【孫差別】どうして起きる?祖父母の心理と対処法

「うちの子は姉弟2人。義母が弟ばかりをかわいがって、お姉ちゃんがかわいそう」
「ずっと私よりも姉をかわいがってきた父が、私と姉に子どもが生まれてからは、姉の子どもばかりかわいがる」
同じ孫なのに、孫同士で扱いに差が出る、祖父母からの「孫差別」。孫差別を感じたことがあるママの悲しみや憤りの声をよく聞きます。
では、こんな孫差別に遭遇したとき、どう対処すればいいのでしょうか。そのときの祖父母の心理と対処法を心理カウンセラーの立場からお話しします。

孫差別をする祖父母の心理は?

孫差別をする祖父母の心理の裏側には、孫の親である息子や娘、その配偶者への感情が隠されていることがよくあります。
長男が家を継ぐという考え方の人なら、長男の子どもだけは別格だから優遇するという祖父母もいるでしょう。
あるいは、息子よりも娘のほうが気の置けない関係で何でもズバズバ言える、と思っている祖父母なら、息子の子(内孫)より娘の子(外孫)を優先させるかもしれません。
実際、内孫よりも外孫を優先させる祖父母のほとんどが、「息子の子はお嫁さんに気を遣うので何もできないが、娘の子なら自分の好きに扱ってよい」という考え方をもっています。
差別のパターンはさまざまで、例えば同じ両親から生まれた子でも、長男と次男とで差をつけられる場合があります。これは祖父母が、「長男だから優先すべき」または「小さい子だから優先すべき」と考えているのかもしれません。
いっぽうで、「男の子より女の子のほうが構いやすい」あるいは反対に「女の子より男の子とのかかわりが楽しい」という理由も存在します。

孫差別は起こりやすい現象
これらとはまったく別に、単純に会う回数が多いなど、「なつくからかわいい」「なつかない孫はかわいくない」という理由で差別をする祖父母もいます。
考え方は人それぞれですが、「そもそも孫同士で差別するのはおかしい」と考え、意識して平等に扱おうとしていない限り、孫差別は非常に起こる可能性が高いものなのです。
そんな祖父母の中には、自分の子どもを、きょうだい間で差別していた人も少なくありません。祖父母が子育てをしていた時に、長男よりも次男のほうがかわいかったので、長男の子よりも次男の子がかわいい…という人もいます。

「モノによる」「言葉や扱いによる」孫差別

孫差別に多いのは、「モノによる差別」と「言葉や扱いによる差別」の2パターンです。

モノによる差別には、例えば「長男のときはランドセルを買ってもらったのに次男のときはなにもない」「親戚一同で遊びに行ったのに、一部の孫にしかお土産がない」といったようなものが挙げられます。
これは、その場ではなかなかフォローする方法がありません。特にランドセルのような、子どもが気づきにくいものならともかく、親戚一同で集まったときに気に入った孫にしかお土産のおもちゃがないような時は困りますね。

また、言葉や扱いによる差別は、例えば「〇〇ちゃんは勉強ができてえらいね~」などと、特定の孫ばかり褒める。あるいは、親戚一同で集まったときに、特定の孫にだけ何を食べたいか聞いて振る舞い、他の孫には一切聞かない…などがあります。

自分が良好な関係を築く

いずれの場合も効果的な対処法は、「孫の親である自分自身が祖父母と親しくなり、良好な関係を築く」ということです。
祖父母とは、娘息子も独立してしまい、老いもあってか、人生に寂しさを感じやすいもの。そんな時、自分に優しくしてくれる相手、「おじいちゃん、おばあちゃん!」と言って立ててくれる相手がいれば、その相手を優遇したくなるもの。
差別されると距離を置きたくなるのが人間の心理ですが、そこをぐっとこらえて、あえて相手の懐に飛び込むということが必要なのかもしれません。子どもにも、年配者に対する礼儀や態度、身の処し方を指南するよい機会でもあるでしょう。
連絡をこまめに取って、体調ケアを気に掛けたり、子どもの成長や今の様子、子どもの好むものを報告し続けることで、祖父母からの扱いが変化することも。

子どもの心理的なケアを優先すべき場合も

ただし、こちらがいくら祖父母に対して親切に振る舞っても、相手が変化するとは限らないのが難しいところ。
差別の度合いによっては、子どもの心理的なケアを優先すべき時もあります。
祖父母から自分や、時には両親が差別されるのを目の当たりにして、子どもが祖父母の側に行くのを嫌がったりする場合は、子どもたちが大きくなるまで、実家や義実家から距離を置くという選択もあると思います。
それ以外には、他家の孫とは違う時期に祖父母を訪問し、同時訪問を避けるなどの工夫をしてみましょう。

祖父母に期待をしすぎないことも大事

脇から見ている親世代には、信じられないようなことですが、孫差別が起こるとき、孫差別をしている祖父母には、その自覚がないことがほとんど。自覚がないので、こちらがストレートに孫差別を指摘しても、「そんなことないわよ」と言われたり、逆に相手の気分を害してしまうことが多いでしょう。
孫差別には、祖父母のその時の経済状態や、体力の有無も影響していることがあります。先に生まれた孫にはランドセルがあったのに…というのはその最たる例で、現役時代に生まれた孫と、引退してから生まれた孫とでは、お祝いの品で差をつけざるをえないとことも。

まずは、祖父母には期待をしすぎないことが重要です。最近では、祖父母にあれもこれもやってもらって当たり前だと考えている人もいて、その期待に対する裏切られた感が「孫差別をされた」という感覚につながっているケースもゼロではありません。
またほかの家族の祖父母と比べるのもNG。「家族のかたちはそれぞれ」と割り切ることも大切です。
ママ達が祖父母に対して「こうあってほしい」と求めすぎることなく、「そんなもんだよね」というおおらかな気持ちでいることが、孫差別から生まれる悲しみを軽くする一番の方法なのではないかと思います。

ライター

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心理カウンセラー、占い師 あん茉莉安

ふたりの女子の母。専門はスピリチュアルと発達心理学。得意分野は幼児教育、習い事、小学校お受験、中学受験など。趣味は歌とバイオリン。教員免許、図書館司書、学校図書館司書の資格をもっています。占いやパワーストーンを通してさまざまな癒しを皆さまへお届けしています。

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