妻が楽しそうでいるためには何をしたらいいか?基本的な行動モチベーションはそこです。そしてやってみて妻が喜ばなかったとしても「あ、違った?」くらいに受け止めてみています。

すると、イライラすることが劇的に減りました。

ついでにこっちが穏やかでいるので、妻がイライラしていたとしても鎮火に乗り出せて、ケンカに発展することも減りました。心がけていることは、無理をしないこと。自分がきつくなると自己犠牲的な気持ちがどうしても出てきてしまうので、それを防ぐため。

とはいえ、家庭以外のこと、例えば仕事だったり、地域活動だったり、友人関係だったり、そういうことで自分に余裕がなくなると、「推しの心」が薄れてイライラしてしまうこともありますが、そこはできるだけ自分でなんとか処理するように努力しています。 よし決めた!と言ってすぐにできることではないかもしれませんが、どうやら我が家にとっては夫婦円満に近づくためには大切な考え方のようなので、良かったら参考にしてみてください。

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兼業主夫放送作家 杉山錠士

1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

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