答えは分かっているのに!テストでケアレスミスが起こる原因と対策

答えは分かっているのに!テストでケアレスミスが起こる原因と対策

あんふぁんWebの読者より、子どものテストで下記のようなお悩みが寄せられました。
・問題文をよく読まずにケアレスミスをすることが多い。(幼稚園/小学1年生保護者)
・基本的に出来ているのに、計算間違いや桁間違いなどの凡ミスが割とある。(未就園児/幼稚園/小学6年生保護者)
・文字が適当で丁寧に書いてくれないこと。(小学1年生保護者)
内容はよく理解しているのに、うっかりで点数を取りこぼしたり、ちゃんと問題文を読めば分かるのに、早とちりをして間違えたり……。子どもにはよくあることですが、おうちの方からすれば「もったいない!」「また同じミス!」と、とても気になりますよね。確かに、せっかく内容を理解しているのにテストの点数に反映されないのはもったいないことです。今回はケアレスミスが起こる原因と対策方法を紹介します。

ケアレスミスはどうして起こる?よくある2つの原因

子ども達の様子を見ていると、ケアレスミスが起こりがちな状況には共通点があります。ケアレスミスによくある2つの原因を探ってみましょう。お子さんにも思い当たるところがあるのではないでしょうか。

【原因1】字が汚い

特にまだ字を書き慣れない低学年のうちは、自分で自分の書いた字を読み間違えることがよくあります。例えば0(ゼロ)を書くときに、始点と終点をしっかりくっつけて書かなかったために6と見間違えたりします。

また、早く問題を解こうとすると気持ちが焦ってしまうタイプの子は、普段はきれいな字が書けるのに計算ドリルになると字が乱れてケアレスミスが起きたりします。

書写の授業ほど美しい文字を書く必要はありませんが、読みづらい字の子は殴り書きのようにシャッシャッと書いていることが多いです。1画ずつ「止め」を意識させるだけでも読みやすい字になります。

【原因2】問題文をよく読んでいない

文章を読むことの得意・不得意にも個人差があります。普段から絵本を読むことが好きで長い文章を読み慣れている子もいれば、小学生になってから、ひらがな・カタカナを1文字ずつ覚えてだんだんと読めるようになる子もいます。

算数の文章問題は、何を問われているのかをしっかり読み取らなければ答えを間違えてしまいます。長い文章に苦手意識があるお子さんは、問題文を読んでいるように見えて、実は目に付く数字だけを拾って式を立てている場合があります。特に単元ごとに分かれているドリルなどでは、足し算なら足し算、引き算なら引き算の問題が同じパターンで出題されることも多くあり、出てくる順に足しても得点できてしまいます。
おうちの方が見て「ちゃんと読めば分かるはずなのに」という間違え方をしているときは要注意です。

国語の授業が進むうちに文章は自然と読めるようになるので慌てる必要はありませんが、文章嫌いが算数嫌いに結びつかないようフォローをしてあげたいところです。

ケアレスミスをなくそう!すぐに取り入れられる対策方法

では、ケアレスミスをなくすために、どのような対策が効果的でしょうか。それぞれの原因に対してすぐに取り入れられる対策方法をご紹介します。

(1)「字が汚い」に効果的な対策は?

字を大きく書く

自分の書いた字を読み間違えてミスをするお子さんは、まずは字を大きく書くことから意識させてみましょう。小さい子にとって「字をきれいに書いて」という指示は具体的ではないため、どこをどうすればいいのか戸惑ってしまいます。それに対し、大きめのマスのノートを用意して「マスいっぱい使って大きく字を書こう」というのは、意識すればすぐに取り組める方法です。

マスを意識すれば、自然とはみ出さないように気を付けるので殴り書きをするのは難しくなります。焦るタイプの子には「ゆっくり書けばいいよ」「慌てず1文字ずつ大きくね」と言った声掛けをしましょう。小さいうちから丁寧に文字を書くことを癖にしておくと後が楽になります。

計算は方眼紙を使う

小学校の授業で使う算数ノートは、方眼ノートを使うことが多いです。家庭学習や幼児プリントをするときにも、計算用には方眼ノートや方眼紙を用意してあげることをオススメします。

特にひっ算は、プリントの端っこや裏紙を使うと、字が小さくなったり曲がったりして位がズレてしまうことがあります。ちょっとした途中計算でも方眼紙を使うことで、きれいに位を揃える癖を付けることができます。位が揃っていることで、繰り上がりや繰り下がりの計算も理解しやすくなります。

「きれいに書くまで書き直し」はNG!

きれいな文字を意識しすぎるあまり、何度も消して書き直しをさせるのは少しやりすぎです。小さい子は力加減をすることがまだ苦手です。強く書いた濃い字を消しゴムで力任せに何度も消すと、今度は紙がクシャクシャになりイライラ……。こんな調子では勉強がますます嫌いになってしまいますよね。

きれいな字を書く練習は国語や書写に任せましょう。算数の学習は、算数を学ぶことが目的です。「きれいな字」より「丁寧な字」を意識して、0(ゼロ)の上をピタッとくっつけることなどポイントを絞って伝えてあげるとよいでしょう。

(2)「問題文をよく読んでいない」に効果的な対策は?

文章問題を音読する

文章問題でミスが目立つ子は、問題文を声に出して読んでみる方法がおすすめです。音読をして声に出せば、単語を読み飛ばして数字だけ拾うことができなくなります。単位にも気を付けるようになりますし、読み間違いをしても自分で気付くことができます。

そもそも文章を読むのがまだ苦手という場合は、おうちの方が一緒に声に出して読んであげるとよいでしょう。2回ずつ読むようにするとより効果的です。

問題文の内容を説明させる

文章問題の意味をちゃんと読み取れているか心配なときは、子どもにどんな内容だったかを説明させてみる方法があります。子どもから説明することが難しいときは、おうちの方が「何の果物があるの?」「どこに何個買いに行くの?」というように質問をします。

声に出してアウトプットをすることで、何を問われているのか頭の中を整理することができます。

文章問題の式だけ立てる

早く解かなければと焦ってミスをしてしまうタイプの子は「あえて答えを出さない」という対策方法を試してみましょう。答えを出そうとすると、どうしてもそちらに意識が行ってしまうので、思い切って「式を立てること」のみに専念するのです。

「答えを出すこと」から「正しい式を立てること」に意識を向けることで、お子さんは文章で問われている意味に集中して、じっくり考えるようになります。最後まで問題文を読まない「早とちり」をなくすトレーニングです。

学年が上がってきたら気を付けたいひっ算の計算ミス

学年が上がり、2桁、3桁の掛け算や割り算をひっ算で計算するようになると、ちょっとした計算ミスが増えてくる子がいます。ひっ算の手順は分かっているのに、位がズレてしまったり、九九を間違えたり、途中計算で引き算を間違えたりする例です。

ちょっとした途中のミスで点数を失うのはもったいないことです。このようなミスが多い子は、2回計算をして自分で間違いに気付かせるという方法が有効です。自信があるお子さんほど「こんなの簡単。間違っているはずがない。」と思っているので、2回目に違う答えが出たときはビックリするでしょう。間違いに気が付いたら、九九を間違えたのか、引き算を間違えたのか、自分の字が汚くて読み間違えたのか……お子さん自身で原因を考えさせてみましょう。

ケアレスミスは油断しがち

今回はケアレスミスの多い子について、2つの大きな原因とその対策方法をお伝えしました。ケアレスミスは、お子さん本人は内容を理解できている自信があるため、「今回はたまたま起きただけのこと」と油断しがちです。しかし実際は同じパターンのミスは何度も繰り返すことが多く、自分で気を付けようと意識しなければ、たまたまではなく起こるべくして起きてしまいます。
内容をしっかり理解できているということは、本来なら自信を持って良い得意分野になるはずです。少しの気配りでケアレスミスは減らしていくことができますから、しっかり得点につなげましょう。
教えてくれたのは

■今木智隆/RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。
タブレット教材「RISU算数」

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担当カテゴリー

学び・遊び・教育

算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

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