「勉強が楽しくない」「イヤだ」という子に親ができる3つのこと

「勉強が楽しくない」「イヤだ」という子に親ができる3つのこと

あんふぁん読者から、下記のようなお悩みが寄せられました。

・勉強を楽しいと思っていない気がするので、どうしたら良いのか悩んでいます。(小学3年生保護者)
・もうすでに勉強がイヤと言います。(小学1年生保護者)
・勉強を楽しめるようにどのような工夫をしていけばいいのか気になります。(未就園児/保育園児保護者)

子ども達だけでなく、大人でも「勉強は好き?」と聞かれて、「好き!」と答える人は少ないのではないでしょうか。子どもは学校へ通い、毎日のように授業を受けるわけですから、勉強が楽しくない、キライと感じながらその時間を過ごすのは、とてももったいないことですよね。今回は「どうすれば勉強が楽しくなるのか?」という悩みについて、子ども一人ひとりに最適なレッスンと苦手のフォローをしてくれる話題のタブレット教材「RISU算数」を展開する RISU Japan株式会社の代表取締役 今木智隆さんにお話を聞きました。

勉強するって、何が楽しいの?

みなさんは勉強にどのようなイメージをもっていますか? 「楽しくてワクワクするもの」と考える人もいれば、「辛く苦痛なもの」という思い出がある人もいると思います。「楽しくはないけれど必要だからやるもの」と考えている人もいるかもしれません。

大人でも、このように勉強に対して印象が違うのはなぜでしょうか。それは勉強(=学び)を「自分から進んでするもの」か「必要性があってやらされるもの」のどちらととらえるかで変わってくるからです。

「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」

勉強をするときのモチベーションには、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」2種類があると言われています。

内発的動機づけとは、次のような自分の内側から生まれる学習の動機を言います。
・新しいことを知ることができてうれしい
・問題を解くことがおもしろい
・やってみたらどうなるか知りたい

一方、外発的動機づけは、次のような外部の影響によって生まれる動機を言います。
・先生や親に叱られたくない
・成績が良いときのご褒美が欲しい
・先生や親に褒められたい

勉強が楽しいと思えるには、内発的動機づけで学習に取り組めるようになることが大切です。

では、外発的動機づけが良くないのかというと、そうではありません。一般的に内発的動機づけは引き出す方法が難しく、時間がかかると言われています。その点、外発的動機づけは短時間でやる気を引き出すことができるというメリットがあります。最初はご褒美を使ったりしながら徐々に勉強の楽しさに気付かせるというように、両方をうまく活用すると効果的です。

勉強が楽しくない理由は?

反対に勉強が楽しくないと思っている子は、どのような理由があるでしょうか。もしお子さんが「勉強が楽しくない、キライ」と言うのであれば、勉強の「なにが」楽しくないのかを尋ねてみてください。
ポイントは、「なぜ」ではなく、「なにが」を探ることです。

勉強自体がおもしろくないわけではない

勉強のすべてがキライかのように言うお子さんも、なにが楽しくないのかを紐解いていくと、勉強自体がおもしろくないわけではないことに気付きます。

勉強のなにが楽しくないのか?の例
・じっと座っているからつまらない
・たくさん字を書くから疲れてイヤだ
・先生や親がやることを決めるからやりたくない

「楽しくない」を細分化して理由を探そう

上記のように、楽しくない理由が細分化されれば、あとはそれを取り除くフォローをしてあげれば良いのです。じっと座っているのが苦手な子は、机に向かうよりも外に出て自然を観察したり、家にあるもので工作したり実験したりすれば楽しく学ぶことができます。たくさん字を書くことが苦手な子は、タブレット学習を取り入れてみる方法もあります。やらされる勉強がイヤだという子は、今日は何の勉強をするか自分で決めさせてあげるだけでも気持ちが変わりますよね。

勉強が楽しくなるために親ができる3つのこと

子どもにとって勉強が楽しいものになるために、親ができることを3つお伝えします。

1.子どもの「なんで?」にしっかり向き合う
お子さんが「なんで〇〇なの?」と質問をしてきたときに、真剣に考えて応えてあげているでしょうか? 「なんで?」は学びを深めるチャンスです。はぐらかしたり、適当な答えを返さずに疑問に向き合ってあげましょう。
また、子どもは新しく知ったことを親に話すことが大好きです。忙しい時間に呼び止められると「後にして」と言いがちですが、「すごいね、知らなかった!」「それは不思議だね、おもしろいね!」「もっと教えて!」など、ちょっとオーバーなぐらいのリアクションで聞くと、子どもも「もっと教えてあげたい」とうれしくなります。

2.「やらないこと」を決めて、目的をハッキリさせる
子どもは未熟ですから、親から見るとまだできていないところがたくさん目について不安になると思います。しかし、あれもこれもとやることを一度に押し付けすぎると、子どもは抱えきれなくなって気持ちがパンクしてしまいます。
学習を進めるときは、目的をハッキリさせると子どもは内容に集中しやすくなり、さらに達成感を得やすくなります。例えば算数をしているなら、途中で漢字の間違いや字が汚いことを指摘しないことです。それは国語の授業ですよね。思考が脱線してしまいますから、終わった後や別の機会に伝える方が、算数の内容に集中することができます。ほかには、「算数の文章問題について、計算はしないと決めて式を立てるまでを繰り返し練習する」などの勉強方法も効果があります。

3.できたことをたくさん褒める
達成感は、勉強が楽しくなる要因のひとつです。お子さんの足りない部分ではなく、「できている部分」に注目して、たくさん褒めてあげてください。

たくさん褒めるポイントは、大きな目標を小さなステップに区切って、達成ポイントをたくさん用意することです。料理のレシピを思い出してください。
・材料を揃えます
・良い大きさに切ります
・鍋に移します
・10分煮ます
このように区切れば、ひとつの料理が完成するまでに「できたね!」「すごいじゃん!」と言える達成ポイントをたくさん用意することができますね。お子さんの勉強も同じように、姿勢よく座れたこと、問題文が読めたこと、式を立てられたこと…と、たくさん褒めてあげましょう。

「好き」を広げて「得意分野」にしよう!

今回は「どうすれば勉強が楽しくなるのか?」をテーマに考えました。ステップを細分化することや、たくさん褒めることをポイントとしてお伝えしましたが、最後に「勉強を→楽しくする」よりも「楽しいことを→勉強する」と発想を逆転させるのも大切なポイントとしてお伝えします。
もし、おうちの方がやらせたい勉強があるのに、お子さんが嫌がって勉強そのものをキライになりそうなのであれば、一度休止してお子さんの「楽しいこと」を入り口に勉強を進めてみてはいかがでしょうか。
楽しいと思うことを勉強して視野が広がると、関連する他の分野にも興味が湧くものです。いずれおうちの方がやらせたかった分野にも辿り着くかもしれません。
好きを起点に広がる学びは苦にならないもの。将来に渡って武器になる、その子の得意分野になるでしょう。おうちの方はぜひ、長い目で子どもの興味を応援してあげてください。
教えてくれたのは

■今木智隆/RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。
タブレット教材「RISU算数」

ナビゲーター

算数教材「RISU」代表取締役今木智隆の画像

担当カテゴリー

学び・遊び・教育

算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

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