モンテッソーリ教育に通じる“色を味わう体験”を落ち葉で広がる感性の世界

幼児期は五感が大きく育つ“天然のアーティスト期”。色づいた落ち葉は、子どもの感性を刺激する宝物です。自由に遊び、感じ、表現する姿を通して、季節がくれる学びと成長をそっと見つめてみませんか。
幼児期は“天然のアーティスト期”。落ち葉がひらく子どもの感性
幼児期は、五感がぐんぐん育つかけがえのない時期です。触ってみたい、匂いをかぎたい、音を聞いてみたい──そんな衝動が自然と湧きあがり、周囲の世界に全身で飛び込んでいきます。
特に自然物は、形も色も予測できない“偶然の美しさ”が詰まっていて、子どもたちの感覚を刺激する最高の素材。形式やセオリーから自由に、思いのままに表現するこの時期は、まるで“天然のアーティスト期”と言ってもいいかもしれません。
公園での落ち葉あそび

すっかり乾いた枯れ葉は踏むとパリパリ音がして楽しいです。

顔より大きな葉っぱを見つけて「いないいない、ばあ!」
冬に向けて急に冷え込み、公園の景色が日に日に色づいていくこの頃。子どもたちと公園へ出かけると、彼らは落ち葉を拾うだけで夢中になって遊びはじめます。
乾いた葉っぱを踏めばパリパリと心地よい音が響き、手で揉めばサラサラと舞う細かな欠片。赤や黄色、茶色、そしてまだ緑が残る葉っぱたちは、まるで小さな宝物のようです。
同じ「葉っぱ」でも、一枚ごとに形も質感も違うことに気づき、「これはお魚みたい!」「こっちは羽みたい!」と見立て遊びがどんどん展開していきます。自然のばらつきや偶然性は、既製のおもちゃ以上に豊かな刺激を与えてくれるのです。
あえてテーマを設けない、自由な表現を楽しむ2歳児制作
制作活動でも、2歳児にはあえて“テーマなし”の自由な表現を大切にしています。

子どもたちと公園で拾ってきた葉っぱ。図鑑の間にはさんで用意しました。

白い丸シールに黒目を描き入れた「目玉シール」
今回は、公園で拾ってきた落ち葉を紙に好きなように並べ、シールの目玉をつけるだけのシンプルな制作。それだけなのに、仕上がった作品はどれもかわいい生き物のようです。
葉っぱを丁寧に向きをそろえて貼る子、形の違う葉っぱランダムに配置する子、白い余白をあえて残してバランスを楽しむ子……。その子らしい“世界の切り取り方”が作品にそのまま表れ、見ている大人のほうがハッとすることもしばしばです。
子どもたちが作った楽しい作品の一部をご紹介します。目玉シールだけでなく、子どもによっては鉛筆やペンで足、口などを描き足しています。写真下のコメントは子どもによる作品解説です。

足が描かれているものは「葉っぱ虫」だそう。すばしっこい動きをしそうで楽しいです。

右側、下にいる赤いものは「カニ」なんだそうです。

3枚の葉っぱはママ、パパ、自分の3人家族の様子。

目を沢山つけている子は大阪万博のマスコット「ミャクミャク」をイメージしたようです。
モンテッソーリ教具「色板」
モンテッソーリ教育には、幼児期の色彩への興味に寄り添った「色板」という教具があります。同じ色のペアを見つけたり、微妙な濃淡の違いをグラデーションに並べたりすることで、子どもたちは自然と色の世界に没頭します。まるで美しい絵の具パレットを眺めるときのような高揚感──「うわぁ、きれい!」という声が思わずこぼれる瞬間。落ち葉遊びも、この“色を味わう感性”をしっかり育んでくれる活動です。
公園では、ぜひ大人も子どもと一緒に自然の色彩に目を向けてください。

モンテッソーリ教具の11色の色板。各色2枚ずつ箱に入っており、同じ色を見つけてペアにしたり、色の名称を紹介します。

色板を並べた後、教室の中から同じ色を見つける活動。色板を1枚手に持って、「同じ色あるかな?」と部屋の中を探して回っています。
おうちで落ち葉アートを楽しむなら
家でも落ち葉アートを楽しむなら、拾ってきた葉をそのままにせず、図鑑など重い本に挟んで乾燥と変形を防ぐと扱いやすくなります。あとは紙に貼り、目玉シールをつけるだけで小さな作品の完成。葉っぱの色が日に日に変わっていくので、「拾った日の写真を撮っておき、制作した日と比べる」という楽しみ方もおすすめです。
季節は移り変わっていきますが、子どもたちが葉っぱを通して感じた色や手触り、音の記憶は、きっと心のどこかに積み重なっていきます。自然がくれる小さな刺激は、未来の感性をそっと育てる“種”のようなもの。この季節ならではのアート体験を、親子でゆっくり味わってみてくださいね。



























